~ダイヤモンドザイに見る最新理論株価で見出した割安銘柄~

 投資家も千差万別。キャッシュが潤沢にあってリスクテイクに迫られている投資家にとっては市場での積極運用に迫られている一方で、限られた資金を少しでも効率的に運用しようと考える個人投資家の皆さんにとっては無理をしてリスクを取る必要はなくじっくりとコツコツ型の投資で臨むことができる。
 つまり運用スタンスはそれぞれの投資家ごとに異なる訳だ。

 リスクテイクはしても流動化も絶えず念頭に置いて運用しないとならない機関投資家は市場時価総額が大きな投資対象を念頭に入れての運用となるが個人投資家の皆さんにとってはロングランな視点でそれぞれが有望と感じられた銘柄をじっくりと選定して投資すればよくそこには流動性の視点よりもそれぞれの銘柄ごとの価値を見出しての投資がポイントとなる。

 成長株投資が株式投資の基本とは言え、企業の成長性を見極めるのは至難の業で、景気の変動や予期せぬ出来事で株式投資は紆余曲折を重ねることになりがち。

 未来に向けた成長性を見出すとともに市場での評価不足の出遅れ銘柄を見出すことが時に効率的な運用成果を高めることになる。

 基本的に株式投資家の行動は買いと売りの2つがある。強いて言えば見送りという行動もあるが、ここでは敢えて考えないことにする。


 普通の人にも過去、現在、未来があるように投資家にも過去、現在、未来がある。買いすなわちリスクテイクやリスクオフした過去があって現在がありその運用成果を更に高めようと行動する現在は未来への入口に立っていることになるが明るい未来となるかは過去から現在までの運用成果の状況によって、その延長線上に見えてくる。


 なぜバフェットさんにお金が集まったのかは過去から現在までのポートフォリオ運用の成果の良さにある。いかに資産を増やしてくれるアイデアや行動力を投資家は求めている。自らが株式という摩訶不思議な投資対象に直接的にリスクテイク可能なのに運用者にお金が集まるのはその方が成果が上がるからだと思われる。

 単純に出遅れ銘柄を探してそこに投資していれば成果を上げられるというものではないのかも知れませんが、一つの投資アイデアとして過去から現在まで多くの投資家が単純の絶えず持っている手法だと言えますが、問題はそうした出遅れ銘柄の賞味期間がどの程度あるのかという点です。

 現在、人気の日本郵船や商船三井、川崎汽船といった海運株が未来永劫、運用成果を高められるのかどうかは未知数ですが、市場には人気の潮流があり、そうした潮流に乗ることが運用成果を高めるポイントになる。
 一方では市場人気とは蚊帳の外に置かれた大多数の銘柄への投資にも多少は関心をもっておく必要がありそうだと感じるのは筆者だけではないだろう。

 四半期ごとの業績の伸びや近未来におけるテーマの先取り、企業価値から逸脱した株価形成などへの興味を持った投資家の知的好奇心はそうした出遅れ銘柄探しの行動を後押ししてくれそうだ。


 ダイヤモンドザイ11月号では全上場銘柄3806銘柄の理論株価をはじいて掲載しているが、これが運用の成果に必ずしもつながるという訳ではないが、ここで言われる割安銘柄に投資家は関心をもっている可能性がある。

 できれば以下のような割安な出遅れ銘柄をここでは投資対象としてはどうだろう。


【理論株価より50%以上割安だとされる出遅れ銘柄】


[安値からの上昇率が60%以下]

1.ホクリョウ(1384)北海道地盤の鶏卵会社
 時価750円 理論株価1873円 ▲60%
 2015年IPO 2016年公募100株 発行価格855円
 直近安値680円 高値845円
 2020年3月安値493円⇒+52%

2.KHC(1451)兵庫県地盤の住宅会社 日本アジアG子会社
 時価638円 理論株価1795円 ▲65%
 2019年IPO 公開価格850円
 直近高値690円 安値605円 2020年4月安値457円⇒+40%

3.日鉄鉱業(1515)隠れた大幅増益期待銘柄 銅価高メリット享受
 時価6290円 理論株価15886円 ▲60%
 9月13日高値7270円 直近安値6290円
 2020年3月安値3325円⇒+89%
 1Q決算は売上高370億円(+37.1%)、経常利益53.3億円(+180.8%)EPS375.4円大幅な増益となり通期も売上高1390億円(+16.7%)、経常利益117億円(+21.5%)EPS721.3円と2Q以降はやや慎重ながら増収増益(8月4日に上方修正実施)を見込む。
 1Qの経常利益進捗率45.5%からは更に上方修正の余地が残る。海運株と同様に市況高の恩恵を受けての業績向上であるだけにこの先には不安感もあるが、見直しの余地。


(炎)


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