それに対して、マイケル・ポーターの名前はまだまだ日本では(特に投資家の間では)広まっていないような気がします。ハーバード大学教授で、30代で著した「競争の戦略」(ダイヤモンド社)は、大著にも関わらず大ベストセラーとなり、米国の大企業のエグゼクティブの本棚には必ず置かれているといわれるほどでした。その後も版を重ね「競争戦略」論の古典として読み継がれています。
また、日本では同氏と一ツ橋大学が創設したポーター賞
http://www.porterprize.org/ が2001年からスタートしています。
ポーター賞については、拙著★『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(PHP研究所)の第7章<トレードオフ>などでも触れていますが、投資企業選択の上で大変役に立ちます。あくまで、応募した企業の中からの選択ですが、受賞企業には魅力的な投資先が数多く存在するからです。
特に重要なのが「トレードオフ」という概念です。馴染みの無い言葉かもしれませんが、要するに「何をしないか」がとても大事だということです。
普通、ビジネスや企業を語るときには「何をしているか」が語られるのですが、そうでは無く「何をしていないか」を研究するべきなのです。
バフェット流に言えば、「偉大な企業は常に一つの事業に専念して成功してきた」ということです。自社が強みを持つ事業に専念し、儲かりそうだからと言って勝ち目の少ない事業に進出するのは避けなければなりません。
ポーターは、自社の「競争優位」がある事業に専念して「参入障壁」を維持し、高い利益を上げなさいと教えます。バフェット流に言えば「一本しかない無い橋」=「堀」を築くということです。
逆に、誰でもが参加できる「参入障壁」が低いビジネスは際限のない消耗戦になるから、参加するべきでは無いというのがポーターの考えです。同じことをバフェットは「コモディティ」という言葉で表現します。
誰もが簡単に提供できる商品を扱っている企業は、価格競争に巻き込まれ、収益を上げるのがとても困難です。牛丼、パソコン、旅行代理店などなど、そのような業種はたくさんあります。
それでは、高い「参入障壁」=深い「堀」を備えた「一本しかない橋」のビジネスを持っている優良企業はどのようにして探せばよいのか?
バフェット流の「競争戦略」のコア部分をまとめると、「ブランド力」と「仕入れ力」の二つに集約されます。
そして、その「ブランド力」と「仕入れ力」を中心にバフェット(バークシャー)のほぼすべての投資先と、優良な日本企業を詳細に分析したのが、先月末に発刊された拙著、<「バフェットに学ぶ【永久不滅投資法】」―損を出さないで永遠に資産を増やすことは可能かー(同友館)>です。
ぜひご参照下さい。
(大原浩)
☆8月26日に「バフェットに学ぶ【永久不滅投資法】」-損を出さないで永遠に資産を増やすことは可能か-(同友館)が発刊されました。
【大原浩のバフェットの本】
★日本株で成功する バフェット流投資術 (日本実業出版社)
★企業情報を読み解け! バフェット流<日本株>必勝法=永久保有銘柄を見抜く18のポイント(日本実業出版社)
★『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(PHP研究所)
★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2013)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
http://goo.gl/iz1GUV
★GINZAX30社! 大原浩著 昇龍社<Kindle版>
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GINZAXグローバル経済・投資研究会・代表大原浩著
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)