有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「焦らずに決算発表を待って動きを確認してから投資を実行すべき」=
(有料メルマガ第443回・2017/8/1配信号)
【前略】
これから投資しようと考えている企業もそうですが、従来からホールドしている株は決算を恐れて事前に売ると、予想に反した大きな上昇で涙を飲むこともでてきます。
迷ったら半分という考え方もありますが、あまりにもトリッキーな株価の大きな変動もあり、いつもの『迷ったら半分』という作戦は、ここ当面はやらない方が良いと、自分では考えて自粛しています。
私は相場で迷ったときに、自分の性格にあわせて作った投資ルールを実行するようにしています。
これはミニマックス・リグレット基準を採用しています。「ミニマックス・リグレット基準」というのは、将来がどうなるか不確実なとき、またはものごとが裏目に出たときに、自分の後悔が最も少ないような選択をする基準をいいます。
人間は、ものごとが裏目に出たときのダメージに弱い生きものです。そして裏目に出るという可能性にすら目をつぶりがちです。
株を買う場合は、その株が値上がりして儲かると思って買います。だから買った株が値下がりするとうろたえる人が多いです。そして後悔します。人間は欲張りにできています。また心が弱くできています。だから弱い心を支援するシステムをいろいろ考えることが必要になります。
投資家によって経済環境が違うし、安定収入がどれだかあるかも違います。株式に投資使用できる投資資金の金額も違うし、運用成果が自分の生活にどれほど強い影響を与えるかも異なります。
私の株式投資の資金は、自分の生活を維持していく為に必要不可欠な資金なので、できるだけ損をしないように維持していきたい資金です。
そのような経済状態の制約がある上に、投資家それぞれの性格も違うため、投資を実行し、その投資によってもたらされた結果に対する反応(⇔利益を上げたときの喜びとか買って直ぐ株価が下がってしまったときの怒りとか、多くの日本株が一斉に下がり出したときの恐怖とか)が違います。
投資で利益を上げられたときは喜ぶから良いのですが、投資が上手くいかなくて損が発生した時に、多くの投資家は精神的に負担を受けたり、悩んだり、自分を責めたりすることが多くなります。すると冷静にリスクを管理することが出来なくなって、更なる大きな失敗をすることが多くなります。
そこで私は自分の性格を考えて、ミニマックス・リグレット基準を採用して投資ルールを作るようになりました。
利益が自分が期待している程度(または期待以上に)出ているとき、予想される出来事、イベントしだいで株価が上に行く可能性も大きいし、また下に行く可能性も大きいというときに、どのような投資行動を取るべきか。
投資ばかりではなくいろいろな場面で使われますが、よく『迷ったら半分』という考えをする方がいらっしゃいます。株式投資の例だと、自分が投資した数単位持っている銘柄の株価が随分上げてきた。平均買値から20%上がってきた。『そろそろ利喰で反落してしまうかもしれないし、まだまだ上がり続け2倍になるまで上げ続けるかもしれない。』
そんなときには、迷ったら半分だけ売って利益を確定しておく。それが『迷ったら半分』です。
反対に自分が主力として投資している銘柄の株価が下げてきた。持ち続けると、もっと下がって投資資金が減ってしまう。でも持っていれば株価が反転して戻してくれるかもしれない。
こんなときも『迷ったら半分』で半分だけ損を出して売って、半分だけホールドを続ける。
株価は投資家の欲と恐怖によって乱高下します。株に投資して買い値より株価が下がっても、持ち続けたら株価が買い値より上昇することもよく起こります。その反対も起こります。
【中略】
つまり、株価が投資してから下げている時に売ってしまうと、損が確定します。しかし持ち続けて株価がリバウンドして大きく上げるまで持ち続けて、その後に売れば利益を上げられます。
つまり損したか利益を上げられたかは、その株を売るまでわかりません。
企業の本質的な価値(=資産価値+事業価値)が高い企業を、ミスターマーケット(=市場に参加する投資家の総意=自分以外の投資家)の欲と恐怖という感情によってついた株価で、安く手放してしまっては、いつまでたっても資産を成長させることは出来ません。
しかし持っているままでリーマン・ショックや東日本大震災の直後の私のように一時的とはいえ投資資金の総額の40%を失う(=減ってしまう)痛手は二度と受けたくありません。
そこで『迷ったら半分』、更に迷ったら『また半分』というような投資行動をとることを通常は行ってきました。
しかし最近は決算短信発表の直後から大きく上にも下にも動く株が多くなりました。そこで去年までよりは、広く浅くという分散投資を行ってきたので、決算発表の前には動かずに我慢して、決算発表を待って株価の動きをしばらく確認してから動くようにしています。
この決算内容で、これほど下げるのかと感じる銘柄が出た時には、大きく下げている時に、自分の事前に行ってきた分析を信じて落ちてくるナイフを掴みに行くことも実行しています。
ただし、ほんのわずかな株数を買うだけです。この下落はチャンスだと感じるような大きな下落も良く起きるようになりました。しかし下げ続けることも起こりますし、すぐ翌日に切り返して前の日の下落を、一気に取り返すことも起こります。
迷ったら半分で半分売ったら、翌日に前日の下落以上の株価がリバウンドをすることも起きています。そこで自分が事前にしっかりと企業分析を行って投資している企業に関しては、決算発表というイベントの直後に発生する大きな株価の変動は静観することにして、『迷ったら半分』の売り買いをする作戦は取らないでおこうと我慢している状況です。
株式投資は長くやっていても、難しいものだと痛感する日々が続きます。
ただ迷いながら株式投資を続けてきたことで少しずつ決断力、直観力、実行力、忍耐力が身についてきたように感じています。
知恵を使い、失敗を良い経験に変え、自分を信じて行動できる積極的な性格への改造が少しは出来てきたようにも感じています。
人生の重要な選択の場面においては、どれか一つしか選べないという究極の決断をしなければならないことが多いです。就職にしても2つの会社に同時に就職することもできないし、結婚にしても同時に二人の女性(または男性)と結婚するという選択は、日本の場合は許されません。
しかし株式投資の場合は、A株を買うかB株を買うか選択に迷った場合は、A株もB株も両方とも買ってしまうという選択が選べます。
余りに多くの企業への分散投資はお金の無駄で、リスクヘッジにはならないという意見もありますが、同業種の、ともに業績が良い企業の株価が逆方向に動くことも多くなってきました。
優待投資家は、多くの優待株に分散で投資することも多いですし、優待株への投資だけで、大きく資産を築いている投資家もいるので、広く浅く分散させるのは悪い作戦ではないと考えています。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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