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9月10日の日経トップに「耕作放棄地の課税強化」がでておりましたが、これは随分と以前から議論されていた内容であり目新しくも無いのですが、やっと進展しつつあるのかと言った印象です。
世紀の失政(血税の掴み取り)と言われたウルグアイラウンド対策。もう20年も昔の事ですが、あのバブルの余熱が残るタイミングで農地買い上げの旨味をばら撒いただけで終わった世紀の愚政でした。
当初は1兆円程の予算案だったものが日本中の痴呆政治家が悪乗りし、「あれよあれよ」と言う間に6兆円にまで予算が拡大した挙句、さして農業振興には繋 がらない広域農道やハコ物作りのために無駄にばら撒かれました。農業改革は停滞し、農業を継続する意思が無くとも高値買い上げに期待して公共事業を待つ耕 作放棄地が広がり続けました。
耕作放棄地であっても農地であれば相当に低い固定資産税率が維持されたため、そして既得権団体の抵抗も後押ししたことで、余っていても農地の集約も賃貸も進まず、農業の衰退に拍車が掛かりました。
これらの背景を踏まえて既に20年以上の歳月を無駄にしてしまい、そしてTPP交渉に臨んでいるのが今の姿です。農業改革などそっちのけで、少しでも高 く土地を買い上げて欲しい(農業を継続する意思も無く農地保有だけを継続)、そして地場が出来る公共工事が欲しいと言う地元後援会の支援を受けて農林系族 議員は公共工事誘致が本業となりました。一方の行政側はと言えば、国民や農業者のための農政は地域農協の担当者のみが使命感で働いているだけで、上部組織 は組織(既得権)維持を至上命題としているためやはり改革が出来ません。
そしてここに至り、農業の衰退とともに農業票も減ったことから漸く改革に動き出したのが今回の姿です。手遅れも甚だしい限りですが、その手立てもこの程度でしかありません。何のための政治や行政なのでしょう?
やはり諸悪の根源は票格差に行き着くのでしょうか。民主主義の基幹制度が歪んだままでは何をしても上手くいきません。この制度改革に抵抗している保守派議員のことを国益より私益を優先するゴキブリ議員と呼びます。
一方の金融行政はと言えば、まだ余計なものはあるものの随分と規制緩和が進んだ業種です。特に1990年代後半に激動の時期を迎えました。僅か7~8年 前のバブルピーク頃(1990年前後)には都銀の殆どがAAAの信用格付けを得ていたのですが、その潰れないはずの都銀がバタバタと倒れ一気に不況色が濃 くなった時期であり、その後の株式委託手数料の自由化や為替取引の規制緩和なども進んだ時期でもあります。
ところがここ数年気になることは、株式市場にしても根本的な市場運営方法を見直さずに緩和を進めてしまった弊害が広がっていることです。一般投資家無視 の株主割り当ての規制や開示制度なども漸く出て来ましたが、依然として外銀やファンドなど投機筋(ハイエナ)のやりたい放題が目につきます。法や運営上の 抜け穴を使って善良な投資家を出し抜く方法で利益を上げようとする連中にとっては依然として美味しい市場です。
例えばリーマンショック以降の増資時に時々見られるように、引き受ける大手金融業者が損失をほぼ回避しつつ、上手くいけば相当の利益を上げられる仕組み で引受けをし、ハイエナ達も上手くその仕組みに便乗して儲け、結果としてその複雑な引受方法を理解できない一般投資家がとばっちりを受けて損をするのが昨 今の国内株式市場の構図です。
昨日のリプロセルのドイツ銀行への第三者割当増資の発表も似たようなものと感じます。いつ引き受けても儲かる仕組みなので株価が急騰したタイミング(出 来高が増えて発行条件をクリアした)ですかさず発表した訳です。iPS細胞のニュースに乗って大量の買い注文が集まったところに、突然100万株もの纏 まった売り注文を誰が出したのか?その後の相場を崩す程の売り注文を誰が出しているのか?などは不明ですが、関係する大手金融、投資家が絡んで利益を得る ための作業をしているのでしょう。合法的に。結果としてリスクを取った純粋な投資と考えていた善良な投資家はこの仕組みによって大きな損失を抱えたことと 思います。
これに限らず、「これは相場操縦ではないの?」と感じるものも多々ありますね。今のネット社会では違法な取引をしても余程のヘマをしなければ滅多に発覚 はしませんし、仮に見つかっても罰則が軽いのですからITノウハウや資金があり金儲けが第一義のグループにとっては「やらない訳が無い」取引です。
