2021年の相場が始まり、年始から多少つまずく場面もありましたが、今年は丑年で「丑つまずき」の格言のようでした。

 しかし今年の市場環境は何と言っても過剰流動性相場が下支えし、カネ余りからもたらされるバブル相場が本格化してくる大相場が期待される年になります。

 他にも例年と様相が異なる点は様々にありますが、米大統領の決定に際して大きな混乱が生じていることもその一つでしょう。

 1月6日、米国連邦議会で民主党のバイデン候補が正式に次期大統領に決定する予定でしたが、前日のジョージア州における上院決選投票でまたしても不正が行われ、くしくも同時刻にワシントンD.Cに集合していたトランプ支持者たちが今回の米大統領選挙に対して猛烈な抗議活動を展開しています。

 結局、連邦議会の採決は中断されて現在も次期大統領が正式決定に至らないまま米国市場は取引終了、マーケットは上院2議席を民主党が確保した結果を元にブルーウェーブ好感の動きでNYダウは最高値を更新しました。

 この米大統領選挙の混迷は今後の新政権の船出にも影響を及ぼすとみられますが、株式市場にとってみればひとまず大きな不透明感の解消が何よりも買い材料になることが改めて浮き彫りになった形ですので、強気の取り組みを貫きたいところでしょう。

 米国の次期大統領が誰になるかによって政策が大きく異なるとみられ、もしバイデン政権誕生となれば内国重視の姿勢は変わらないにしても外交政策や国際関係上での枠組み変更などには注意しなくてはなりません。

 とくに中国とは金銭的な利害関係が噂されるバイデンファミリーの黒い背景もあり、中国の影響力が強まっているアジア圏では仮に国際秩序が脅威にさらされた場合においても関与してこない可能性も高まることでしょう。

 地政学リスクの高まりはこれまでにも意識されてきたところですが、ここにきて明らかに日本政府も防衛予算を拡充して中国への脅威に備える対応を見せるようになってきました。


 基本的に株式市場では戦争と相場の関係性でみれば「戦争は買い!」となります。

 直近でも防衛関連銘柄が大きく物色される場面などもありましたが、こうした銘柄群もいざという時のためのヘッジ手段の一つとして保有しておくことも有効でしょう。

 実際に世界最大の運用ファンドであるブラックロックなどは単に空売りでヘッジをかけて資産防衛を図ることよりもこうした防衛関連をポートフォリオに組み込んで、類まれなる投資機会に備える手法を用いています。

 というのも、戦争懸念が出ている間の相場は軟調な動きを見せ、いざ開戦!となった場合には材料出尽くしで反発します。しかも必ずといってよいほどの高確率でV字回復が見込めます。

 軍需関連の銘柄というのはその逆で、戦争懸念がじわじわと広がる中で上昇していき、徐々に思惑も呼んで大きく買い上げられていく中で、「いざ開戦!」となった時には一般の投資家がワッと群がって高値を形成する反面、出尽くしで下落に転じていくでしょう。


 実は足元の米大統領選挙やコロナパンデミックのニュースで溢れている今日この頃、米国のトランプ政権は中国系の政治協商会議のメンバーで三合会の犯罪組織リーダーに制裁を科しました。

 これまでも中国共産党へ流れてきた黒い資金、すなわちマネーロンダリングや武器・臓器の売買など裏取引を行ってきた犯罪グループ、マフィアは香港・マカオを拠点にしていましたが、トランプ政権がマネーロンダリング防止で資金の流れを絶ったことからラオスやミャンマー、カンボジア、パラオなどに活動の場を移していたようです。

 実際のところ、中国の一帯一路プロジェクトの背後には、中国だけでなくアジア地域に根差した犯罪ネットワークや違法企業が関わっているとされ、米国平和研究所ではこうした黒い資金の流れはアジアのカジノ都市をはじめ越境犯罪ネットワークが牛耳っていると声明を出しています。

 これら一連の流れによって東南アジアには違法カジノが広がっているとされ、トランプ政権はこれを機に一気に叩いて中国共産党が推進してきた一帯一路プロジェクトを隠れ蓑としてきた国際犯罪グループの一網打尽を目論んで上記制裁にこぎつけたわけです。

 少し長くなりましたが、中国共産党をめぐる米トランプ政権1期目の暗闘はあまり表沙汰にならないところで進められてきており、今回の米大統領選挙をもってしてこれが幕引きとなるのか、あるいはトランプ逆転勝利が現実になるのか、異例の事態であると同時に今後の国際情勢に大きな影響を及ぼすこととなります。


 今年の株式相場には未だ顕在化していない大きな資金の流れが作用してくることになろうかと思われますが、実はこうした黒い資金なども行き場を失って、今の仮想通貨市場に流れ込んでいるとみられます。

 最終的にはこうした資金も無事に換金できれば、いずれ株式市場へと流し込まれることになると考えています。

 単なるカネ余り相場というだけでなく、さまざまなリスク資産に散らばっていた資金が徐々に株式市場へと誘導されるイメージで、今年の株式相場を強気で臨んでいただくとよいでしょう。

 きっと期待以上のリターンが得られる素晴らしい1年になることと思います。


(あすなろ産業調査部 加藤あきら)


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