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半年間を振り返って
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半年間を振り返って

2023-07-14 14:55



     今年の年初において現在の株式相場水準を想定された方はどのぐらいお見えでしょうか?

     昨年末の株式相場が今とは比べものにならないぐらい低迷していたことを思い出すと、ここまでの短期株高は想定できなかったに違いありません。
     昨年12月頃は日経平均は2万4000円まで下がりそうだとか弱気の意見もありましたが、現実はそうならずに終わりました。
     今年の大発会で日経平均は2万5834.93円で始まりました。その大発会から先週末の3万2388.42円まで25.4%の上昇です。TOPIXでも1879.19から2254.90まで20%の上昇で年初の大発会で投資された方の運用成果はこの程度は上がっているものと推察されます。
     残念ながら、個別銘柄は必ずしもこのようにうまくは行っていないと言われそうです。銘柄ごとに運用成果が異なっているためで、株高の潮流に乗れた方と乗れていない方で差がついているものと推察されます。

     例えばバフェット効果で株高が見られる大手商社5社の大発会から先週末までの平均値上がり率は46%とインデックスを大きく上回っております。
     この他、半導体関連の東京エレクは58%、ソニーG28.5%、自動車セクターの日産44.9%、ホンダ41.6%、トヨタ27.9%あたりはインデックスを上回っております。また、三菱重工が28.7%、日立が21.4%、ソフトバンクグループ21%とTOPIX以上の上昇となっています。

     更に本メルマガで昨年秋より注目しておりましたテレビメディア株もテレビ東京の85.5%を始め5社平均で51%もの上昇を示すなど大手商社以上の成果を収めております。皆さんの中にもテレビメディア株で大きな成果を上げられた方も多いかと拝察致しております。

     外国人投資家や機関投資家主導の相場展開では押し並べてインデックス連動型の銘柄は強いと言えますので、この辺りを念頭に入れられた投資家の皆様にとってはここまでの相場は黙って保有されていれば高い成果が上げられたものと拝察されます。
     一方においてこれだけの相場展開の中で成果がまだ、さほど上がっていないという投資家の方もお見えかと思います。それはこの市場内に年初の大発会と時価を比べマイナスに位置している銘柄もあるためです。

     例えば、昨年活躍した銘柄や足下の業績が停滞している銘柄などは上値が重い状況です。
     典型的な例では三井松島が▲8.2%、王子ホールディングスが▲2.4%、マルハニチロ▲2.7%などです。押し並べて成熟産業の印象がありますので致し方ありませんがそれぞれPBRは0.6倍台ですので下値は固いと考えられます。とりわけ三井松島は既に投資会社の位置付けに変化しており、この後の展開に期待したいと思います。
     この他昨年大活躍を見せた日本郵船は11.3%、NTTが11.1%とインデックスを下回る上昇となっています。それでもこれらは多くの株主が保有し、出来高も多いのでプラスに位置しているだけでも成果を高める要因にはなっているかと思われます。


     さて、このように外国人好みと言うレッテルで買われてきた一連の主力銘柄や低PBR銘柄の是正に向けて動いている銘柄も一定の水準訂正が終わると頭重い展開に変化してくるかと思われます。例えばバフェットさん注目の総合商社5社は今期はすべて減収減益見通しでバフェットさんの発言がなければ株価は低迷していたかと思われます。来期は5社とも増収増益が予想されますので踊場を迎える中でのバフェット効果は大きかったと言えます。

     ビジネス的な意味合いでは総合商社はエネルギー資源株でもあり日本独特の存在でもありますが海外ではコングロマリットとも称されて、本来ならやや評価は低いという印象です。5社平均の予想PERは9.2倍、PBR1.32倍、今期予想配当利回り3.19%の水準です。つまり既に低PBR銘柄とは言えない水準になっていることになります。
     長期投資家バフェットさんが持株を増やし続けるだけの原動力となる株価の位置付けですがPBRの視点では既にかなり良い水準にまで達しているようになっています。

     一方、個別の中小型銘柄の中で成果が上がっていない銘柄がまだ数多くあります。外国人好みの主力銘柄群に対し蚊帳の外に置かれているような比較的業績が底堅い銘柄も今年前半は比較的穏健な株価推移が見られました。これは投資家の投資対象とはならずに来た銘柄群とも言えます。
     プライムだけでなくスタンダードやグロース市場にはそうした見向きもされずに来た銘柄が数多く見られます。

     TOPIXや日経平均などの全体指数が堅調な推移を辿る中でマザーズ指数の大発会からの上昇率は8.4%に留まっております。こうした中小型銘柄群はまだ極端な株価上昇には至っておらず今年後半の株式相場においては活躍の余地があると感じられます。


    (炎)


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