閉じる
閉じる
×
有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「バリュー投資について考えたこと」=
(有料メルマガ第261回・2014/1/14配信号)
※注 2014年1月現在の内容ですので留意下さい。
【前略】
バリュー投資を一言でいうとどうなるか。私が30年近くかかって、やっと得た結論は「バリュー投資、それは『我慢』である」ということです。
バリュー投資を志すと、よくバリュートラップに引っかかります。
【中略】
バリュー株というのは投資指標的に言えば低PERや低PBRが多いです。
その企業の本源的(=本当の)価値と株価を比較すると、本源的価値より株価が安い銘柄のことを言います。
企業の本源的(=本当の)価値を計る基準はどのようなものがあるでしょうか。
まず、その企業が過去の利益によってバランス・シートに目に見える形で積み上げている現・預金や、投資有価証券のような金融資産の量で企業の価値は計れます。そして、いままでは金融資産などを蓄積してはいないけれど、現在から将来にかけては確実に利益を生み続ける収益力を持っていること。この企業の収益力も企業の本源的(=本当の)価値を計る基準となると考えています。
企業の本源的(=本当の)価値は、この企業の『資産価値』と『将来にかけて利益を生み続ける収益力』の二つから成り立っていると、私は考えています。
しかし、ある企業の本源的(=本当の)価値がどれほど高くとも、業績が良くとも、金融資産を大量に貯めこんでいようとも、株価は上がるとは限りません。
株価が上がるために、一番必要なものは、『この株の株価が上がりそうだ』と考えて買てくる投資家が、『この株は上がりそうもない』+『この株は下がりそうだ』と考えて売ってくる投資家の数を上回っていないと株価は上がりません。つまり需給が株価を最終的には決めるということも重視していかないと株に投資して儲けることが出来ません。
バリュー株というのは、その企業の本源的(=本当の)価値より株価が安いわけです。その株が安い理由は実に単純で、この株の株価が上がりそうだと考えて投資してくれる投資家が少ないからです。
従ってバリュー投資家は、ひたすら『この株の株価が上がりそうだと』と考える投資家の数が増えて買ってくるまで我慢して、ひたすら我慢して耐え続ける投資法を選んだ投資家です。
【中略】
しかし、ひとたび株価が上げ始めれば、元々本源的(=本当の)価値が高いことは明白ですから、パイオラックスや常和ホールディングスのように上げ続けて株価が短期間に2倍以上になる可能性も持っていることも確かです。
バリュートラップ銘柄ばかりに投資しないように、私は次のような銘柄の選択基準を設けています。全部の基準を満たさなくても、以下の基準の一つにでも該当すれば、投資しても良いと決めています。
<第1番目に確認する基準>
(1)株価が上昇トレンドを描いていると感じられること。
(2)出来高が相応にあること。つまり流動性が高いこと。
(3)低PERであること。
(4)配当利回り、配当優待利回りが3%を超えていること。
(5)直近の決算短信を見て、業績の上方修正が期待できること。
(6)個人投資家の好む優待があること。
<第1番目の基準は満たしているけれど、投資に迷ったとき参考にする基準>
○高自己資本比率(=60%以上)
○低PBR(=0.6倍以下)
○ストック・ビジネスモデル型企業
○世界シェアN01、国内型企業であれば日本国内シェアNO1、または地方シェアNO1という強い製品やサービスを持っている
○これから数年、売り上げが右肩上がりで増加していく明確な理由がある
以上の基準については第1番目の基準に当てはまる銘柄が数銘柄あるときに、どちらの銘柄がこれらの基準にたくさん当てはまるかで、投資の優先順位とか、投資額の比重を変える時の材料として使うという感じになってきています。
私は今年60歳になります。還暦です。老後に突入するわけです。老後を支えてくれるものとしては健康と財力の二つが必要だと考えています。
健康も財力も努力しないと作ることができません。健康については精神の健康と肉体の健康に分けることが出来ます。
株式投資は財力を作る手段の一つですが、株式投資を実行することで自分の精神と肉体の健康を害するリスクも持っていることに注意しておく必要があります。株式投資を実行することで資産を大きく減らしてしまうかもしれないと恐怖して精神を病んでしまうリスクもあります。一日中株式投資のことを考えて運動などをしないために体力を失い、肉体の健康を損なってしまうリスクもあります。
今日はその点についても少し考えたいと思います。株式投資は資産運用の一種ですから、当然のごとく投資した銘柄の株価が大きく上がり、大きく儲かるとうれしいものです。大きく上がる銘柄に投資したいと私も強く願っています。投資家なら当然のことだと思います。
しかし儲かる可能性があるものには、同じように大きく損する可能性もあるのです。ハイリスクハイリターンは株ばかりではなく相場の常識の一つです。
私は51歳の時サラリーマンを卒業しましたが、それ以降は資産運用の収益で生活してきました。
したがって、やむを得ないことですが、一日の多くの時間を株式投資に費やしてきました。
資産運用の対象としては株式ばかりではなく、ワンルームマンションなどに投資して家賃収入を得るという賃貸不動産投資やゴールドなどにも投資しています。賃貸不動産投資も若干は手間がかかりますが、一番時間が取られる投資は、私の場合は株式投資でした。
従って、サラリーマン時代は企業の奴隷だったわけですが、サラリーマンを卒業したことで企業の奴隷を脱出したら、なんと株式市場の奴隷になってしまったようなものかもしれません。
