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投資アイデアの創出その7 アイデアの筋
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投資アイデアの創出その7 アイデアの筋

2019-10-16 02:11



    ■■株式投資のアイデアの生成の過程についての連載を続けています■■


     いままで、実例をあげながら、投資アイデアについて、ファンダメンタルズを中心に説明してきました。

     今回は、「アイデアの筋」ということをテーマにします。


     アイデアは闇雲になんでも出すという「ブレインストーミング」といわれる手法があります。もちろん、思いついたことをなんでも書き留めるということは大事なことです。わたしも、よく、友達と食事中に、ノートを取り出して、書き込んだりします。
     ちょっと変ですよね。でも、気にしません。
     食事相手の失礼にならないようにはしますけど。


    ■投資アイデアの筋の4分類■

     わたしが「投資アイデアの筋」と呼んでいるものは、3つあります。

     ▲A分類 量的増加見込み▲
     今後、対象企業の製品やサービスが量的な増加が見込めるか
     (あるものがあるものを代替していく可能性)

     ▲B分類 市場占有率の上昇見込み▲
     今後、対象企業の市場占有率が上昇する見通しがあるか

     ▲C分類 収益性向上見込み▲
     今後、対象企業の収益性が向上する見通しがあるか


    ■目的意識を持ってアイデアを考える重要性■

     これは、アイデアではなく、分析だ!とお叱りを受けそうですが、「アイデアの筋」なんです。

     つまり、アイデアを考えるとき、漠然と考えるのではなく、ある目的意識をもって考える。

     目的意識をもってアイデアを考えると非常に効率的です。

     これは情報収集についても同様です。

     →目的意識をもって500ページの本を読むと、そうでない場合に比べて100倍以上のスピードの差になる、というのがわたしの実感です。

     投資アイデアを出すときは、上記の3つの筋に沿ったアイデアを出すのが効率的です。


    ■各分類について■

     ▲A分類 量的変化▲
     対象企業の製品やサービスは;
     1)ライフサイクルの変化に対応できるだろうか
     2)トレンドやファッションといった一過性のものか
     3)利便性が向上するのか
     4)新しい機能が付加されているのか
     5)イノベーションによってもたらされるものか
     6)法律の変化、人口の変化など環境変化に適しているか
       つまり、あるモノがあるモノを駆逐していくか、駆逐されるのか。
       例)カメラ付き携帯は、低級品のデジカメを駆逐するのか。

     ▲B分類 市場占有率の変化▲
     対象企業は;
     1)競争優位にあるか
     2)参入が難しいか
     3)経営スピードがあるか
     4)組織は柔軟か
     5)ニッチ市場で大手からの圧力がないか
     6)特許などの状況はどうか
     7)企業秘密があるか
     8)正しいタイミングで設備投資を行なってきたか
     9)直販比率は今後どうなるのか
     10)買収戦略はどうか
       例)日本電産が三協精機を傘下に入れる

     ▲C分類 収益性の変化▲
     1)従業員の習熟度は向上するか
     2)さらに良質で安い部材や外注先を探せるか
     3)製造プロセスや生産プロセスの中抜きができるか
     4)販売プロセスの中抜きができるか
     5)アウトプットのスピードアップが可能か
     6)価格の見通し(需給要因)
       例)液晶基板の大型化により、アウトプットが増やせる

    などです。


    ■アイデアの筋を知って、その筋に従って、調べ物をする■

     3つのアイデアの筋を身に着けて、企業への取材やインターネットでの情報収集を行ないます。投資先の企業が、A、B、C分類のどこに所属するか、そういうことを考えながら調べるのです。

     わたしは願わくは、A∧B∧Cという3つの筋がすべて揃った企業への投資がしたいものです。そういう企業のPERは高くなる傾向があります。
     ですが、長期的に信頼できる経営者が多いのも事実です。


    ■各分類のイメージ■

     A分類は、テクノロジー差別化志向、技術型志向、ニッチ志向企業。
     B分類は、高いシェア志向。
     C分類は、ロードマップ型。コストダウン志向。新工法志向。

     A分類の量的拡大の見通しだけでは、厳しいコスト競争が待ち受けています。
     B分類のシェアが上がるだけでは、過剰な設備投資を導くことになります。
     C分類の収益改善だけでは、単なる景気循環論に流されてしまいます。

     バランスよく、AとBとCの要素がすべて交じり合っている企業への投資が、中期的な展望を持ちながら、株を保有するといった機関投資家の運用方針に合致しているのです。


    山本 潤

    SLOW INVESTMENT2004
    ~ゆっくり考え ゆったり投資~


    このコンテンツは、特定の銘柄を推奨するものではありません。アイデアというものは、単なる思い付きの部分も多く、投資判断を導くには未成熟・不十分・不正確なものです。ここで紹介しているようなレベルのアイデアでは、投資の役には立ちません。内容についても、関係者との立ち話が中心なので、わたしの取り間違いや聞き違いも含まれているかもしれません。内容の正確さを保証するものではありません。
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