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本年も残すところ1か月を切りました。
一昨年の今頃に中国で新型コロナが噂され始めたと思い起こせば、既に新型コロナの蔓延から2年が過ぎたことになります。早いです。
余談ですが、1年半も「医療崩壊だ~!」と騒いでいるのに、依然として医療行政、医療体制には殆ど変化がなく、感染が拡大した場合には「感染阻止と自粛」に頼ることばかりが強調されています。ついでに、それを理由にした票目当てのバラマキ(呆)。
恐るべき医療既得権の壁!!!
若者や現役世代の生活を破綻させてでも金儲けを優先する悪魔の医療業界(医師会や厚労省)が国家を滅亡に導きます。子供達には日本医師会長の名前は「中川無惨」と言うんだよと教えてあげたい。
この2年間で世界観は大きく変わりました。
2年前の今頃に「投資する先が無い」と書いていたことが懐かしいくらいです。それがコロナ禍で昨年2月にクラッシュした以降は、3月にボトムを付けた後、世界的な金利低下と主要中央銀行による異次元緩和が導入されることで株価は急速に戻り始めました。
戻り始めの頃は疑心暗鬼でしたが、5月の連休明け頃からは様々な銘柄が幅広く物色されるようになり、秋には米国市場が先陣を切って高値を更新しました。それから約1年でNYダウは36,000の大台を記録し、ナスダックに至っては20年3月の安値6,860から足元の16,000へと、僅か1年8か月で2.3倍になるなど、想像を超える株高に驚いています。
さて、この異次元金融緩和に支えられた株高はいつまで続くのか?
そして、それが終わった時にはどのような光景となるのか?
今まさに、誰もが経験したことの無い将来を予測しようとしています。
1987年10月のブラックマンデー後を引き合いに、その後2年以上に渡り株式市場が上昇を続けたと示唆される方もいらっしゃいます。確かに、あの時も急速な金利低下とその反動、そしてインフレ懸念が言われながらも中々市場金利を上げられないままに株価が上昇したことなど、現在と似ている市場環境にありました。
但し、あの頃の日本市場は、1988年の秋頃には既に割高だと言われながらも夏からスタートした日経平均先物取引に連動する形で出来高が維持され、結果として89年末まで株価の騰勢が続きました。
もちろん当時と今とでは経済状況も事業環境も違いますし、当時の株式市場のバリュエーションはPERで50倍を超えるなど、比較するには難しい面もあります。振り返れば、当時の日本株市場は法制面の整備も含め新興国市場の位置づけだったように感じます。
金利面では1980年代後半に、まだ中成長の国だった日本の金利は10年物金利で5%前後ありました。それが金融政策の変更により89年末近くから金利が上昇し始め、90年初頭には6%台の高金利預金に預けようと、長銀
(今話題の新生銀行)や日債銀に預金者が殺到したほどでした。
80年代後半のバブルで溜まったお金を10年預ければ倍近くになるのですから、「猫も杓子も預金を」という世相で、長信銀3行は割債(ワリサイ)の販売を停止するなど、大変な時代だったことが思い起こされます。
市場金利は91年の夏に8%台を付けるのですが、その辺りが金利も不動産価格もピークとなりました。89年~91年は本当にバブルに踊った時代でした。「ぴ~ひゃら、ぴ~ひゃら」というメロディーが思い出されます。
その後バブルは崩壊し、住専問題などを抱えながら市場金利は一貫して下がり続け、アジア通貨危機やLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)の破綻、そして主要銀行がバタバタと破綻した98年には1%を切る水準まで下がりました。
90年には国内大手銀行10数行の格付けがAAA(トリプルA)だったのに、その僅か7年後から破綻が始まるのですから分からないものです。AAAといえば10数年以上に渡り返済能力が保証される格付けのはずです。
サブプライムバブルの時もそうでした。AAAの格付けを得ていた住宅ローン債権がバタバタと紙屑同然になったのですから、確かにショックでした。
アメリカの株式市場はリーマンショック後の2009年から、日本市場はアベノミクスが始まる2012年から上昇が続いています。途中で中国の景気悪化や欧州でのブレグジット・ショック、2020年にはコロナショックと続き、なかなか金利を上げられない時代が長く続いています。
ここに来て欧米市場では漸く利上げ機運が出てきていますが、日本は利上げの見通しが全く立ちません。
欧米で仕事をしているファンドマネジャーの中には「想定を超えている」として、リスクポジションを相当落としている仲間も居ます。
そろそろ、ここ30年の金融市場の動きを振り返り、ポジションに無理は無いかなどを検証する作業が大事ではないかと感じる今日この頃です。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)