冒頭は、私が良く取り上げる「100人の村」の話。なぜ、「他人が恐怖におびえているときに投資を行うべきで、逆に世間が熱狂しているときに投資をしてはいけない」のかを理論的に説明します。
続いては、5年サイクルをはじめとする長期サイクルの話。特に世代交代と大きく関わる20年サイクルは重要です。失われた20年を経験した日本企業は、シェイプアップされ筋肉質になっているので、これから10年・20年素晴らしい躍進を遂げるでしょう。
海外に目を向ければ、これまでもてはやされてきた、中国・韓国・ベトナム・インドなどの新興国はかなり厳しい状況に置かれています。特に中国は、改革開 放が始まってから30年間、大きな景気後退を経験していないだけに、日本の1990年のバブル崩壊以上に深刻な状況にまもなく陥ると思われます。
経済発展が日本のちょうど20年遅れの韓国も、1990年の日本のバブル崩壊に近い状況になってきています。韓国のGDPの大よそ2割をサムスングルー プが占めていることで、「サムスンがこければ韓国がこける」状態です。また、55歳定年制なのに、年金制度が未成熟等、「経済が発展しても国民が不幸」な のは、中国と極めて似通っています。
ただ、そのように新興国が厳しい状況に置かれるなかでも「華僑経済圏」や「イスラム経済圏」は、益々発展し、米国の繁栄も追い風となり、日本はこれからまだまだ成長します。
最後は、いくつかの企業をピックアップし、日本の発展を支える個々の企業が、今後どのように成長するのかを解説しました。
セミナーの後は、懇親会。会場となったサンケイプラザの料理は、どれもおいしかったのですが、特に豚肉のパイナップル添えが絶品。両者の相性の良さを改めて実感しました。
さて、昨年末からのアベノミクスをきっかけとする景気拡大は、今後紆余曲折がありながらも、まだまだ続くものと思われます。
確かに、中国・韓国さらにはロシア・ベトナムなどこれまでもてはやされてきた、新興国の今後には暗雲が垂れ込めており、特に中国は赤信号が点滅している状態です。しかし、これらの国々の行く末に関わらず、日本の発展はほぼ間違いなく約束されています。
もっとも、日本経済が発展する中で、すべての企業が同じように成長するわけではありません。これから、企業間の優劣は益々はっきりしてくるでしょう。
最近、日本でも投資家として名声が高まっているウォーレン・バフエットは、成長する優良企業を見抜く力に優れ、新聞配達で貯めた資金を元手に優良成長企 業に投資することを繰り返し、一代で、トヨタ自動車を上回る規模の全米有数の企業コングロマリットを築き上げた偉大な経営者でもあります。
そのバフエットの経営哲学をベースにした新刊が発刊(アマゾンは7月11日、全国主要書店では7月10日)の運びとなりました。
★企業情報を読み解け!バフェット流<日本株>必勝法=永久保有銘柄を見抜く18のポイント(大原浩著、日本実業出版社)
そのバフエットが優良・成長企業をどのように見つけ出しているのかを、具体的にわかりやすく解説しています。
特に、企業分析に不可欠ながらも敬遠されがちな会社四季報や決算書を、簡単に読み解くための「スリー・プラス・ワン」という四つのキーワードに重点を置きました。
さらに、今後どのような産業・企業が発展していくのか?という点にも多くのページを割きました。
ウォーレン・バフエットが探し求める「永久保有銘柄」とは、要するに「永遠に成長・発展」を遂げる夢の企業です。経営者やビジネスマンの方々にとっても大いに興味のあるところだと思います。
本書が、幅広い皆様方のお役にたつことができましたら幸いです。
<目次>
第1部:準備・防衛編
01)日本株投資のタイミング
02)後悔しないスタートの方法
03)甘い言葉に騙されない。誘惑からの身の守り方
04)時間を味方につける
05)投資のバイブル・会社四季報の基礎
06)会社四季報の実践的読み方
第2部:攻撃編
07)企業の通知表!決算書の読み方(基礎編)
08)企業の通知表!決算書の読み方(応用編)
09)投資すべきビジネス
10)これから有望な産業
11)優良・成長企業の見分け方
12)売買をするなら全力で!(自信が無い時は取引しない)
第3部:勝利・凱旋編
13)まずは、3年~5年での成功を目指す
14)利回りで考える
15)マーケット・景気のサイクル
16)売却すべき時
17)バフエットの名言に学ぶ(基礎編)
18)バフエットの名言に学ぶ(応用編)
■大原浩(おおはら・ひろし)
GINZAXグローバル経済・投資研究会代表
(株)大原創研代表取締役
1984年、同志社大学法学部を卒業後、上田短資(上田ハーロー)に入社。
外国為替・インターバンク資金取引などを担当。1989年、フランス国営・クレディ・リヨネ銀行入行。金融先物・デリバティブ・オプションなど先端金融商 品を扱う。1994年大原創研を設立して独立。国内外のビジネス・投資に広くかかわるが、特に中国株投資・日本株投資などで成功を収める。また、2007 年に中国・韓国の変調を感じ、両国のすべての投資から撤退。2008年の著書『韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか』では、現在の中国や韓国の状況をズ バリ的中させた。また、リーマンショック後の日本経済復活・株価上昇も著書やブログで的確に予想。『証券新報』の顧問を約7年にわたり務める。
『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』」(PHP研究所)
「銀座の投資家が『日本は大丈夫』と断言する理由」(PHP研究所)
「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか」(講談社)
「日本株で成功する バフェット流投資術」(日本実業出版社)他多数
(OH)
*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)