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第一四半期決算の印象
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第一四半期決算の印象

2015-08-17 22:12
    4月~6月期の四半期決算の数字が概ね出揃いましたが、13~14%程の増益の割には通期予想の修正は少なく、やはり控えめな予想を維持する会社が目立ちました。


     石川臨太郎さん によると、上期以降の受注や売り上げ数値に自信を持っている会社ですら予想を据え置き、その一方で、中間期の予想も変えず会社も余裕を持っているにも関わ らず第一四半期が減益になっただけで売り込まれている、表面上の数値に反応しただけの銘柄も多数あるそうです。底の浅い市場です。


     例えば、円安で潤って(利益がかさ上げされ)いて、且つ為替の前提を110円/ドルのまま据え置いているにも関わらず、そして受注や売上が見ているのに控えめな予想を維持しているなどは分かり易い例です。


     もちろん将来に何が起こるか分からず経営者が慎重になることも理解できますが、それ以上に守りの姿勢が強く出ています。


     一般的には自動車部品や電子部品メーカーなどが儲かっているところを見せると納品先から「買い叩かれるから」と言った理由は良く聞きますが、とある大手上場企業の役員の方から今回はちょっと違ったお話を聞きました。


     昨年以降、安倍政権は政治主導で人件費の増加を促そうとしていますが、経済団体への働きかけに留まらず、特に儲かっている大企業に対しては担当者を呼び出して待遇をヒアリングするなど、露骨なプレッシャーをかけているとのことです。


     政治家に企業の人事や経営方針にまで口出しされては適わないからと、出来るだけ目立たない収益予想を出している会社もあると言います。大手有名企業や天下りの多い会社(公的な売り上げが多く、行政の動きに敏感な企業?)ほど口出しされ易いかな?などとも感じました。


     政治家の点数稼ぎのために民間の給与方針にまで口出しするようでは中国狂産党と変わりません。政府・政治家がすべきことは民間の足枷となっている無意味な規制の緩和や撤廃、古い法令の改善などであり、国家の方向性を策定したり国富の増大を後押しする仕事です。
     相も変わらず、橋を架けたり鉄道を引いたりと言ったマヌケな既得権仕事の延長でしか政治を考えられないようなゴキブリには辞めてもらいたい。


     そうなると、大企業の給与実績を使って人件費を決めている人事院(役人の待遇決定機関)も全省庁を上げて協力し、ここぞとばかりに大手企業の給与引き上げに手を貸しているのではないか?と疑いたくなります。事実2年連続で大きく引き上げられています。

     この点では政治家と役人の思惑が一致しますので、マヌケな議員を焚き付けている構図が目に浮かびます。地方のヒマな役人の給与を首都圏に集中する大企業の給与水準を元に算定してもらえるのですから、美味し過ぎて止められません(笑)。


     厚労省の毎月勤労統計でも民間給与水準が上がっていないことは明らかで、しかも依然として消費増税や円安による食料品などの価格上昇による中間層以下の購買力低下が見えているにも関わらず、変わり映えの無いパフォーマンスに終始しています。


     日本企業が存分に力を発揮し、喜んで前向きな事業予想を出せる国造り、市場運営が望まれます。現場を知らない阿呆政治家のパフォーマンスによって一層保守的な決算予想を出させる愚行は避けねばなりません。


     余談ですが・・・、原発の再稼働を後押ししておきながら国の責任を避けるかの発言を聞いた日には開いた口が塞がりませんでした。

     この恐るべき政治家の能力低下、胆力低下こそが国家の衰退を招いていることを国民は肝に銘じなければなりません。


    (街のコンサルタント)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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