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上場企業の中には苦難を乗り越えて復活を果たそうとしている企業もあります。先日、社長面談をさせて頂いたアルデプロ(8925)がそうです。
1988年3月に内装事業を主たる事業目的とする企業として創業した同社は、2007年にかけて中古マンションの再活事業を中核として極めて積極的なビジネス展開を図って急成長しました。億の近道の読者にもご存じの方がお見えなのかと思います。
同社は2004年に東証マザーズに上場を果たし、その後3年間で全国40か所の営業所、連結子会社10社、従業員440名を抱えるまでに急成長したもののサブプライムローン問題に端を発したリーマンショックによって窮地に陥り、資産売却を余儀なくされました。
2010年6月以降3年間にわたり事業再生ADRに基づく事業再生に取り組み、所有物件の売却や各拠点の閉鎖など整理を進め本年7月に事業再生ADRの手続きが終結するに至りました。
同社には中古マンションを仕入れて修復、内装を施し市場で販売するビジネスノウハウや人的ネットワークがあり、今後は少数精鋭の組織体制の下、こうした経営資源を活用して再び成長を目指す方針です。
今期からスタートした中期計画では2017年7月期の売上高103億80百万円、経常利益15億37百万円を目指しており、株主価値の積み上げを加速さ せていくとしています。当面は7億円の自己資金を2回転し、売上目標を15億円余りに設定していますが、銀行の融資ニーズは高く、これをうまく活用しなが らビジネスの枠を拡大させていく可能性もあります。
かつての事業領域は全国に跨っていましたが、従業員数8名の少数精鋭での活動ということで当面は東京と大阪など目の届く範囲に限定し、堅実に取り組む意向です。
2020年の東京オリンピックに向けた不動産ニーズを取り込んで発展させる考えで、今後の積極的な活動が期待されます。久保社長は会計士、税理士のネッ トワークに強みがあるほか、10月より新たに役員となった保坂取締役は不動産業界に精通しており、大手マンション会社の執行役を務めた経験のある同社の元 社長である高橋営業部長の3名のマネジメントチームで事業拡大を図ることになります。
同社は上場した2004年7月期以降の3期間に売上高を約77億円から10倍にしましたが、今回はまだ、比較的穏健な計画と言えます。久保社長は、中期経営計画の説明会で「IPO時と同じ感覚で成長を図る」という発言を行うなど、今後の成長に期待が寄せられます。
【事業再生ADRとは】
事業再生ADRとは過剰債務に悩み経営危機に至った企業が、民事再生法や会社更生法の申し立てによる法的手続に替え、中立的な第三者機関であるADR事 業者の手によって債権者・債務者間の話し合いを基に自主的な整理手続によって問題解決を図ること、もしくはその手続きのこと。
【評価】
2004年3月に東証マザーズに上場して来年3月で10年を経ようとしています。上場初値は140万円、時価総額は約206億円でしたが、その後の業績 拡大で相次いで株式分割を実施し、時価総額は2006年2月の27万2000円という高値で1803億円にまで膨らみました。その後は2007年に表面化 したサブプライムショック、リーマンショックと続き、事業は完全に頓挫してしまい株価も一気に低迷を余儀なくされました。
2008年7月期以降は有利子負債と不動産の処理に追われ、業績は急速に悪化し、2008年、2009年と大幅な赤字を計上。2010年からの約3年間 は事業再生ADRでの整理を続けてきましたが、ここに来てようやく手続きが終結し、新たな評価がなされる状況が整いつつあります。
事業再生ADR手続き中の最安値は2012年7月の70円で、時価はその5倍以上にまで水準を高めていますが、新たなビジネスへの取り組みが今後の株価にもポジティブに働くものと期待されます。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
1988年3月に内装事業を主たる事業目的とする企業として創業した同社は、2007年にかけて中古マンションの再活事業を中核として極めて積極的なビジネス展開を図って急成長しました。億の近道の読者にもご存じの方がお見えなのかと思います。
同社は2004年に東証マザーズに上場を果たし、その後3年間で全国40か所の営業所、連結子会社10社、従業員440名を抱えるまでに急成長したもののサブプライムローン問題に端を発したリーマンショックによって窮地に陥り、資産売却を余儀なくされました。
2010年6月以降3年間にわたり事業再生ADRに基づく事業再生に取り組み、所有物件の売却や各拠点の閉鎖など整理を進め本年7月に事業再生ADRの手続きが終結するに至りました。
同社には中古マンションを仕入れて修復、内装を施し市場で販売するビジネスノウハウや人的ネットワークがあり、今後は少数精鋭の組織体制の下、こうした経営資源を活用して再び成長を目指す方針です。
今期からスタートした中期計画では2017年7月期の売上高103億80百万円、経常利益15億37百万円を目指しており、株主価値の積み上げを加速さ せていくとしています。当面は7億円の自己資金を2回転し、売上目標を15億円余りに設定していますが、銀行の融資ニーズは高く、これをうまく活用しなが らビジネスの枠を拡大させていく可能性もあります。
かつての事業領域は全国に跨っていましたが、従業員数8名の少数精鋭での活動ということで当面は東京と大阪など目の届く範囲に限定し、堅実に取り組む意向です。
2020年の東京オリンピックに向けた不動産ニーズを取り込んで発展させる考えで、今後の積極的な活動が期待されます。久保社長は会計士、税理士のネッ トワークに強みがあるほか、10月より新たに役員となった保坂取締役は不動産業界に精通しており、大手マンション会社の執行役を務めた経験のある同社の元 社長である高橋営業部長の3名のマネジメントチームで事業拡大を図ることになります。
同社は上場した2004年7月期以降の3期間に売上高を約77億円から10倍にしましたが、今回はまだ、比較的穏健な計画と言えます。久保社長は、中期経営計画の説明会で「IPO時と同じ感覚で成長を図る」という発言を行うなど、今後の成長に期待が寄せられます。
【事業再生ADRとは】
事業再生ADRとは過剰債務に悩み経営危機に至った企業が、民事再生法や会社更生法の申し立てによる法的手続に替え、中立的な第三者機関であるADR事 業者の手によって債権者・債務者間の話し合いを基に自主的な整理手続によって問題解決を図ること、もしくはその手続きのこと。
【評価】
2004年3月に東証マザーズに上場して来年3月で10年を経ようとしています。上場初値は140万円、時価総額は約206億円でしたが、その後の業績 拡大で相次いで株式分割を実施し、時価総額は2006年2月の27万2000円という高値で1803億円にまで膨らみました。その後は2007年に表面化 したサブプライムショック、リーマンショックと続き、事業は完全に頓挫してしまい株価も一気に低迷を余儀なくされました。
2008年7月期以降は有利子負債と不動産の処理に追われ、業績は急速に悪化し、2008年、2009年と大幅な赤字を計上。2010年からの約3年間 は事業再生ADRでの整理を続けてきましたが、ここに来てようやく手続きが終結し、新たな評価がなされる状況が整いつつあります。
事業再生ADR手続き中の最安値は2012年7月の70円で、時価はその5倍以上にまで水準を高めていますが、新たなビジネスへの取り組みが今後の株価にもポジティブに働くものと期待されます。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)