今週(1月13~16日)の東京株式市場は、日経平均株価で333円、率にして1.9%の下落となりました。

 原油価格の下落に加え、スイス国立銀行(中央銀行)によるスイスフラン相場の対ユーロ上限の撤廃、これに伴うスイスフランの急騰につられ、円相場も一時約1カ月ぶりに1ドル=115円台まで上昇するなど、外部環境の混乱が短期筋の売りを誘った格好です。


 スイス国立銀行の動きはサプライズを伴いましたが、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和の導入を先取った措置といえ、市場の混乱は一時的なものにとどまると予想します。外為市場の動きは再び緩やかな円安に向かうとみます。

 また、米国では、12月の小売売上高(商務省発表)が前月比0.9%減少(市場予想は0.1%減少)、11カ月ぶりの大幅な減少となり、「堅調なクリス マス商戦」を織り込んでいた市場にショックが走りました。「季節調整要因」との見方もありますが、この統計はガソリン販売を含んでいることから、原油市況 の急落に伴うガソリン価格の下落が大きく影響しているようです。

 全米小売業協会がまとめた14年11~12月の小売売上高(飲食、自動車、ガソリンを除く)は前年同期比4%増と3年ぶりの高い伸びとなりました。米国のGDPの7割を占める個人消費の拡大基調は続くとの予想に変化はありません。

 国内では、来週から14年度3Qの決算発表が本格化します。通期見通しの増額が相次ぐものと予想しますが、それを背景に株式相場は戻り歩調をたどるとみています。

(水島寒月)

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