書評:銃・病原菌・鉄(上) 1万3000年にわたる人類史の謎
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 大航海時代以降、欧米が繁栄し、アジアやアフリカなどの人々を植民地化し蹂躙したのは偶然か?必然か?

 本書では、欧米人が現在の世界を支配しているのはタイトルの三つが直接的な原因だと考えているようだが、それは(下)で議論が展開される模様だ。


 (上)ではその三つの直接的原因の遠因について議論が展開される。

基本的には
 1)人類がどのように余剰生産を生み出し、それを活用したのか?
 2)余剰生産を生み出すための、栽培化、家畜化は、世界のそれぞれの地域でどのように発展したのか
 3)後年、南米大陸で、自らの肉体を細菌兵器化し、アステカ人をほぼ全滅させたスペイン人をはじめとするヨーロッパ人は、どのように免疫を獲得したのか?

に関する議論を展開している。


 栽培化・家畜化については、世界に数え切れないほど存在する動植物のうち、栽培化・家畜化に向いているものはごくわずか(例えば植物では主に14種、さらに世界規模で生産されているのは、そのうち小麦、トウモロコシ、コメなど数種しかない)しかなく、面積が広く、気候に恵まれたユーラシア大陸に、その種と良好な生育環境が集中した。

 さらには、東西に広がるユーラシア大陸では、ほぼ同じ緯度の地域で速やかに農耕文化が伝わったのに対し、南北に伸びるアフリカやアメリカ大陸では、緯度ごとに生育環境が異なるので、伝達が難しかった。

 その結果、ユーラシア大陸で「余剰食糧」をベースにした文明が花開いたのである。


 また、家畜化によって、その文化圏の人間は動物由来の病原菌に対する免疫力を身につけた。特に、中世のヨーロッパでは、農民が家畜と一つ屋根の下で生活するのはごく普通であり、病原菌も共有した。

 現代でも、エイズやサーズなどの恐ろしい流行を世界に引き起こす病原菌は、動物由来であり、人間に感染することにより病原菌が変化するのだ。

 したがって、家畜化が遅れていたアメリカ大陸のインディアンたちはまったく免疫を持たず、<歩く生物化学兵器>によってほぼ全滅に追い込まれたのだ。


(大原 浩)


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