今週(2月22~26日)の東京株式市場は、祝日(23日(火))を挟んだ4日間の立ち会いでしたが、日経平均株価が週間で1051円91銭下落し(率にして3.50%の下落)、2万8966円01銭で取引を終えました。4週ぶりの下落です。
週初の22日(月)は新型コロナのワクチン普及による世界景気の回復期待などから、日経平均株価は前週末比138円高となりました。
祝日を挟んだ24日(水)は前日の米国株式市場でNASDAQ総合株価指数が一時急落したことなどを受け、前営業日比484円と大幅に下落。
続く25日(木)は前日の米株式市場の大幅上昇を受けて前日比496円高と回復。
しかし、週末26日(金)は、米国の長期金利の急ピッチの上昇を警戒した売りに押され、同1202円の大幅安で取引を終えました。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は議会証言で金融緩和を長期的に維持することを強調しましたが、株価の急ピッチな上昇に伴う高値警戒感に長期金利の急上昇が加わったことで、月末の持ち高調整の売りに拍車がかかったと言えそうです。
さて、先週も述べましたが、現在、株式市場の参加者が最も気にしているのは、「超金融緩和がいつ正常化に向かうか」ということかと思います。このため、長期金利の上昇に戦々恐々とするわけですが、それでは、正常化はいつ始まるのでしょうか。
パウエル議長はじめFRBの幹部は、「出口政策」を、前回(リーマンショックの後)と同様のスケジュールで進める心積もりのようです。
前回は、テーパリング(量的緩和=国債など債券の購入=の縮小)の開始後、完了(量的緩和の終了)まで1年間を要しています。さらに、テーパリング完了後、FRBのバランスシート(B/S)の規模を横ばいで維持しつつ、1年間様子をみています。「B/Sの規模を横ばいに維持する」ということは、保有する債券で償還を迎えるものが出た場合、その分を市場で購入して穴埋めをするということです。
様子をみたところで、米国経済が堅調に推移していることを確認しつつ、政策金利(FF金利)の引き上げを開始します。利上げしても、景気や金融市場に変調がないことを確認しつつ、B/Sの縮小(債券の償還があっても補充せず)を開始しています。ここまで、テーパリング開始から、3年9カ月を要しています。
前回は相当慎重に「正常化」を進めたことが分かりますね。
パウエル議長は21年内のテーパリング開始を否定していますから、かなりのスローペースということになります。高齢のため、再選に臨むことはないとされているバイデン大統領の4年の任期が終了してしまいますね(笑)。トランプ前大統領が復活でもしたら、どうするんでしょう(笑)
冗談はさておき、上記のスケジュールでFRBが正常化を進めるのであれば、マクロ景気や企業業績が回復している余地は十分にあります。株式市場は上昇トレンドを回復するものと予想しています。
(水島寒月)
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