■ バフェットの哲学 その1

●戦国武将とバフェット

 戦国武将といえば、まず思い浮かべるのが織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3武将でしょう。それぞれ強烈なキャラクターを持った人物で、「鳴かぬなら殺し てしまえホトトギス」「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」、「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」という言葉が、それぞれの個性をもっともよく現し ています。

 「投資の利益は忍耐に対する報酬だ」と言い放つバフェットが家康型であることは言うまでもありません。徳川家康は、織田信長や豊臣秀吉が天下をとっている間、じっと辛抱強く時を待ち、最終的には300年近い繁栄を遂げる徳川政権の礎を築きました。
 バフェットも、その70年以上にわたる投資生活の中で世間がバブルの熱狂に浮かれている間も(ITバブルの時にバフェットは、マスコミからテクノロジー が分からない時代遅れのポンコツだと評されました…)独自の哲学に忠実な投資をマイペースで続け、ちっぽけな繊維会社であったバークシャーを、世界最大級 (日本最大の会社=トヨタ自動車に匹敵します)の企業に発展させました。


●三振の無い野球

 バフェットは、投資(ビジネス)を三振の無い野球に例えます。本当の野球では、三回空振りすればアウトになってしまいますが、投資(ビジネス)では、そ のようなルールはありません。ボール球はひたすら見送り、絶好球が来たときにだけ満身の力を込めてバットを振りホームランを打てばよいのです。
 バフェットが警鐘を鳴らすのは「ボール球に手を出すこと」です。

 ボール球が続くと、くせ玉が絶好球に見えるものですが、そのような玉に手を出さなかったからこそ、バフェットは大成功できたのです。難しいボールを高度な技術でホームランにしたわけではありません。ただ絶好球を待つ忍耐力と選球眼があっただけなのです。

 バフェットはこのことに関して二つのことを強調しますが、その一つは

「投資(ビジネス)において、絶対守らなければならないルールがある。
1.絶対に損をしないこと
2.絶対に1.のルールを忘れないこと」

です。

 もう一つは、

「目の前に2メートルの壁があったら、まわりに30センチの柵が無いか探してみる」

事です。

 2メートルの壁を登るのは凄いことですが、隣で子供がひょいと30センチの柵をまたいでいる横でそんなことをやっていたら大ばか者でしょう…。

<続く>

続きは、産業新潮
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(大原浩)


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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)