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有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「運用成績が好調なら、無理をせず来年の投資作戦を練るべき時」=
(有料メルマガ第460回・2017/11/28配信号)
※注 2017年11月現在の内容ですので留意下さい。
【前略】
孫子が生きていたのは戦乱が続いて多くの国が生き残りをかけて戦争を繰り返していた時代です。
戦争においても、目先の敵以外にも、周りには隙を狙っているライバル(=いつでも敵に変わりうる国)が多数存在しているので、目先の敵との戦争に勝利しても、泥沼の消耗戦を戦い抜いて兵力も財力も底をつくような状態でのボロボロの勝利は、滅亡を呼び込む意味のない勝利であり、けしてこのような戦争を行ってはならない時代を生きていました。
戦争に負けても国が亡びるし、ボロボロの勝利でも国が亡びる。だから兵力や国力を維持しつつ勝てる戦争のみを行って着実に勝つ。そんな戦略を考え抜いていた戦略家が孫子なのです。
私も51歳からサラリーマンを自己都合で辞めて、サラリーという安定収入が無くなったので、株式投資で大きく損をだし生活できなくなるような大ダメージを受けるような投資は避けてきました。
孫子と同じように、やり直しが効かない一発勝負(=戦いの勝敗によっては国が滅びるような可能性のある戦争=投資の失敗によっては生活できなくなるような可能性のある株式投資)を避けてきました。
もう少し具体的にいうと、どんなに良い企業の株で、上がる確率が高いと考えても、その企業の株に運用資金の3分の一以上をつぎ込むような集中投資は避けてきました。
またキャピタル・ゲインを重視してレバレッジをかけた、勝てば大きいけれど、負けると致命的な損失を受けるような集中投資なども避けていました。
株に投資している資産の増減はあっても、生活できなくなるような致命的な損失を被るようなリスクの高すぎる株式投資戦略は避けていたということです。
株を持っていれば、株価が動くので、当然のごとく運用資産額は変動します。
投資した銘柄が下落して、投資した時点の株価から下がった時点で売却すれば、その銘柄への投資は損となり、その銘柄への投資は敗北になります。しかし小競り合いでの負けであり、戦局を左右するような致命的な敗北ではありません。
孫子がいうところの不敗というのは国家の存亡を決定づけるような敗北のことを指しており、個別の戦闘行為(⇔株式投資で言えば個別銘柄ごとの売買による損益)のことを指しているのではないと、私は考えています。
つまり株式投資では大勝はしなくても致命的な負けはしない。そして前年の年末よりも今年の年末のほうが株への投資額が増えている(=株の運用成績がプラス)という、ポートフォリオ全体で儲けを得る(=株で勝つ)という不敗を目指す株式投資を実践してきました。
もう少し具体的に言うと、最大の株式投資で目指す目的は、『賃貸不動産収入と合計することで自分の家庭の1年間の最低限の生活費を確保(=稼げる)できることが目的』という守りの株式投資を実践してきたわけです。
サラリーマンを辞めて給料という安定収入が無くなった私にとっての不敗とは、賃貸不動産で不足する1年間の生活費を株式投資のインカム・ゲインで稼ぎ出すという年間目標を達成できることでした。
投資元本の増減はあるので、キャピタル・ゲインでの利益は一切生活費には使用せず、株式投資の利益については前年度のインカム・ゲイン(=配当と優待)だけで生活費を賄うという自主ルールを厳格に守ってきました。このことは過去のコラムで何度か書いてきました。
従って、赤字で無配だけれどキャピタル・ゲインが期待できるようなバイオ創薬株などには、一切投資しませんでした。自分のルールでは、株価が上がって売却益を得ても、翌年の生活費には使用できないことと、そのような銘柄に投資資金を配分するとインカム・ゲイン銘柄に投資する資金が減って、インカム・ゲイン収入が減ることで翌年の生活費が減少し、生活が窮屈になることが最大の理由でした。
『定年後(=60歳)にはどのくらいの資金が必要なのか。』
このような話題がマネー雑誌などには溢れていますし、実際に頭の中であれこれ考えている人は多いと予想されます。
51歳で自分の勝手で定年した、定年生活12年近くのベテラン定年組として、言わせていただくと、定年までにどのような生活費の使い方をしてきたかにもよるけれど、それほど大きなお金は必要にはなってこない。だから安心していても良いと考えています。
もちろんお金が無ければ生活は出来ません。しかし勝ち組サラリーマンには年金という強い味方をもっている人が多いです。確かに昭和28年生まれの人から、少しずつ厚生年金の比例部分が年金として貰える年齢は61歳から順次繰り下がっていくけれど、それほど心配することは無いと自分の経験から判断しています。
いくらなんでもサラリーマンを40年以上も続けてきて、3年や4年くらいの間、無収入で暮らせないほど蓄えが出来ないような無謀なお金の使い方をしてこなかった人ならばという条件は必要になります。しかしマネー雑誌を読むような、お金に関心のある人ならば、まずこの程度のお金は定年までに蓄えているはずだとも考えています。
60歳になれば子供の教育費の必要がなくなっている人がほとんどでしょうし、住宅ローンなども払い終わっているか、少しだけ残っている程度の人が多いと予想しています。
