皆様こんにちは、投資家Sと申します。
 本連載は、創業(1964年)半世紀を超える投資日報社が、毎週月曜・木曜に発行を行っております、”投資日報α”(月曜版)に掲載しております。

 株式市場に試練の時期が訪れております。

 先週金曜日までのNYダウは10日連続の陰線となり、昨年3月のコロナショック後では最長の下落期間となっております。

 NYダウは5月10日に35,000ドルを付けてから上値の重たい展開となっており、6月1日に戻り高値となる34,849ドルを付けて下落。先週金曜日の6月18日には5月19日の安値33,473ドルを割り込みました。

 いわゆる高値切り下げ、安値切り下げの形となっており、テクニカルでは弱い形状です。

 先週の本欄で、アフターコロナは”株式市場の下落”とお伝えしましたが、正にそのような動きが到来しており、コロナ禍での活動制限で苦境に喘いでいる世間の厳しさとは異なり、我が世の春を謳歌していた株式投資家に、苦難の時代が訪れようとしております。

 人間は異常な状態が長く続くと、異常でも=正常と捉える修正があり、今までとは違う事が起こっても今回は違うから大丈夫だと思いがちです。

 金融の世界で最も危険な言葉を皆様はご存じでしょうか?

 This Time is different.

 “今回は違う”と考えた場合には、その瞬間に破滅が待っております。

 相場の世界では、過去と全く同じ事が起こる訳ではないですが、過去の”韻を踏む”傾向があります。

 まだ値位置が高い今だからこそ、2008年のリーマンショックや2000年のITバブル崩壊時のチャートをご覧になって下さい。

 大きな流れが反転した場合には、恐ろしい下げが到来する事となります。

 一方で、強い企業の株価は大幅下落後には戻ってくるのも事実であり、こういう時に銘柄選択力が問われます。

 筆者はチキンハートなので、仮に5割の下げが起こった場合にノーガードで耐えられる自信は全く無いですが(笑)、下がったら買いたい銘柄の候補は、常にストックしてあります。

 長期投資と言えども、ポートフォリオの見直しや銘柄の入れ替えは必須です。

 2021年上半期が間もなく終了するこのタイミングで、ご自身のポートフォリオ点検を行ってみましょう。

 車検ならぬ=株検の時間です。

 株検はリスクをコントロールした安全運用の為に、最低でも半年に1回は行いましょう!


 さて今回は、2021年6月上旬に掲載を行った、注目銘柄についてご紹介させて頂きます。


■レーザーテック【6920】


 半導体関連の検査装置の製造を行っているレーザーテック【6920】は、1962年に会社設立、株式上場は1990年。
 EUV(極端紫外線)欠陥検査装置はシェア100%を誇り、2021年の最注目銘柄の一つ。実際、半導体関連株で抜きに出た株価上昇となっている。

 半導体業界における現在のトレンドは“微細化”。
 そのメリットは、性能が上がる事、消費電力が低くなる事と言われており、高性能・省電力を宿命付けられているスマホ向けは、常に最先端の半導体が投入されている。

 同社のEUV検査装置は、現在スマホ向けで主力となっている5nm(ナノメートル)の欠陥を検出出来る装置で、今後主流になるとされている3nmになってくると検査工程において同社のEUVは必須になると言われている。
 足元の受注残も好調に推移しており、2021年3月末時点で前年度比18.5%増の950億円となっている。受注残や売上は来期以降も増加して行く可能性が高いが、足元の株価はどこまでの成長を織り込んでいるのかがポイントとなる。

 同社のPERは足元では140倍を超えており、連日上場来高値を更新中。
 時価総額は2兆円を超える水準にまでなっている。
 来期の利益が2倍に拡大しても1株あたり利益は310円にしか過ぎず、PERは70倍となる。
 直近の上昇は2期~3期先の利益水準を織り込む動きとなっており、些かやり過ぎではないかと筆者は考えている。いわゆる買いが買いを呼ぶ“モメンタム”のみで上がっている状態に突入しており、いつ崩れてもおかしくない状態に突入している。

 日経平均株価が上値を追う展開となっていない為、一部の短期資金が今年注目されている個別株に資金を集中させて買い上がっているのだと思われるが、勢いだけの相場はどこかで息切れする可能性が高い。

 半導体関連は製造業となる為、昨年のwithコロナ相場で大幅上昇となったエムスリー【2413】とは事業構造は異なり、年間に稼ぐ事の出来る収益には限界がある。

 さらに、現在の世界情勢は“新冷戦”がスタートし始めており、戦略物資の半導体はいつ輸出出来なくなってもおかしくない状況にある。現在の株価上昇はこれらの死角が織り込まれておらず、本決算発表が行われる8月迄が、今回の上昇相場の賞味期限だろう。

 モメンタムを重視した”株式投機”を行うなら、上場来高値更新中でもPER11倍台と割高感の無い、トヨタ自動車【7203】に注目したい。


(投資日報α 2021年6月7日号掲載)


(投資家S)


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 ▼櫻田 学氏プロフィール
  トレース合同会社 社長
  株式会社投資日報社 専務取締役
  大学卒業後、2004年から証券会社にてFXの仕事に従事。
  以後、14年間に渡り、営業・企画・トレーディングの最前線で活躍。
  リーマン・ショック・ユーロ危機・Brexit等々の並居る大相場の中、裏方として市場の最前線で指揮を取り、FXの表も裏も知り尽くす。
  2018年秋、11年間勤めたマネックス証券を退社して、暗号資産(仮想通貨)の交換業者となる、株式会社ディーカレットの立ち上げメンバーに加わる。
  2020年5月に、相場道を究める為に同社を退職。
  個人投資家として株式投資を行いながら、投資に掛ける時間が限られる兼業投資家の方に有益な情報を届ける為、株式について日夜分析を行っている。
  日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA)
  相場に対するモットーは、「利食いたくなったら乗せろ」

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