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株式市場は個別銘柄が集まって構成されその平均値が算出され日経平均やTOPIXといった指数が関心の的としてニュースでも話題になります。
コロナショックで日経平均は1万6000円台まで急落しました。
その際はニュースメディアが伝えていましたね。でも決してメディアではその大きく下げた時に株を買えとは言いません。
メディアの役割は中立的にその相場の動向を忠実に伝えることにありますから当然です。でもなあ。あの時誰かが買えと言ってくれたらなあ。なんてわがままなことを冗談めいて言う投資家もお見えかも知れません。
あの時の出来事を未だに覚えているという投資家はどの程度お見えでしょうか。
確かにあの時の安値であの株を買っていたらと思うと大きなチャンスを逃したと悔しい思いに駆られるのかも知れませんがそうしたチャンスは全体相場がそうならなくても個別銘柄では既にジワジワと押し寄せているのかも知れません。
皆さんも2020年3月安値をぜひチェックしてみて下さい。
日経平均やTOPIXがあの時の安値から60%から70%も上の水準にあるのに個別株にはもうその際の株価水準にかなり接近している銘柄もあります。つまり業績の推移如何で株価の位置は違ってくるという点に関心を持つ必要があります。
そしてそうした株価低迷銘柄の多くは市場平均に対して高く買われた(プレミアムがついた状態)という経緯があり、その評価が市場平均並みに沈静化しているなどの事情が垣間見えます。
ある意味、株式市場は役者交代の繰り返し。
人気化した銘柄がお役目ご苦労さんでお休みしたり長期休養中の銘柄が相場のストーリーに沿って人気を集めたりと変化して参ります。
証券会社にしろ投資助言サービス会社やIFA(独立フィナンシャルアドバイザー)などにしろ大なり小なりラッパを吹いてクライアントである投資家を躍らせる仕事です。年柄年中同じような銘柄が活躍しても面白くありません。
この時期はこの銘柄に踊ってもらい、それがピークを打てば今度はこの銘柄と渡り歩く習性があります。
それが良い悪いを言っているのはなく、そうした悲しい宿命なのです。
どんなに良い銘柄でも未来永劫上がり続けることはありません。
あれほどの利益を上げた孫社長率いるソフトバンクGの株価も1万円台まで上昇した株価は今は7300円台。ファーストリテイリングだって11万円台までついた株価が7万5000円台まで下落。
まあ、いずれは底打ちするでしょうが、役者交代がありありと見えてきます。
これらに代わりまだ高値圏にあるトヨタ(9月末5分割実施、自己株買いを9月末まで実施)やソニー(自己株買い実施)などが現在の相場の主役ですが、いつまで主役が務まるかは不透明です。
ITシステム企業大活躍時代の中で年初に高値3450円をつけたアドソル日進(3837)株の株価は本日2100円を割り込んできました。高値から40%ほどの下落。そんなの珍しくないと言われそうですが時価総額は200億円を切ってきましたので5000名余りの個人投資家にとっては気になる展開でしょう。
プライム合格企業でこの体たらく。過去長期間にわたり毎期安定した利益成長を続けてきた同社はこのところも安定した利益成長を続けております点に変化はないのですが、利益成長のベクトル以上に株価が評価され過ぎたとの印象がありこの株価下落でようやくプレミアムがはがれてきたと言えます。
ただ潜在的な成長能力には変化はなくここから3年程度の期間での利益成長力は総合ソリューション企業として脱皮する前提も絡めれば極めて高いと評価されます。ですから何もここまで売らなくても良さそうに思いますが、この水準で新規に投資できる投資家にとってはラッキーではないかと思います。
問題は利益成長のベクトルです。また事業展開力も関心事となります。
今までの延長線上ではない、ビジネスの方向性が示されることがポイントと言えるでしょう。
同様に2014年に上場し現在は東証1部上場の佐賀大発ITベンチャーのオプティム(3694)も昨年8月に高値3840円まで上昇しPERが170倍を超え、時価総額も2000億円(経常利益20億円の100倍)を超えるなど大きくプレミアムがついたIoT、DX関連銘柄ですが、さすがにその後は業績が横ばい見通しとなった点もあり、株価は低落し2000円に接近中です。
これら2銘柄に共通するのは日本のITテクノロジーの最先端企業としての方向性にある。
株式市場で現在依然として人気を集めている業績急向上中の日系最大の総合コンサルティング会社であるベイカレントコンサルティング(6532・直近高値41150円、時価総額6395億円・2016年上場時の税前利益31億円⇒今期予想160億円・1Q実績50億円)の後を追う可能性がこれらの企業にもしあるとしたら改めて見直されるだろう。
特に優秀な人材豊富なアドソル日進にはDXコンサルティング企業としてのビジネス展開で評価が変わる要素がある。
大企業はDXやESGについて相談しようとしてもする先がなかなか見出せない。そこに目をつけたベイカレントC(2017年2月期の売上高172億円、税前利益31億円だった)が、受け皿となる企業として上場に至り、その後の信頼性を活かしてわが世の春となったのはうなずける。
これに対して大手企業をクライアントに抱え、国立大出身者を数多く採用してきたアドソル日進にとってもビッグチャンスなのは言うまでもない。ここで成長のベクトルに角度をつければ株高、時価総額を高めることにつながることは明白となる。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)