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■投資アイデアの生成の過程についての連載を続けています■
(前号まで)
●売上の変化、シェア(=市場占有率)の変化、コスト構造の変化などを軸に投資案件を評価しましょう。
●売上の伸びる、シェアが維持できる、コストダウンの見通しがついている。
こういうケースが株が人気化するパターンです。
(今回のテーマ)
●テーマ●予想通りに、売上が伸びるかどうか?
ある企業の将来の売上が伸びると予想します。でも、本当に、期待通りに将来の売上げが伸びるでしょうか?
予想が当たる確率を高めるためには、どうしたらよいでしょうか?
1)市場を創出した企業を探す
自らの努力で、市場を創出した企業。
たとえば、MP3プレイヤーなどのアイ・リバーシリーズは、大手の家電メーカーより高いシェアを取りました。
グローバルニッチが経営戦略となっている日東電工は、多くの分野でシェア1位を誇っています。
このように自らが市場を創出している企業は、圧倒的なシェアを取っているため、その市場が拡大すれば恩恵を受けることになります。
2)シェアの高い企業
伸びる分野において、シェアが高い企業。その属する市場が伸びるのであれば、その企業が恩恵を受ける確率は高いでしょう。
■伸びる企業を当てる確率を高めるときの問題点と解決策■
●4-5年先の近未来を予想する
伸びるのが誰にもわかる場合、市場参加者が安易に将来を予想できるため、株価はすぐに織り込んでしまう場合があります。
ただ、株価というものは、長くて2-3年先までしか織り込めません。
4-5年先までの拡大が読める場合は、リスクをとって、購入に踏み切ってみるべきでしょう。
投資のリターンは、遠い未来になればなるほど、大きくなります。同時にリスク、つまり見込みが違ってしまう確率も高くなります。
●数ヶ月先を読む。相場のあやをとる。トレーディングのアイデア。
トレーディングとは、レンジの中で、売ったり買ったりする行為です。月次の売上に一喜一憂する投資家の数がかなりを占めます。
株式市場では、短期投資家の数が多いため、四半期の決算や月次の売上結果などで、株価が影響を受けます。
長期投資家を目指す方は、このようなトレーディングのアイデアは、学ぶ必要がないでしょう。
●4-5年先の未来を予想する場合の事例
☆日東電工(6988)
液晶テレビは、今後5年は伸びつづけるでしょう。(市場が伸びる)
日東電工の大型液晶向け、テレビ向けのフィルムのシェアは高い。(シェアが高く競争力がある。伸びる確率が高い)
☆有沢製作所(5208)
今年の三星電子とLGの携帯電話の出荷はそれぞれ25%と45%程度伸びるだろう。なぜなら、カメラ付きで安価なモデルを出しているから。
2004年ですでに世界のカメラ付き携帯電話は6000万台に達する。韓国勢が大きくシェアを伸ばしている。
中国は2005年(1250万台)から2006年(3500万台)にかけてカメラ携帯が大きく伸びる。(2003年は120万台、2004年は800万台予想)。
フレキ基盤は、カメラ付きになると、大きく伸びるといわれる。
有沢のFPC材料の韓国シェアは70%を超えている。(伸びる確率が高い)
次号は、売上が伸びれば、利益が伸びるかという問題を取り上げます。
(つづく)
山本 潤
スロー・インベストメント2004
~ゆっくり考え ゆったり投資~
このコンテンツは、特定の銘柄を推奨するものではありません。アイデアというものは、単なる思い付きの部分も多く、投資判断を導くには未成熟・不十分・不正確なものです。ここで紹介しているようなレベルのアイデアでは、投資の役には立ちません。内容についても、関係者との立ち話が中心なので、わたしの取り間違いや聞き違いも含まれているかもしれません。内容の正確さを保証するものではありません。