ソフトバンクやトヨタ、富士重工などのコア銘柄がリード役となって指数は徐々に5月高値を意識しはじめているように思われます。
 一方で、不人気なのは中途半端な中小型株です。短期急騰を演じた銘柄ほど次の出番まで時間がかかるとの考えもあってなかなか動きが見られません。

 この相場の主役は外国人投資家であり、彼らが関心を持つのは流動性の高い日本を代表する銘柄。日本人ですら知らない銘柄には投資マネーがなかなか入ってきません。

 日本の上場企業で英文レポートをしっかり作っている企業は限られています。流動性がないとリスクマネーが入ってこないし、英文レポートがないと投資の根拠も不明です。

 ですから自ずとリスクマネーは時価総額の大きな超大型銘柄や大型株、利益成長株、グローバル銘柄などに集まります。

 東証1部の時価総額400兆円はトヨタ、三菱UFJ、ソフトバンクの3社で10%近くを占めていて、上位10社で20%を占めている現状があります。現 状は時価総額の大きな銘柄が全体相場を先導している状況ながら、これが一巡するタイミングを中小型株は待っている感じがします。これには現在リード役を 担っているソフトバンク(9984)などの大型銘柄に過熱感が生じないとなりません。

 このように多くの中小型株が本格的に人気化するためには先駆銘柄の買い一巡感が台頭しないとなりませんが、それにはまだ時間を要します。まずは大型株の 間での循環物色が起きて指数を押し上げていく必要があります。トヨタ株10000円、ソフトバンク株10000円の時代が到来し、更に新日鉄住金1000 円時代まで行き着くまでは今回の上昇相場は終焉しないのではないか…。といった仮説を立ててみるのも面白いのかも知れません。

 超大型株が主役となり、時価総額の小さな中小型株が脇役として存在する相場というのは過去あった出来事です。それはバブル相場の再来となる可能性を秘めていますが、それはデフレ経済からインフレ経済への移行がスムーズにいった段階での出来事となると思われます。

(炎)

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