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慣例、習慣とは
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慣例、習慣とは

2023-08-09 00:29


     先月23日の日経新聞のコラムでニデック(旧日本電産)の永守会長が「これだ!」と言うコメントを仰っていました。要約すれば、寝ぼけた経営者に活を入れる為にも「TOBをし易いマーケットにしろ!」と言うものでした。

     流石です。

     これを読んで取引所などの市場関係者はどう感じたことでしょう。
     「ヨッシャ!」と感じた方が多数居らっしゃることを期待します。

     社内政治で役員や社長になった(やっとなれた、笑)経営陣が事業に専念しないがために上場企業の進歩が遅れていることを端的に指摘された訳です。
     筆者の気持ちを大物経営者が代弁してくれたことが嬉しく、「これだ~!」と感じ入った次第です。

     が・・・、最近思うところでは、6月の総会が済んだ後には四半期決算発表で踏み込んだ株主還元を表明する割安(レガシー)企業は今のところ殆ど見当たりません。
     やっぱり横並びで、総会を乗り切るための一時的な対応で終わってしまったのかなぁ~、と言う雰囲気です。総会前に感じていた通り・・・(苦笑)。

     経団連など有力経済団体を結成しながら、メンバー(ジーサン達)がおしゃべりする場を提供しているだけでは日本の将来は見えませんし、若者が活躍する場すらも潰されてしまいます。これこそが年功序列の悪しき典型例ではないでしょうか。
     高齢ゴキブリやシロアリに加え、この連中こそが市場改革を遅らせていました。日本の株式市場が30年以上も低迷していた原因がここにあります。


     余談ですが、全国の教育委員会も似たようなものと感じています。
     リタイアした校長や教頭が名誉職として君臨し、孫ほどの子供達の将来を議論しています。スマホも満足に扱えない地域教育界の大御所(レガシー)の皆様が・・・。


     これも余談ですが、国会ではメールすら満足に使えない大御所議員のお陰で霞が関の皆さんが疲弊しているようです。ただでさえ2日前ルールを無視し、且つ漠然とした質問で答弁書を作れと直前に指示してくるマヌケ議員の相手をすると共に、イチイチ国会が始まる前に「ご説明」にもお伺いしなくてはならない始末です。
     加えて、自分の言葉で答弁できない閣僚って存在価値あるの?
     年初からの約150日間に及ぶ国会中に、そして秋からの臨時国会中に、マヌケな質問に対する答弁書を作るために、無駄に待機する(時間を浪費する)優秀な官僚達の時間を何とかしてあげたい気持ちになります。

     これら国会の無駄な慣習が続くことで日本を動かす優秀な人達が疲弊し、霞が関を去っていく現状がここにあります。


     さて、先日は某週刊経済誌の新年特大号を読み返していました。

     株価予想については大半のアナリストが年央前後の景気鈍化予想を元に3月~6月辺りが株価の底値になり、年末に高値を迎える、と予想されていました。その主な根拠となるのが資源高の継続でした。

     株価予想の当たり外れを評価しても意味はありませんが、
     1)資源高の継続
     2)コロナ封鎖の影響による中国景気の鈍化
    の2点を前提に予想を立てられていたため年央の景気悪化を予想する方が多かったことが印象に残りました。

     11月末~12月初旬にコメントを依頼して掲載されたものと思われますが、これらについては、
     1)この冬の欧米の暖冬傾向や中国経済の鈍化によって資源価格が継続的に下がったこと、
     2)想定より早く12月に中国のロックダウンが解除され、それが即座に実行されたこと
    などによっても、またバフェット氏の日本株評価の発言なども重なることでアナリスト予想とは違った動きになったのでしょうか。


     これらをつぶさに見ていくと、実は将来予測がどれほど難しく、且つ足元にある諸条件でしか将来を見ることが出来ないもどかしさを感じます。

     霞が関の優秀な人材や、金融市場の先端で仕事をされている専門家に対して、実際には既にリタイア同然の大御所達が、慣例に従うだけの理由で仕事の邪魔をしないようにしてもらえれば・・・などとも考えてしまいました。

     コメントを依頼された専門家の中には、将来予測を組み立てる上で、上司や親会社役員の顔などが浮かんだことで、実は直観や本音とは少しずれたコメントをしてしまった方もいらっしゃったかも、と感じた次第です。

     余計な慣例や情報が多過ぎると直観力を失い、判断を誤ることがあります。


    (街のコンサルタント)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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