プロ並みの資金と知識を持って臨まない限り彼らより損をする確率が圧倒的に高い市場への参加なんて・・・、しかもそれを後押しして資産価格を押し上げ消費に結びつけようとする政府の発想と無策。恐ろしい組み合わせです。
取引所は出来高を増やして自身の収益を上げる事ばかり、監督当局は「投資家保護」をお題目に細かな裁量行政に終始し、政治家は流動性供給やGPIFのような素人テーマで株価を持ち上げようとしているだけ・・・。
日本の資本市場の将来像を描けないままに主要関係者がてんでバラバラにビジョンの無い運営を続けているため、いつまで経っても国民資産を託せる市場にな りません。そしてそんな中で個人投資家が下手に参加して欲を出そうものならハイエナの餌食になるだけですから、これでは一般投資家(素人)は怖くて株など 買えませんね。
昨年からの市場にしても見る角度を変えれば単なる博打場です。正当な銘柄選定や投資手法が通用しない故に真面目なファンドマネジャー達は青息吐息です。
まあ(金融素人の)阿呆氏が財務大臣のまま、現場を知らない監督当局は事なかれ主義の素人担当者が金商法の解釈だけで金融業者を指導し、金融業者側は (サラリーマン経営陣が)その素人の顔色を窺いながらの経営・・・って具合です。投機筋(プロ)にとっては「稼ぎどころ」と言う事ですが、そろそろ旨味も 減ってきたのか某米銀の個人部門は撤退を表明しました・・・。そんな中でのNISAも投資家のためと言うより既得権者達に都合の良い日本式の仕組みになっ て提供されています。
国内の株式投資は頭の体操にも良いですが、ここ最近の円安への流れを見ていて数年前から「海外投資の拡大を」「地道な海外投資を」と書いていて良かったと感じています。
海外に於いては依然として数%以上の利回りを得られる投資対象が多数ありますし、G20諸国の中には5~10年後には日本に比較して相当成長する国も出てくるのでしょう。
自身の投資も海外投資につきましては、評価損益を加味すれば円安のお蔭で、ここ3年程で年率10%近いものになってきました。
余り想像したくはありませんが、斜陽の国、国力が低下してゆく日本の資産ばかりを持っていても目減りするばかりです。オリンピック開催に浮かれている場合では無く、6年間などあっという間です。
改革が進まないのならオリンピック後は一層の困難が善良な国民を待ち受けていると覚悟せねばなりません。この消費税増税後の低迷はその前哨戦(予行演習)なのか?と感じています。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
世紀の失政(血税の掴み取り)と言われたウルグアイラウンド対策。もう20年も昔の事ですが、あのバブルの余熱が残るタイミングで農地買い上げの旨味をばら撒いただけで終わった世紀の愚政でした。
当初は1兆円程の予算案だったものが日本中の痴呆政治家が悪乗りし、「あれよあれよ」と言う間に6兆円にまで予算が拡大した挙句、さして農業振興には繋 がらない広域農道やハコ物作りのために無駄にばら撒かれました。農業改革は停滞し、農業を継続する意思が無くとも高値買い上げに期待して公共事業を待つ耕 作放棄地が広がり続けました。
耕作放棄地であっても農地であれば相当に低い固定資産税率が維持されたため、そして既得権団体の抵抗も後押ししたことで、余っていても農地の集約も賃貸も進まず、農業の衰退に拍車が掛かりました。
これらの背景を踏まえて既に20年以上の歳月を無駄にしてしまい、そしてTPP交渉に臨んでいるのが今の姿です。農業改革などそっちのけで、少しでも高 く土地を買い上げて欲しい(農業を継続する意思も無く農地保有だけを継続)、そして地場が出来る公共工事が欲しいと言う地元後援会の支援を受けて農林系族 議員は公共工事誘致が本業となりました。一方の行政側はと言えば、国民や農業者のための農政は地域農協の担当者のみが使命感で働いているだけで、上部組織 は組織(既得権)維持を至上命題としているためやはり改革が出来ません。
そしてここに至り、農業の衰退とともに農業票も減ったことから漸く改革に動き出したのが今回の姿です。手遅れも甚だしい限りですが、その手立てもこの程度でしかありません。何のための政治や行政なのでしょう?
