日本株を外国人の目線で捉えると日本人には気がつかなかった魅力的なセクターが食品。という訳で外国人投資家の関心が高い食品株にバブル相場とも言うべき展開が見られます。


 安定株の代表とも言うべきセクターである食品や薬品株の異常とも言える人気の背景を遅きに失していると言われそうですが、一度改めて考えてみたいと思います。


 まず初めに日本を代表する食品会社の株価と時価総額、今期予想経常利益、PERを掲げてみます。また、それぞれに昨年末の株価とも比較してみました。

 皆さんは現在の食品株相場をバブルと見ていますか、それともバブルではないとお考えでしょうか。


 株式相場は全体的には上昇トレンドを描いていますが、個別に見ますと二極化の展開が見られます。二律背反の値動きの上げ展開につくか下げ展開につくかで 運用成果は大きく違ってきますが、現在の株式相場で上げ展開が顕著な食品株をどう見るのかは今後の株式運用のポイントになるのかと思います。


 また、食品セクターに限らず日本には長年培われたブランドとそこで生み出されたヒット商品を抱える企業の底力が見えてきます。株式市場はそうした企業の登場を歓迎し、多くの投資家の関心を集めることになります。


 日本株の強さがそうした潮流にあるとすれば今後の展開にも期待が持てることになります。バブルかそうでないかの見極めが皆さんの今後の運用にも少なからぬ影響をもたらすのではないかと考えます。


【コード番号2000番から2500番台まで】


1.日清製粉グループ本社(2002)2014年末1170円
 8月17日終値1814円/時価総額5521億円
 /今期予想経常利益243億円/PER34.0倍

2.森永製菓(2201)2014年末316円
 同上723円/同上1882億円
 /今期予想経常利益66億円/PER41.8倍

3.江崎グリコ(2206)2014年末4250円
 同上6740円/同上4680億円
 /今期予想経常利益162億円/PER40.6倍

4.山崎製パン(2212)2014年末1488円
 同上2166円/同上4771億円
 /今期予想経常利益270億円/PER50.0倍

5.カルビー(2229)2014年末4175円
 同上4995円/同上6677億円
 /今期予想経常利益280億円/PER42.2倍

6.ヤクルト(2267)2014年末6380円
 同上7890円/同上1.30兆円
 /今期予想経常利益475億円/PER47.4倍

7.明治HD(2269)2014年末11010円
 同上20550円/同上1.51兆円
 /今期予想経常利益523億円/PER36.3倍

8.日本ハム(2282)2014年末2638円
 同上3010円/同上6140億円
 /今期予想経常利益390億円/PER22.7倍

9.アサヒGHD(2502)2014年末3746.5円
 同上4358.5円/同上2.02兆円
 /今期予想経常利益1390億円/PER26.9倍

10.キリンHD(2503)2014年末1497円
 同上1836円/同上1.58兆円
 /今期予想経常利益1220億円/PER27.0倍

11.宝HD(2531)2014年末784円
 同上941円/同上2049億円
 /今期予想経常利益120億円/PER29.6倍

12.サントリー食品(2587)2014年末4170円
 同上5570円/同上1.72兆円
 /今期予想経常利益880億円/PER41.0倍



【コード番号2600番台から2900番台まで】


1.日清オイリオ(2602)2014年末421円
 同上494円/同上856億円
 /今期予想経常利益70億円/PER20.5倍

2.不二製油(2607)2014年末1538円
 同上1822円/同上1596億円
 /今期予想経常利益156億円/PER15.7倍

3.キッコーマン(2801)2014年末2966円
 同上4355円/同上9162億円
 /今期予想経常利益260億円/PER50.1倍

4.味の素(2802)2014年末2243円
 同上2769.5円/同上1.65兆円
 /今期予想経常利益850億円/PER32.8倍

5.QP(2809)2014年末2251円
 同上2880円/同上4406億円
 /今期予想経常利益262億円/PER28.6倍

6.ハウス食品(2810)2014年末2084円
 同上2467円/同上2535億円
 /今期予想経常利益129億円/PER28.5倍

7.カゴメ(2811)2014年末 1828円
 同上2144円/同上2136億円
 /今期予想経常利益76億円/PER53.2倍

8.ニチレイ(2871)2014年末547円
 同上811円/同上2400億円
 /今期予想経常利益180億円/PER20.5倍

9.東洋水産(2875)2014年末3900円
 同上4930円/同上5466億円
 /今期予想経常利益290億円/PER28.0倍

10.日清食品(2897)2014年末5770円
 同上6200円/同上7283億円
 /今期予想経常利益300億円/PER34.2倍

11.JT(2914)2014年末3328円
 同上4721.5円/同上9.4兆円
 /今期予想経常利益5270億円(最新四季報)/PER17.4倍*

*自販機子会社売却に伴う特別利益1000億円を含めたEPSで算定



 森永製菓の株価がこのところ急騰していますが、その先駆となった明治HDの株価は昨年末に比べほぼ倍化しています。
 PERが50倍を超えてきた銘柄もある一方でまだPERが20倍前後に留まっている銘柄や昨年末と比べまださほど上がっていない銘柄もあります。

 相場のリード役はキッコーマンや味の素、明治HD、グリコ、森永、ヤクルトなどですが、これらは既にPERが30倍~50倍となっています。
 一方で、日清オイリオや日ハムなどがPER面では評価が低い状況となっています。

 時価総額が最も大きなJT株は特別利益でEPSの増加が見込まれイレギュラーにPERが低くなっています。


 今後も食品株人気は衰えないと見ればこの潮流についていくしかないのですが、そろそろ行き過ぎを感じる銘柄も出ていますので注意しておきたいと思います。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)



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