60歳まで住宅ローンが少し残っていたとしても、勝ち組サラリーマンには退職金を貰える人が多いでしょうから、それで住宅ローンを完済できる人がほとんどのはずです。
サラリーマンを辞めれば失業保険を受け取れます。子供も独立しているでしょうし、教育費も住宅ローンもなければ夫婦二人の生活費はそれほど必要ではないのですから、分相応な普通の生活をすれば、60歳までに蓄えたお金と年金で、自由気ままに暮らしていくことは出来るということを、まず知っておくことは大事なことだと考えています。
私がサラリーマンを辞めた時は、安定的に入ってくるお金が賃貸不動産の収入しかなくなったので、生活防衛の意欲はサラリーマン時代以上に強くなりました。ただサラリーマン時代も節約生活を続けていたので、生活費をそれほど減らすことは出来ませんでした。
しかし自由人(=専業投資家)になってからの12年間の生活費をチェックして分析すると、新車を購入したり、自宅を修理したり、親の介護のために夫婦交代で東京と島根とを往復するような生活費とは別の特別な費用を除いて計算すれば、1年間に300万円もあれば十分に生活することが可能でした。
まあ、不動産家賃収入と株の配当と優待の合計額で300万円を超えることが出来れば、工夫をすれば、贅沢とはいきませんが、それなりに幸せに生きていくことができることを、ここでは強調しておきたいと思います。
最近のコラムで書いてきたように、このような節約生活を続けると、自分で稼いだお金を使わないうちに歳を取りすぎて、人生が終わることになってしまいそうです。
そこで株を利喰いしてキャッシュを増やし、計画的に有効に使っていくことに決めました。自分で稼いだお金は、自分で使うことが大事だと考えています。特に私たち夫婦には子供がいないので、この思いは強いです。
私のように定年まで待てないでサラリーマンから脱落せずに、サラリーマンを60歳まで続けた勝ち組サラリーマンには厚生年金と国民年金という強い味方が存在します。従って株式投資で稼ぐインカム・ゲインは、ますます少なくても良いことになります。生活に必要な額を超えるインカム・ゲイン収入は余裕資金となって、贅沢をするために使うことができます。
前置きが長くなりましたが、ここからは孫子の兵法に学ぶ株式投資戦略の話に入ります。
11月中旬から3月、6月、9月、12月本決算企業の新しい決算短信が発表されました。多くの日本企業の業績はすこぶる良くなっていることが、これらの決算発表で確認できました。
しかし日本の株式市場に大きな影響力を持つ外国人投資家の中の一部(=ヘッジファンドの一部など)には日本株を空売りしている投機家もいるようなので、米国株の下落に連動して日本株の株価も11月13日から17日の一週間はけっこう大きく下げていました。
孫子が『兵は詭道なり』(=戦争とはしょせんだましあいに過ぎない)と喝破しているのと同じように、海外投資家、特にヘッジファンドの戦いぶりは詭道(=だましあい)を好むように感じます。株価を上下に大きく変動させれば儲かる手段を持っているので、資金力の大きさを利用して株価を上下に揺さぶって、多くの他の投資家を幻惑してきます。
しっかりと企業の業績やビジネスの状況、資産背景を調べていなければ、株価の乱高下に付和雷同させられて、だましあいに敗北します。
景気が良くなり、企業の業績が良くなり、配当を増やすと発表している流動性の高い大型株が、ヘッジファンドなど詭道を利用する投機家の誘導で下げるなら、配当を頼りに分散でポートフォリオに積み増すことは、不敗を目指す投資家にとっては、良い投資戦略だと、去年までの私は考えていました。
特に低PERで、毎期ごとに業績が上向いていることが明確に確認できている高配当(または高配当優待)利回り銘柄が、投資環境によって下げてきたときは、1年から2年程度はインカム・ゲインで満足するつもりで待ち伏せ買いをしておけば、数年後には運用資産を増やせる可能性が十分にあるのではないかと期待していました。
しかし、実際に投資している総合商社の株価は、他の中小型株の業績の良い企業の株価が2倍にも3倍にもなる中で、非常に見劣りする上昇しかしてくれませんでした。
最近のコラムで書いてきたように、私は今年の10月頃から、持ち株をかなり売却してキャッシュに替えてきました。そのおかげで海外に旅行している間に、日本株が大きく下げていることを海外のホテルで見たNHKの衛星放送で知っても、動揺することはありませんでした。
あと、いま学んでいる短期投資の投資銘柄を選択する基準として使用している、業績上方修正した企業を投資対象とする作戦で選んだ銘柄の株価の上昇力の強さを実感できています。
日本株が上がり続けるなら、業績上方修正した企業や、今回業績上方修正をしなかったけれど、通期業績に対する進捗率の高い企業の株を投資対象として選んでいくほうが有利だと考えるようになってきました。
また第2四半期までの業績が、前年同期に比べて少し減益だった企業の株価が大きく下落することもよく発生しました。このような短絡的な下落は、しばらくするとおさまって、大きくリバウンドをすることも確認しました。
また低PERかつ低PBRで高配当利回りの企業が、減益修正を発表すると、利益の減額分より株価の下落率が大きくなって、より低PERかつ低PBRかつ高配当利回りになります。このような企業の株価も必ず下げ止まり、大きくリバウンドすることも経験してきました。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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