発表内容は、多くのエコノミストの予想では小幅プラスの予想でしたが、残念ながら、実質で▲0.4%(年率▲1.6%)、名目で▲0.8%(年率▲3.0%)と小幅マイナス成長になりました。
安倍政権では、先週来から急速に消費税増税先送り、年内解散という流れが進んでいますが、おそらくはこのGDP発表がかなり悪いことが前提にあったのだと思います。
2年前に安倍内閣が始まるきっかけとなった解散選挙では、前野田首相が「税と社会保障の一体改革」と「国会議員定数削減」の2つに取り組むことを約束して、政権を奪取したことを国民は忘れてはいけません。
経済政策が重要なのはもちろんですが、それ以外の改革として一番優先しなければならない改革は、「社会保障制度」改革です。
その内容については昨年9月の当メルマガでも触れています。
http://okuchika.net/?eid=4625
日本の財政状況が厳しいことの、一番の要因は「年金」「健康保険」を中心とした「社会保障」が国家の予算を圧迫していることにあります。
社会保障の給付は、毎年1兆円以上のペースで増加しています。
その中で「年金」「医療」の占める割合は80%以上です。
年金も医療も、本来は保険料収入で賄うことが建前なのですが、その収入は6対4程度で現役の支払っている保険料収入と国庫支出(税金)で補てんされており、その税金支出が毎年増加しているという構造です。
本来であれば、本当に財政の改善、財政均衡を目指すのであれば、消費税増税よりも先にこちらの「社会保障」の削減に切り込まなくては、効果を上げられません。
また、日本の社会保障政策は、諸外国と比較した場合に高齢者福祉(年金・医療)に偏りすぎていて、現役世代の福祉に利用されていないことが明らかになっています。
日本の場合には、高齢者が人口構成上も選挙の投票でもマジョリティになっているために、こうした高齢者福祉の削減に切り込むと、選挙で勝てないということもあり、改革ではいつも手をつけずに流されてしまいます。
昨年の「社会保障制度改革」でも、切り込み不足であることは、当メルマガでも指摘をしました。
http://okuchika.net/?eid=4625
12月に予定をされる総選挙では、またどの党もこうした問題には、触れずに戦うのでしょうが、もしも、こうした高齢者福祉や社会保障制度改革について、まともに真正面から取り組む党があれば、筆者は応援したいと思います。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
http://www.mlplanning.co.jp/
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