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 有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


=コラム「歪んだ「企業の本質的な価値」の先に網を張るのも良い作戦」

 (有料メルマガ第319回・2015/3/3配信号)

※2015年3月現在の内容です。留意してお読み下さい。


【前略】


 私は個別銘柄への投資でも良く失敗します。買うタイミングを間違えた上に、売るタイミング(=損切り)するタイミングまでも間違える。踏んだり蹴ったりの目に合うことがとても多いです。

 投資を失敗した時にやるべきことは、まず『自分の技術、投資能力が未熟だったために投資を失敗した。何がまずかったのだろうか。失敗の原因は何だろうか』と考えます。そして、失敗の原因を突き止めたら、『次に同じようなことが起こったら、また同じ失敗をしないためにはどうすればよいのだろうか。いまの自分に不足している技術があるならば、その技術を習得していくにはどうすればよいだろうか。』などということを考えて、ただ考えただけではなく実際に改善策を実行していくことになります。

 その点では、優待銘柄は優待最終権利日に向けて上げていくことが多いので、タイミングを取りやすい銘柄群です。特に3月には優待銘柄が多いので、多くの銘柄に資金が分散されるので、優待銘柄が少ない月よりも権利落ち後の下落幅が低いことも起こります。

 PERが10倍以下の低PER銘柄で、配当優待利回りが3%以上ある銘柄は配当優待を取る目的で投資するにしても、優待配当を取らないで、キャピタル・ゲインを狙うにしても(=配当優待権利日前に売却して、キャピタル・ゲインを取ることを狙うこと)魅力があると考えています。

 ただ、私は今年は優待を取らないで、キャピタル・ゲインを取る投資はやめようと考えています。日本フエルトや東洋水産、クロップスのように3月の配当優待最終権利日に株主ではないと、来年から1年超保有しないと優待をもらえないような優待取得条件に変更する企業や、長く投資しているほどもらえる優待の金額が上がる期間のランクアップ優待が増えてくるように思えるからです。

 また、いま時点では非優待でも、これから優待を新設してくる企業は増加すると考えています。オリックスやりそなホールディングスのような企業も優待を新設してきました。

 特に東証一部に昇格を狙うために、株主を増やさないとならない非優待銘柄は、優待を新設して株主数を増やす目的で、魅力的な優待を新設する可能性も高くなると考えています。

 だから低PERかつ配当利回りが高く、業績が良く、来年以降さらに業績が伸びると期待できる企業を非優待銘柄だという理由で投資対象としないのは勿体ないことだと考えています。

 株価が上がる株に投資したいと考えるのは、当たり前のことです。しかし大地震などの天災や、戦争やテロのような人災、ギリシャのユーロからの脱落リスクなどで投資家の投資マインドが悪化して、リスク・オフになり持ち株が下落することも良く起こります。

 この会社の業績や資産背景や、今後の業績の伸びから株価が上がるはずだと考えて、持ち株数を増やした銘柄の株価が、予想もしなかった要因で下落してしまうことも良く起こります。

 私のように企業のファンダメンタルズ、特に、すでにその企業が過去の利益をバランス・シートに目に見える形で現・預金や投資有価証券などのような金融資産などで大きく蓄積している企業の『資産価値』を調べ上げて投資を決断している投資家としては、買った銘柄の資産価値が投資環境の変化によって急激で大きな影響を受けるわけではないので、株価の変動はミスター・マーケット(その企業の株に投資している全ての投資家)の感情(恐怖)や勘定(損得勘定)などによって動いた結果に過ぎないと分析しています。

 投資のタイミングを間違えるような失敗は日常茶飯事で、そのたびに落ち込んでいては精神的に持たないので、このごろは、タイミングを失敗した原因を分析するだけで、さらりと損した金額は忘れるようにしています。

 現在は、同時に行った他の銘柄への投資は成功して安く買えた成功した銘柄シフトも当然のごとく多いので、失敗に拘泥する必要な無いと思うようになりました。

 こう考えることができることも投資能力の一つだと考えています。自分の能力ではどうしようもない株価の変動に対しては、運が良かったか悪かったかの差であり、自分の力ではどうしようもないことなのでクヨクヨして精神的に傷を負わないこと。このことが出来るようになるまでには、とても長い訓練が必要でした。

 つまり私は、その株に投資している全ての投資家の投資行動を掴み切れていなかったので、買うタイミングや売るタイミングを間違えました。

 ただ、その株に投資している全ての投資家や、その株に投資したいと思っている将来の投資家などの全ての考えを読み切ることなど不可能なので、売買のタイミングを間違えた原因は分かっても、個別株レベルでの対応策は作り出すことができません。

 できることといえば、一度に買わないで数度に分けてタイミングをずらして投資することや、過度の集中投資は行わないで銘柄分散をする程度の対応策しか思い浮かびません。

 その企業のファンダメンタルズが大きく変わるような原因があってタイミングを間違えるという失敗に対しては、「失敗の原因」を見極めて将来同じ間違いを犯さないような対応策を考えることが出来ますが、投資家の気分次第で変わるようなリスク・オンやリスク・オフに対する対応策は考えても無駄だとあきらめています。

 今年も日本株は上がりやすい投資環境にあると考えています。利益が増加していくことが目に見えているような低PER銘柄に投資するタイミングを誤ってフライングで投資してしまっても、半年も我慢すれば見違えるほど株価が上昇していることが多くなると予想しています。ただ自分が焦れてホールドを続けられなくて、売ってしまったために利益を手にできない可能性を減らすためにも、自分が我慢してホールドできる要因を持っている銘柄を選んでいくことは大事だと思っています。

 魅力的な優待は、他の多くの個人投資家が持ち続けたいと考える強い要因になります。特に小型株に投資する時、いくつかの銘柄のどれに投資するか迷ったときは、優待があるかどうかを銘柄選択の判断材料として活用するのも効果的だと考えています。
 ただ繰り返しになりますが、優待が無いから投資対象として外すというのは勿体ないことだとも思います。株価が上がる要因は、なにも優待だけではないからです。


【後略】


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


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