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 株式市場は二律背反。日経平均が半導体関連など値がさ株をリード役として高値を更新し、3万円台に乗せる中で、個人投資家の皆さんはこの潮流についていけないとの悩みを抱えておられるのかも知れません。

 今、起きていることはコロナ禍で経済が悪化しないようにと政府がお金をばら撒いているほか、それと同様に米国をはじめとして世界の株式市場に資金が流れてしまったことで生じているかつてない現象だと思えば良い。これはすなわち過剰流動性相場とも言える。

 投資対象は不動産から株に向かい、流動性重視の展開でかつてのバブル相場の思い出が蘇ってきそうな展開となっている。


 日経平均には1989年末のピークである3万8000円説が流れ、そんなものは大したことはないとも言えるほど昨年3月に起きたコロナショックで日経平均が1万6000円台まで急落したことは記憶のかなたに消えてしまい強気に傾きがちになってきた今日この頃だが、こうした局面で怖いのは油断の2文字。相場の潮流に掉さすつもりはないが、絶えず潮の変わり目を気にしておく必要があるだろう。

 米国では金利の上昇が起き始めた。その結果、人気銘柄のテスラ株が高値から10%調整するなどバブル相場の崩壊が予兆される事象が起きつつある。
 この潮流はそう簡単には変わらないと見る投資家もいれば、もう限界だから変わってきそうだと考える投資家もお見えだろう。

 山登りと同様に登っている間はなかなか山の頂上は見えないものだ。
 山に登ってやれやれと下界を見下ろすとこれはえらく高いところへ登ってきたもんだと気付かされることになる。

 今が山登りのピークなのかどうかは後から振り返ってみないと分からないが、頂上付近になるとあと何キロとか必ず案内がある。これは相場のピークだと感じられてわざわざ持ち物を投げ捨てて山道を下る必要はなく、冷静さが求められることは言うまでもない。実はまだまだ登山道の入り口に立っている可能性もある。

 なぜそうしたことが言えるのかは改めの機会にしたいが、日本には他の国にはないモノづくりに長けた優秀な企業が数多く存在しており、案外株式市場はそうした企業を見落としている可能性もあるからだ。

 流動性重視(つまりいつでも売れる)という視点を現在の相場の特徴とみなせば、世界の巨大な投資家の投資対象は限られてくる。規模の小さな企業では効率性が悪い。運用競争するファンドであればなおさらだ。


 日経平均が3万円に乗せたからと言って、簡単にこうした潮流に変化は起きないだろう。多少は途中の茶店で休んでみてもまた上に向かって登り始めようとするに違いない。

 メイン投資家が茶店で休むことになれば、その間に出遅れ気味だった銘柄が下から息を切らして上がってくることになる。二律背反相場は決して相場の主役ではない銘柄群にもチャンスをもたらすことになるだろう。


(炎)


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