4月23日にランチタイムを利用したある懇親会が開催されました。
 そこにはIT系を中心とした10名程度のメンバーが集結。それぞれの自己紹介も含めて発展に向けた意欲的なお話をお聞きすることができました。そこには 億近編集長の姿もあり(なぜかというとインドビジネスに熱心な編集長をITとつながりがあるとして、私がお呼びしました)、1時間半程度の時間でしたが、 なかなか賑やかな会となりました。今回、お集まり頂いた皆さんにはメルマガ「億の近道」を配信させて頂きますので宜しくお願いします。

 会の名称は「ITビジネス研究会」(略称:ITB)ということで、開催場所は東新橋イタリア街にあるアーキテクトカフェ汐留店。お昼時は近所のサラリー マンで一杯になるスポットですが、980円という、とてもリーズナブルな価格でランチが食べられるということで、出席の皆さん大満足だった様子。次回もま たここで開こうという結論になりました。

 ITBはITビジネスの現状と将来を考えていく場として私が発案してスタートしましたが、今回で2回目の集まりとなりました。場所探しに苦労する面があ りますが、不思議なご縁にて今回はインストアメディアという会社が運営するアーキテクトカフェを利用することにしました。というのもこちらの役員とのご縁 があったためです。
 インストアメディアはアーキテクトカフェ(汐留と青山に店舗あり)のほか、トラベルカフェやコスメカフェといったリアルな店舗をスポンサーを募って広告メディアとして運営しているユニークな企業です。皆さんも一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

 今回は第1回目に続きある上場企業の社長に足を運んで頂きました。社会インフラシステム構築で積極的な役割を担っているアドソル日進(3837)の上田 社長です。私はアドソル日進を昨年来、注目してレポートも書いて参りました。その結果、株価は一時レポートしてから3倍にもなったという経緯があります。 そのアドソル日進がその翌日に業績の上方修正を発表しました。計画に対して売上で36百万円、営業利益で54百万円の上方修正でEPSは39.7円に修正 されました。この結果、期末配当金を7円から8円(3分割実施後で分割前では24円、中間期12円と合わせて年36円)としました。
 ビジネス提携先のシリコンバレーに出張されて帰国されたばかりの上田社長のきらりと光る眼が印象的でしたが、こうした好業績があってのものだったのかと改めて思わざるを得ません。
 業績の上方修正を受けた翌25日の株価は前日比12円高の770円(時価総額35億円)という結果に終わりましたが、ここからは5月8日に発表されます次期決算がポイントになります。

 さて、今回はアドソル日進と同様にJASDAQ上場のフュージョンパートナー(4845)の木下常務にも足を運んで頂きました。木下常務とは過去もう 5,6年のおつきあいとなりますが、時々渋谷の本社に顔を出して情報交換させて頂いています。SaaS/ASP型サイト内検索サービスやIVR(電話応答 システム)でトップの実績を持つ企業で、着実な成長を遂げています。
 木下常務は売上2億円という最も売上規模が小さい時に上場した企業という話をされていましたが、この点はこれから上場を目指すベンチャーにとっては力づけられる話です。
 私がこの会に招いた名古屋の住宅ベンチャー(住宅はHEMSなどのシステムニーズあり)も、まだ売上2億円の実績しかないとしていましたが、頑張ってほしいものです。
 フュージョンパートナー株は現在305円で時価総額は45.6億円。今期で5期連続の増配を予定するなど業績の拡大に連れて利益還元にも努めています。 このところ株価は300円前後で穏健な推移を辿っていますが時折、見せる株価上昇のタイミングを探る局面であろうかと推察されます。

 今回のITBのメンバーはセキュリティとWEB活用に分かれていましたがメンバーからはウェラブルコンピュータへのニーズがあってそれを提供してくれる企業はどこかありませんかといった話も出ていました。

 そこで私は思いついたのですが、4月8日に上場したトレックスセミコンダクター(6616)の株価が公募価格(5000円)で初値4480円から一旦 5300円の高値があったけど直近3350円まで急落しています。ただ、ここはウェラブル機器向けの加速度センサーの企業で、取引先にはそうした機器メー カーがあるかと思います。今から思うとやや的外れの話だったのかも知れませんが、投資家の皆さんには市場ニーズが高まりつつあるウェラブル機器関連銘柄と して認識しておかれては良いと思います。
 この会社はまだ一般的な認識が浅いので5月の連休明けに訪問取材を予定しています。その後、皆さんにはもう少し詳細の内容をお知らせしたいと思います。

 この日は白鳩(3192)、フィックスタ―ズ(3687)、西武HD(9024)の3社が上場していましたが、このうちITに絡んだ企業はフィックス ターズでこれはまた凄い内容で、独自の高速化ソリューションM3(エムキューブ)をコアにモバイル組込み機器、産業機器、車載機器、医療機器、金融システ ム、CGなどの分野に注力して成長を図っている企業とされます。
 CPUの高速化ニーズで熱の問題に対応した並列処理のためのマルチコアプロセッサー開発を重点戦略としています。この分野は年率40%の成長を遂げているため社員数103名の同社への成長期待も高まっている状況です。
 公募価格3450円に対して9040円という初値がつき、週末には11800円という株価がついていました。今期の予想経常利益3.9億円に対して時価 総額は一時140億円を突破しましたが、週末には114億円に落ち着きを見せています。果たして今後の株価の行方はどうなりますか・・。
 同社には世界コンテストで2位になるようなスーパープログラマーが存在しているとのこと。これらを加味して今後の成長性をどう評価するかになります。
 発行済み株式数122万株の会社の出来高が2日間で160万株を超えています。これはいかに短期売買投資家が集まってきたかの証左でもあります。

 ITというテーマはその時々に様々な形に変えて登場してきます。
 2006年のホリエモン事件で第2回目のITバブルははじけた格好ですが、その後はネットゲーム、スマホゲームの隆盛による新勢力の台頭が顕著です。今 後も形を変えて市場のテーマになると考えられますが、世界に通用するITインフラを提供する日本発のグローバル企業の登場が求められています。

 LINEがCMを積極化させておりいよいよ本格始動しつつあるほか、ミクシィ(2121)がスマホゲーム「モンスト」でパズドラのガンホーを追いかける展開となるのか成長の可能性を秘めているように思われますが、株価はそれを既に先取りしています。

 むしろMTI(9438)あたりが3月の2分割後、高値からの調整局面にありますが女性向けサービスのルナルナの展開で外資系医薬品会社と協業するなど 面白い展開が見られます。遺伝子検査事業はまだやや不透明ですが、偶然にも23日に同社のソリューション事業部の方々にお目にかかり、お話を聞かせて頂き ました。週末の終値は578円です。高値から半年の調整期間を経て再上昇へのタイミングを伺っている局面です。

 IT銘柄は多岐にわたっていますが比較的キャッシュリッチな企業が多いのも特徴です。

 アドソル日進のような活発なビジネス展開を予定している企業はともかく、多くのIT系のシステム開発企業はやや保守的で創薬ベンチャーのような派手な値 動きはない状態でテーマ性ではやや出遅れ感があり、依然として低PERに甘んじている銘柄も多くその中から大きく株価が化ける銘柄も登場する可能性があり ます。

 ITBの活動のなかでは、より高付加価値なサービスを展開する企業を見出していきたいとも考えております。次回のITBの集まりは5月下旬を予定。MTIの方などにもご出席頂く予定にしております。

(炎)

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