やはり諸悪の根源は票格差に行き着くのでしょうか。民主主義の基幹制度が歪んだままでは何をしても上手くいきません。この制度改革に抵抗している保守派議員のことを国益より私益を優先するゴキブリ議員と呼びます。
一方の金融行政はと言えば、まだ余計なものはあるものの随分と規制緩和が進んだ業種です。特に1990年代後半に激動の時期を迎えました。僅か7~8年 前のバブルピーク頃(1990年前後)には都銀の殆どがAAAの信用格付けを得ていたのですが、その潰れないはずの都銀がバタバタと倒れ一気に不況色が濃 くなった時期であり、その後の株式委託手数料の自由化や為替取引の規制緩和なども進んだ時期でもあります。
ところがここ数年気になることは、株式市場にしても根本的な市場運営方法を見直さずに緩和を進めてしまった弊害が広がっていることです。一般投資家無視 の株主割り当ての規制や開示制度なども漸く出て来ましたが、依然として外銀やファンドなど投機筋(ハイエナ)のやりたい放題が目につきます。法や運営上の 抜け穴を使って善良な投資家を出し抜く方法で利益を上げようとする連中にとっては依然として美味しい市場です。
例えばリーマンショック以降の増資時に時々見られるように、引き受ける大手金融業者が損失をほぼ回避しつつ、上手くいけば相当の利益を上げられる仕組み で引受けをし、ハイエナ達も上手くその仕組みに便乗して儲け、結果としてその複雑な引受方法を理解できない一般投資家がとばっちりを受けて損をするのが昨 今の国内株式市場の構図です。
昨日のリプロセルのドイツ銀行への第三者割当増資の発表も似たようなものと感じます。いつ引き受けても儲かる仕組みなので株価が急騰したタイミング(出 来高が増えて発行条件をクリアした)ですかさず発表した訳です。iPS細胞のニュースに乗って大量の買い注文が集まったところに、突然100万株もの纏 まった売り注文を誰が出したのか?その後の相場を崩す程の売り注文を誰が出しているのか?などは不明ですが、関係する大手金融、投資家が絡んで利益を得る ための作業をしているのでしょう。合法的に。結果としてリスクを取った純粋な投資と考えていた善良な投資家はこの仕組みによって大きな損失を抱えたことと 思います。
これに限らず、「これは相場操縦ではないの?」と感じるものも多々ありますね。今のネット社会では違法な取引をしても余程のヘマをしなければ滅多に発覚 はしませんし、仮に見つかっても罰則が軽いのですからITノウハウや資金があり金儲けが第一義のグループにとっては「やらない訳が無い」取引です。
プロ並みの資金と知識を持って臨まない限り彼らより損をする確率が圧倒的に高い市場への参加なんて・・・、しかもそれを後押しして資産価格を押し上げ消費に結びつけようとする政府の発想と無策。恐ろしい組み合わせです。
取引所は出来高を増やして自身の収益を上げる事ばかり、監督当局は「投資家保護」をお題目に細かな裁量行政に終始し、政治家は流動性供給やGPIFのような素人テーマで株価を持ち上げようとしているだけ・・・。
日本の資本市場の将来像を描けないままに主要関係者がてんでバラバラにビジョンの無い運営を続けているため、いつまで経っても国民資産を託せる市場にな りません。そしてそんな中で個人投資家が下手に参加して欲を出そうものならハイエナの餌食になるだけですから、これでは一般投資家(素人)は怖くて株など 買えませんね。
昨年からの市場にしても見る角度を変えれば単なる博打場です。正当な銘柄選定や投資手法が通用しない故に真面目なファンドマネジャー達は青息吐息です。
まあ(金融素人の)阿呆氏が財務大臣のまま、現場を知らない監督当局は事なかれ主義の素人担当者が金商法の解釈だけで金融業者を指導し、金融業者側は (サラリーマン経営陣が)その素人の顔色を窺いながらの経営・・・って具合です。投機筋(プロ)にとっては「稼ぎどころ」と言う事ですが、そろそろ旨味も 減ってきたのか某米銀の個人部門は撤退を表明しました・・・。そんな中でのNISAも投資家のためと言うより既得権者達に都合の良い日本式の仕組みになっ て提供されています。
国内の株式投資は頭の体操にも良いですが、ここ最近の円安への流れを見ていて数年前から「海外投資の拡大を」「地道な海外投資を」と書いていて良かったと感じています。
海外に於いては依然として数%以上の利回りを得られる投資対象が多数ありますし、G20諸国の中には5~10年後には日本に比較して相当成長する国も出てくるのでしょう。
自身の投資も海外投資につきましては、評価損益を加味すれば円安のお蔭で、ここ3年程で年率10%近いものになってきました。
余り想像したくはありませんが、斜陽の国、国力が低下してゆく日本の資産ばかりを持っていても目減りするばかりです。オリンピック開催に浮かれている場合では無く、6年間などあっという間です。
改革が進まないのならオリンピック後は一層の困難が善良な国民を待ち受けていると覚悟せねばなりません。この消費税増税後の低迷はその前哨戦(予行演習)なのか?と感じています。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)