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有料メルマガライブラリから(394)「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(7)」

2021-09-02 15:27
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     有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
     自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
     なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


    =コラム「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(7)」=
     (有料メルマガ第358回・2015/12/1配信号)

    ※2015年12月現在の内容です。留意してお読み下さい。


    【前略】


     本日はPBRについて考えます。

     繰り返しになりますが、投資の指標はあくまでも物指しに過ぎないことを忘れないようにしたいものです。

     まずは指標に対する私の考えを書きます。


    ■私が指標を使う前にまず心に刻むようにしていること。

     指標を使うときは、指標はあくまでも物指しであり、それ以上のものでないことをよく理解しておく必要があります。

     今日のコラムにも書きましたが、PERが低くても直ぐに株価が上がることを約束するものではなく、投資家に評価されて株価が上がるまでには時間がかかることが多いです。
     つまり、

    『指標は単なる物指しに過ぎない。だから短期的には指標が株価の先行きを決める力はない。』

    ということを常に意識するようにしています。


     私と同じようなバリュー投資家の中にも、指標が割安=その株を買えば儲かると勘違いしている人もいますが、そうではないのです。
     指標には株が上がるかどうかを動かす力はないのです。
     指標には株価が高くなることを計る力はないとしっかり理解しておくことが必要です。


    ●株価が高くなるためには、その企業自身に株価が高くなる理由(=カタリスト、触媒)が必要です。

     その株が上がると考えて投資する投資家の数が増えることが必要です。
     もう少し極端にいうなら、その銘柄が上がると考えた多くの投資家が買い始めて、株価が上がりだすことが必要だと考えています。
     株価が上げているという事実が他の投資家の資金を呼び込む呼び水となります。

     株価が高くなるには、その株自体に株価が高くなる要素が必要なのです。
     だから、私は機械的スクリーニングに依存しません。指標はあくまでも物指しに過ぎないことを忘れてはいけないと考えています。


     例えば、2005年にはなぜあんなにバリュー株が値上がりしたのでしょうか。それは村上ファンドやライブドアの堀江社長のように、価値ある資産をたくさん持っていながら、有効利用していない上場企業の株を買い占めて、経営権を握って儲けようとするファンドが大活躍をしたことも大きな要因だったと思います。

     株を買い占める時、インサイダー情報を利用したり、粉飾決算など法律違反をしたことから時代の寵児であった2人とも、司法当局から訴えられました。しかし、その銘柄選択の着眼点はけして間違っていたわけではなく、株を買い占める方法に問題があったということだと思います。


    ●割安株は放置されていることが多いことも確かな事です。

     ライブドア、村上ファンドが狙ったフジテレビ(=現在のフジ・メディア・ホールディングス)は昔から、その所有している資産に比べて株価が安いと、多くの人は知っていました。しかし株価はその資産価値に比べて、あまり上がりませんでした。
     しかし誰かが、その割安なことに注目して、株価をこっそり買い集め始めると、「おや、何か変だな・・・」なんて注目しだす人も増えるわけです。
     そのうちに出来高が増え始め、株化が上がり始めると、いっせいにみんなが思惑で買い始めることになるわけです。

     しかし資産の割安度は財務諸表に表されている数字を元にはじき出された指標では捉えることは出来ません。そのことも認識しておいたほうが良いと考えています。



     さて、今日はPBRについて考えます。

    ■バリュー投資家が重視するのはPERよりもPBR(=株価純資産倍率)であることが多い。

     PBRは「株価時価総額÷株主資本」または「株価÷1株当たりの純資産」で算出する数字です。

     株主資本は会社を清算したとき株主に返還される資産です。
     株価が清算価値の何倍かを表す指標です。

     教科書的に言えば、株価がPBR1倍割れになっているという状態は、株価が企業の解散価値を下回っていることを意味します。

     いままで何度も述べてきたように、実際には企業はいい意味でも悪い意味でも財務諸表にお化粧を施していますが、監査法人も監査しているし、まともな企業は法律に反するようなひどい厚化粧をしていないという前提に「株価が本質的価値に比べて割安だ」という解釈が可能です。

     そのために、日本のバブル崩壊後のひどい資産デフレ経済下のような例外的な経済局面を除けば、PBR1倍割れの株価というものは、需給関係で発生することはあっても一次的で、長期的にはPBR1倍が株価の「セーフティーネット」の役割を果すという考え方を、私は支持しています。

     投資環境が正常化すれば、新興市場の歴史の新しい、資産的蓄積が少ない企業などは別としても、東証第一部上場銘柄(私はいまでは70%程度くらいと想定しています)のほとんどが、PBR1倍もしくはPBR1倍以上になると思い込んでいます。


     さて、いつもの口ぐせですが、一般的にはPBR1倍以下なら割安と言われていますが、資産のうちに不良性のもの(価値のないもの)があると、一概にはそうとも言い切れません。
     だからこそ投資するかどうかを決定する前に、投資対象企業のバランス・シート程度はチェックすることが必要なのです。


    経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


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