創業から発展、飛躍に至る過程で企業は上場という選択肢を前に大いなる決断に迫られます。
企業にとって創業は誕生日と同じですが第2の誕生日と言えるのがIPOです。初めて株式を一般に公開することであることは皆様、既にご存知の通りかと思います。
東証の鐘つきはIPO企業の定例行事ですが、様々な審査や準備を経てのIPOは世間に認められた第1歩と言えますので感慨もひとしおではないでしょうか。
企業は創業時においてはまだ先が見えないひよこのような状態なのかも知れませんが、ビジネスが確立され売上、利益が拡大し、円満な取引先との関係が構築され、キャッシュフローが生まれてくるとより一層の事業拡大に向けた資金調達を計画し始めます。
最初に得る資金はエンジェルマネーや銀行からの借入金かも知れませんが、それによって販売網が拡大したり開発力がついて設備資金へのニーズが高まります。人材への投資も必要になって創業してから5年も経過すれば次の成長に向けIPOを意識することになるのですが、その時期は企業や経営者の考え方に左右されます。
IPO前の審査の厳しさや幹事証券からの指導の厳しさが足かせとなってIPOを決断するのは並大抵のことではないと思われます。
IPO前に売上が10億円以下に留まっている企業が成長のための先行資金を得て年商100億円以上に向かう。企業の成長の第1歩がIPO。更なる売上の拡大とともに利益も拡大。支払う税金も増加。従業員などの人員増、設備投資や研究開発投資などの拡大、ビジネスエリアの拡大が果たせると株主には配当金が還元され信頼関係が構築されます。
また、取引先との関係、新たな投資家の呼び込みに加え、これまで以上の社会貢献を果たす立ち位置を持つことになります。
こうした企業発展の恩恵に預かるのが投資家だろうとは思いますが、多くの投資家は短期指向。企業からの真摯な情報発信には耳を傾けずに短期の博打場の中で利益を追求しがちです。
時に企業からは数値目標が示されますが、数値の定量目標に定性目標が投資家への夢の提供にもつながることになります。
投資家はIPOした企業にロマンを求めてリスクマネーを投じることも多いのでしょうが、その期間は3年、5年、10年、いやもっとそれ以上なのでしょうか。山あり谷ありの株式相場の中で投資家はIPOした企業とどのように向き合えば良いのでしょうか。
これから何回かに分けてIPO投資家の心得を述べていきたいと思いますので宜しくお願いします。
(炎)
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