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かねてから話題になっていた東京証券取引所(東証)の上場企業絞り込みに向けた考え方が明らかになってきた。
東証によると時価総額の基準を現行の40億円から250億円に引き上げて英文開示なども義務づけるとの話が浮上。この施策が実施されると東証1部の上場企業数は現在の2136社から3割程度(約600社)減る可能性があると見られる。
時価総額が200億円以下の銘柄が600社もあるためだが、企業によってはIRに努めればこの時価総額の壁は突破できる可能性もある。
優良企業が集まる上位市場の位置づけを明確にしようというこの施策でせっかく東証1部に昇格できたと喜んでいた企業も今後の対応に迫られることになるだろう。
こうした措置で東証1部企業として残れた企業は一層のグローバル化を推進し成長を目指すことになる。ダントツの企業規模を誇れる企業はともかく、ボーダーラインに位置する企業にとっては、対応に迫られることになるが、市場内ではいくつかのボーダーライン銘柄の株価にポジティブな変動が見られる。
恐らくは猶予期間が設けられるだろうが、時価総額250億円は決して低いハードルではなく、利益面では少なくとも20億円以上をコンスタントに計上できないとならず、ますますIRを積極化させ外国人投資家や機関投資家からの理解を得る必要がある。
これを政府は6月に公表する成長戦略に盛り込むもようであるが、時価総額250億円を前にした東証1部銘柄には今後も注目が怠れない。現在、時価総額150億円から260億円程度の銘柄は280社程度がありますが、250億円の時価総額を十分にクリアできると見られる現状低評価の企業を見出して運用成果を高める投資戦略が今後は有効かも知れません。
本日はレーティングの引き上げでメディカルシステムネットワーク(4350・時価総額154億円)が寄り付きでストップ高を演じたほか、アイティフォー(4743・時価総額258億円)が3.5%の上昇を見せた。
信和(3447・時価総額147億円)など直近になって東証1部に昇格できた銘柄も喜んではいられない。ただちに時価総額を250億円にまで高める施策を打つ必要がある。
これらはまだ恵まれている方だ。
経常利益が20億円を超える収益性を備えているためだが、市場人気を高める努力が求められている。経常利益が10億円以下で東証1部に昇格できた企業には、この先において更なる収益向上努力、M&Aによる企業価値向上など対応に迫られることになるだろう。
このほかあちらこちらで株高の動きが見出せる。
株主や投資家と企業が一体となった東証1部居残り戦略がもう始まっているのかも知れません。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)