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ここでの打つべき施策

2020-04-08 23:09
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     武漢ウイルスショックによる経済崩壊は国民の生活を足下から揺さぶり、感染者とはならなくても生活困窮による苦難をもたらそうとしている。

     108兆円という規模の緊急経済対策が打ち出されることになったが、何となくわかり難い施策という印象がある。ここまでの施策が打ち出せるのなら消費税など上げずに景気を盛り上げる施策をもっと早く打ち出せただろうに、未だに消費税減税、無税化の話は出てこない。

     日本経済を停滞させてきた諸悪の根源は消費税だったということは明白なのに、この期に及んでも施策として打ち出せないのはなぜなのか?
     エコノミストからは財務省を新型コロナウイルスのような悪玉とする意見を聞くことが多い。


     不思議な国、日本は感染源のかの国の入国者を規制しないで感染を広げてきた。明らかにかの国で大流行しているのに入国を止めなかったことは政策的な失敗だった。
     にも拘わらず諸外国の感染増加に比べて穏健な増加に留まった日本の国民はまだ恵まれて状況にある点に安堵感がある。そう言いながらも有名タレントの急死を機に為政者は医療体制の崩壊を防ぐための施策を打ち出し始めた。
     今後の重症者の増加で病床数の確保に迫られる中で医療体制が堅持されることが今後の日本には必須だというのは誰しも考えられることだ。
     とは言え、実は新型コロナウイルスの流行の反面で旧来のインフルエンザの流行は抑えられているという事実もある。


     日本最大の調剤薬局ネットワークを有するメディカルシステムネットワークは前期の業績を下方修正したが、その理由の一つに例年よりもインフルエンザ患者が少なかったことを挙げている。これは他の調剤チェーンにも言えることだ。
     コロナウイルスの感染拡大はアビガンなどの治療候補薬への期待を高めているが、既存の医薬品関連企業にとっては決してポジティブなネタではないのである。

     同様に病院経営にも歓迎されざる事態をもたらしているとも言われている。
     新型コロナウイルスの検査や治療は他の病気を患っている患者の治癒にとっては妨げとなる。このため医療従事者にとっては軽症患者を隔離してほしいと考えているだろう。これが今回措置につながっていると言える。


     過去の感染症は1918年のスペイン風邪(感染者数6億人、死亡者数2000万人から4000万人)に1957年のアジア風邪(世界の死亡者数100万人以上、日本は5700人が死亡)と膨大な死者を出したとされるが、今回はそれらに比べるとまだスケールは小さい。それでも世界で120万人以上もの感染者を出し死者の数も7万人近くとなっているとされ、今後も更に増加が予想されるとの見通しだから警戒を怠ることはできない。

     最終的な感染者数や死亡者数は今よりもはるかに多くなることが想定される。

     こうした爆発的な感染拡大を防ぐ意味での外出自粛要請は強制力がないが、国民の民度が比較的高い日本での効果は一定水準期待される。また、強制力のある都市封鎖にまではいかないとしても政府の緊急事態宣言は一定の効果が期待される。
     欧米に比べて増加のペースが遅い日本の秘密は国民の意識と行動が既に実行されての結果だと言えるだろう。

     政府としては活発な経済活動が営めない状況下で「収入源に苦しむ家庭に30万円の現金給付、1家庭に布マスク2枚」といったやや理解に苦しむ施策を打ち出した。また、108兆円規模の緊急経済対策のおよその中身は既に伝わっているが観光業・飲食業などの優遇措置も打ち出されている。


     カラオケ事業を展開するコシダカHD(2157)の株価はこのところ急落を演じており、高値から5分の1以下という水準となった。
     また、街コンなどイベント情報会社のリンクバル(6046)も既に株価は高値から10分の1の水準となっている。

     このように新型コロナウイルスによる影響は大多数の上場企業にも及んでおり、その困窮ぶりは中小企業のみならず大企業にも及んでいることがわかる。
     それでも上場企業などは余裕がある。それぞれに対応する力を持っている。

     飲食業界の大手であるすかいらーくなどはクリーンなイメージを徹底。客数が大幅に減少する中でポストコロナを睨んで注文のタッチパネル化などを推進している。短期的な一時的な影響はあるが中長期的には飲食業界内での淘汰が進む可能性を感じる。

     熊本を中心に展開する住宅企業LibWork(1431)は人型ロボットを活用した無人住宅展示場を展開し集客増を図るなど人の介在をできるだけ少なくするビジネスを展開。

     こうした先駆的な取り組み企業にこそ政策的な優遇措置を施すべきだろう。


     お金をばら撒く施策とともに中長期的な視点での産業政策が求められる。
     そのための減税政策はもっとあって良いだろう。

     テレワーク減税、テレビ会議普及助成金、NHKの受信料無料化、テレ医療推進、インターネット教育制度促進など昨今の社会状況を見据えた施策が大いに議論され、具体化されることを大いに期待したい。


    (炎)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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