今週(5月17~21日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で233円36銭上昇し(率にして0.83%の上昇)、2万8317円83銭で取引を終えました。2週ぶりの上昇です。
週間で1273円下落した前週の動きを受け、2万8000円を下回る水準では値頃感から押し目買いが入りましたが、戻り待ちの売りも多く、週を通じて振幅の大きな動きとなりました。代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格が急落したことが重荷となる一方、事業の成長期待が続く半導体関連株の持ち直しなども目立ちました。
先週も述べましたが、今後の株式相場の動きは当面、2万9000円程度で頭を押さえられる上値の重い展開になると思います。
米国の4月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比4.2%の上昇となり、市場予想(同3.6%の上昇)を大きく上回ったことで、市場ではインフレの加速が意識されています。
来週28日(金)に発表される米国の個人消費支出(PCE)や、6月10日に予定される欧州中央銀行(ECB)の政策理事会、6月15~16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まるものと思います。
インフレ加速に対応、FRBがテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)の開始時期を早めるとの思惑が浮上しており、当面は模様眺め機運が強くなると思います。
なお、国内主要企業の今年度見通しは、「市場の予想に満たない」との見方もありますが、5月13日発表分までの東証一部の3月決算期企業の今年度見通しは、売上高が前年度比6%増、営業利益が同31%増と製造業中心に総じて堅調な内容です。
銅や木材が過去最高を更新するなど、商品市況が広範囲に上昇しており、企業のコスト増につながる可能性がある点は注意が必要ですが、コスト増をこなして「1株当たりの利益が継続的に伸びる企業」の株価は上昇基調を回復するとみています。
(水島寒月)
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