閉じる
閉じる
×
「新型コロナウイルスの蔓延→世界的な景気悪化」の図式が広がり、2月末から株価の下げも誘発したことで、世界各国の中央銀行が一斉に金利引き下げに動いています。
想定より早く、いよいよ「金利が上がらない」金融市場になってきました。
この超低金利環境は暫く続きそうです。
今年に入ってから市場金利が下げ始め、株式市場も不気味な上げ方をしていましたので何となく不安を感じていました。2月のメルマガでも「買う気になれない」と書いていましたが、とは言え、2月に入るまでは新型コロナウイルスのニュースも余り気にせずにおりました。
2月末頃でも米国金利は1%台を維持していましたので、どちらかと言えば「世界中で金利の無い世界」に入っていくことが今年の景気悪化を織り込んでいるのかな?と言う風の考え方をしていましたから「株式市場にも警戒しなければ」と言うことで、キャッシュポジションを高めにしていた程度でした。
それが、まさかこれほどの金利急低下や株式市場の暴落に繋がるとは想像していませんでした。3月に入ってからは株式の下げを半ば呆然と眺めていたほどです。
やっと正気に戻ったのは13日辺りでしょうか。「こりゃいかん」と言うことで少し冷静になり、目を付けていた優待&配当銘柄の「これは安すぎる」と感じたところで幾つか拾ってみた・・・といった具合です。
読者の皆様も大変な1か月間だったのではないでしょうか。
さてこれからですが、日本では20年以上も超低金利環境が続いていますから相当先まで需要を先食いしている状態と考えられます。そんな中でのコロナ禍による急激な需要の消失ですから、余程の景気テコ入れがなければ今期の業績悪化は免れません。
加えて、新型コロナウイルスへの対処で首都ロックダウン懸念の最中ではあるものの、森友事件や桜を見る会問題などに対して強引に幕引きを図ろうとする政府与党の姿勢には大きな疑念を抱かずにはいられません。
一事が万事で、コロナ禍を全力で解決できない本質が、このような与党政治家の驕りと油断によるとも感じる次第です。
そろそろ世界的に「バブルは悲観の中に生まれ・・・」の市場環境かなと思いますが、今後徐々に金融市場が回復するにせよ、日本株につきましては、やはり出遅れるのではと感じている次第です。
当面は利回りの無い世界が続くと予想されますので、まずは「利回り」、次に「成長市場」をテーマに次の投資先を物色することになると考えています。
ちょっと気になりますのは、今回の株価下落についてリーマンショック時と比較するコメントが多いことです。市場環境も原因も随分違いますから少々違和感があり、どちらかと言えば87年10月のブラックマンデーに近いのではないかと。
この時は10月初旬からの約10営業日で2,600ドル前後から1,700ドルへと大凡35%下げました。コロナ禍の動向にもよりますが、今後についてもブラックマンデーの方が参考になるのではと考えている次第です。
金利予測や景気対策などの面でも。
恐らくは、現在活躍しているエコノミスト達の大半は年齢的にもブラックマンデーを経験しておらず、リーマンショックの印象が強過ぎたため、暴落と言えばリーマンショックと比べたくなる為かも知れません。しかもリーマンショックの実態は前年の7月に始まっていたと考えられます。それまで悪化し続けていた金融市場が同ショックにより止めを刺された形です。それ故、短期間に35%も(約7,552ドルへと)下げた訳です。2007年7月上旬の14,000ドルからの下落率なら約46%にもなっています。
資金循環が枯渇した場合の破壊力を経験した中央銀行は、今回は協調して介入に乗り出していますから、(今のところは)違うストーリーではないかと考える故です。
それにしても「この時とばかりの」政治パフォーマンスには呆れます。
つい先日まで一律給付か限定給付かで揉めていました。ざっくりと5,300万世帯に10万円ずつ配るだけでも毎月5.3兆円。コロナ禍が長引けば一律など続けられる訳がありません。しかも大半は預金に回るだけ。
一律の場合、国民全体の30%ほどを占める年金受給者や後援会(両方とも痴呆議員にとって最重要有権者)は喜ぶでしょうが、本当に困っている人では無いですね。最優先で守るべきは日々の収入で生活している労働者であり、労働者雇用を担っている事業者の資金繰りです。
例えば緊急事態として、自治体窓口の担当者の裁量で上限5万円までの生活補助を配れるようにしたら如何でしょう?現場は現場にしか分かりません。権限があれば彼らは良い仕事をしてくれると思います。マイナンバーも活躍しそうです(^^)。
100万人に配ったとしても最大500億円ですから多少の無駄があっても止むを得ませんし、これだけでも救われる人は沢山居ると思います。
ダム一つに5,000億円も掛けるより余程マシですね。
現場を知らず、不自由した経験も無い世襲議員の思い付き対策では当てになりません。そして如何なる非常時であってもゴキブリは票に結びつけようと虎視眈々と機会を窺っています。
円建て投資を避けたくなる一番の理由です。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)