前回のメルマガの続きで、今回はKPI比較のコスト編です。
~おさらい~
2018年に金融庁が
「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPIについて」
という発表をして、各金融機関の投資信託の販売状況を購入者側が比較検討しやすいように、比較可能な共通KPIというものを設定するように促しました。
その詳細は、下記になります。
https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20180629-3/02.pdf
とはいうものの、なかなか投資信託を購入する際に、販売会社の情報を比較することもないと思いましたので、一度調べてみました。
とりあえず、証券大手3社を比較してみましょう
[野村証券]
コスト 2.49%
[大和証券]
コスト
2018年 1.96%
2019年 1.93%
[日興証券]
コスト 2.08%
でした。
日興証券と大和証券が2%前後で、野村證券はそこからまた0.5%程度高い水準になっています。
また、ここでのコストは、各社
コスト=販売手数料率/5+信託報酬率
という計算式で算出されていましたが、一方で日興証券の同じ資料からは日興証券の投資信託保有者は、平均保有期間が3年にも満たないというデータもありましたので、各社の投資家が投資信託を5年も保有していない可能性が高いことを考えると、2%台ではなく3%以上が実態ではないかと推察します。
一方で、ネット系の証券会社では、ここ1週間で、投資信託の販売手数料無料化の大きな動きが起きています。
12月2日:松井証券、投資信託購入時手数料の無料化を発表
12月2日:auカブコム証券、信用取引の手数料撤廃を発表
12月3日:マネックス証券、投資信託 実質無料化を発表
12月3日:楽天証券、投資信託 買付手数料無料化
12月4日:マネックス証券、キャッシュバックから買付手数料無料化に変更
12月4日:SBI証券、投資信託の販売手数料無料化
これは、米国で証券会社が投資信託のみならず株式の売買手数料を無料化するという流れを見て、国内にも波及したものです。
とりあえずは、ネット系の証券会社が販売手数料無料化に取り組み始めましたが、これが上記のような対面販売の証券会社や銀行などにも影響を与えることは時間の問題です。
おそらく、2~3年もすれば、対面で手数料がかかる取引を敬遠する人が増えるのではないでしょうか。
そして、手数料無料化に向かっているネット系証券各社からは
「これからはアセットマネジメントやアドバイスの収益に力を入れる」
と発表していることから、ようやく日本の金融リテール業界でもアドバイスの価値や有料化が始まるのかと、先行している弊社からするとその動きから目が離せません。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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