どっちもどっちで、それなりに大変です。サラリーマンというのも苦労が多いですが年間収入は、ある程度は事前に予測することが可能です。しかし株式投資の収益は計算することができません。儲かるときもあれば、損することもあるわけです。
生活の手段として考えたらサラリーのほうが格段に安定しています。つまり企業の奴隷の待遇と、株式市場の奴隷の待遇を比較すると、企業の奴隷の待遇のほうが優れていると考えて良いと思います。企業という檻の中では、まじめに働けば、配給物(=お金)は与えられて生きるすべは、それなりに保障されていましたから待遇は圧倒的に企業檻のほうが良かったと感じてます。株式市場檻は、いくら自分で頑張って労働したと思っていても配給物(=投資の利益)は保証されておらずボロボロに虐げられて(=損をして)生きていくのが難しいほどブチノメされることも多いですから・・・・。
株式投資を生活の手段にしているので、投資運用成績が上がるほうがうれしいですし、利益が出ないと困ります。
投資銘柄の中にも投資して精神的に安心できる銘柄と、赤字続きのバイオ創薬銘柄のように大きく上げても、いつ株価が大きく下げてしまうのか心配が大きくて精神的に苦しい銘柄もあります。
下手に、このような安心できない銘柄に投資して大きく利益を上げてしまうと病みつきになり、そのような銘柄ばかりに投資する可能性もあります。特に私は自己評価すると、「自分は欲が深い」と評価しているので、儲かったパターンを繰り返してしまうリスクが高いです。
従って、私は投資対象として資産のバリュー株(=『資産価値』だけで判断しても割安な銘柄)を選択して投資することが多かったです。
上がるまで時間がかかるかもしれないけれど、投資していて精神的に安らぎを得られる安心銘柄を増やそうと心がけてきました。
運用成績を最大に増加することを重視するよりも、投資して自分が生活を支える資金を生み出してくれる程度に儲かり、かつ投資していても安心してぐっすり眠れて、株のことを忘れて旅行などを楽しめる銘柄に投資することを重視していた、ということになると思います。
業績が毎年のように伸びており、持っている土地も含み益膨大で、投資有価証券も爆上げしてドンドン増加しているような銘柄や配当優待利回りが高いので、インカム・ゲインを確実に得ることが出来る銘柄群に分散で投資するという運用戦略を選んできました。
大きくキャピタル・ゲインを狙う銘柄にも一部投資することはありますが、その対象は日産自動車とか富士フイルムなどのような高技術力を持っているメーカーとか日本の一等地に大量に含み益の巨額な土地を持っている企業などです。そして分散投資が基本です。
いまでも毎日株式市場で株価を確認しないと安心できない、投資したことで心配で夜も眠れないような銘柄は、いくら儲かりそうな感じでも大きく張り込むようなことは絶対にしないという方針で臨んでいます。
人間には必ず寿命があって、いつかは死を迎えます。たぶんお金は死後には使えないので、使い切れないほど稼ぐことはありません。使い切れないほどのお金を稼ぐために神経をすり減らして、そのストレスで寿命を縮めてしまったら本末転倒で意味がありません。
早く大きく稼ぐことばかり考えて、イライラガツガツ株にのめりこんだ生活ばかりしていては、お金では買えない家族の愛情や信頼を失うことにもなりかねず、それも本末転倒なことです。
そして株式投資は射幸心を利用した制度です。つまりギャンプル性が高いです。脳がギャンブル脳化するのはとても危険なことだと考えています。
だから投資で大きくお金を増やしても、一切生活レベルは変えませんでした。生活費は新婚当時とほとんど同じです。優待株投資を好んでいるので優待でいただいたものは余禄で、その分での食生活のレベルは大きくあがっています。その程度です。
金銭感覚をゆがませないようにすることが重要なことだと思って株式投資を行っています。従って株の儲けで生活レベルを上げるという行為はとても危険な行為だと考えてサラリーマン時代から行いませんでした。
また株式投資の危険性の一つに時間感覚を大きくゆがませることもあります。相場のない日はつまらない。株価がチカチカ動いていないと、退屈でしょうがない。時間が持たない。これは中毒症状が出ていることです。もしそのように感じていたら注意して、投資生活を改善することを検討すべきだと思います。
株価が動いている間は相場を見なければ耐えられない。午後3時以降もずっと株式市場が開いていて、その後は海外市場で取引を行いたいというように考えているとしたら、かなり常識が歪んできていると自己診断したほうが良いと思います。
私も、サラリーマン時代は仕事が終わってから株式投資ができたらうれしいと考えていました。しかし、いまは午後3時以降は株式市場が閉まっていて『良かった』というように思います。24時間株式市場で闘うのは精神的にも
肉体的にも不可能でつらいことです。
株式投資を行っても老後を支える健康を損なわないような方法で投資を実行することが大事だと考えながら、株式市場と向き合っています。この話はこれで終わろうと思います。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
■□この有料メルマガの全文が読めます!
大同メタル工業(7245)の詳細レポートと、コラムの構成です。
以下のリンクからどうぞ。(一部無料で読めます)
こちらから ⇒ https://bit.ly/rin20140114
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)