有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を再編集して毎週掲載いたします。自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


=「安定的なインのキャッシュフローを確保する方法論」=
  (有料メルマガ第15回・2009/4/7配信号)

※注 2009年4月現在の内容ですので留意下さい。


 投資で利益を上げられたときは喜ぶから良いのですが、投資が上手くいかなくて損が発生した時に、多くの投資家は精神的に負担を受けたり、悩んだり、自分 を責めたりすることが多くなります。すると冷静にリスクを管理することが出来なくなって、更なる大きな失敗をすることが多くなります。

 私は自分の性格を考えて、ミニマックス・リグレット基準を採用して投資ルールを作るようになりました。人間は、ものごとが裏目に出たときのダメージに弱 い生きものです。そして裏目に出るという可能性にすら目をつぶりがちです。株を買う場合は、その株が値上がりして儲かると思って買います。だから買った株 が値下がりするとうろたえる人が多いです。そして後悔します。人間は欲張りにできています。また心が弱くできています。だから弱い心を支援するシステムを いろいろ考えることが必要になります。

 「ミニマックス・リグレット基準」というのは、将来がどうなるか不確実なとき、またはものごとが裏目に出たときに、自分の後悔が最も少ないような選択をする基準をいいます。

 株価は投資家の欲と恐怖によって乱高下します。株に投資して買い値より株価が下がっても、持ち続けたら株価が買い値より上昇することもよく起こります。その反対も起こります。

【中略】

 そこで他人(=市場に参加する投資家)の総意でついた株価に惑わされることなく、投資した企業の株を持ち続けることができる拠り所を、自分でしっかり ルール化して持つ必要が出てきます。私も自分の性格にあった、自分の基準をしっかりと持つことにより、将来の資産形成を達成しようとするための、
「自分の性格に適した」ルールを作りました。

 いままでのコラムで述べてきたように、私は過去の事業で利益を上げてバランス・シート上に誰にでも資産として分かる形で資産を積み上げている企業に投資するという基準をまず作りました。

 企業の中には特許とか、減価償却済みでバランス・シート上に載っていなくても使える資産を山のように持っている企業もあります。しかし私(=他の投資家 も同じです)が自分で確認できない資産をいくらたくさん持っていても、安心材料にはなりません。自分にさえわからない基準で投資すると、値下がりしたとき に自信が持てなくて売ってしまうことがあるからです。
 ただしアニメ会社の人気アニメなどの版権のように、バランス・シートで確認できなくても、アニメ制作会社として版権を間違いなく所有していることが誰にも明白に分かるような場合は、投資を避けるようなことはありません。
 ケース・バイ・ケースで、自分が納得できるかどうかを考える事が大事で、あまり形式的に考えすぎないことも大事だとは、考えています。

 私のミニマックス・リグレット基準はもうひとつあります。コストゼロの株を作ることです。投資元本を回収して、株式投資で得た利益分だけで株式投資が出 来るような仕組みを作りました。例えば株を買うときは2単位購入して、株価が倍になったとき、1単位売って利益を確定すると、当初の投資元本が全て回収で きて、残りの1単位は株の利益部分だけで買ったことになります。

 もちろん、コストゼロの株であっても、5000万円ぶんの株が3000万円になれば2000万円資産が減ったことになるので痛手は同じです。コストには関係ありません。でもコストがゼロだと思うと心の負担が軽くなるのです。

 せっかく心の負担を軽くしているのに昔は資産が減ると、そのことに気を取られて自分で自分にプレッシヤーをかけて悔やむことが多かったのですが、今は後 悔しなくなりました(もちろんしまったな?とは思います。でもその思いに囚われなくなった、引きずられなくなった、というのが正しいかもしれません)。

 資産運用は自分が幸せになるための手段ですから、そのことで自分が不幸せになっては意味がありません。だから、いろいろな資産に資金を分散投資して心の負担を軽くすることが重要になるわけです。

 ぜひ、皆さんも自分の性格に適した投資ルールを、自分で作ってください。自分の性格に適していないルールは、きちんと守ることが出来ません。大事な時に、危機に陥ったときに守れないルールを持っていても、意味がありません。

【後略】

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

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