全体相場が堅調に推移する中で直近IPOした銘柄には下落トレンドの株価が見られます。


 例えば製造業向け人材関連サービスの平山(7781)の場合は、公開価格2130円に対して7月10日初値は2758円。高値は2783円でしたが上場後約1か月で2031円という安値まで下落しています。
 この会社の場合は決算期が6月で13日にその発表を行いましたが、前期は上場時に公表した決算見通しを上回る順調な着地となりました。

 今期の見通しも上場時に公表した通りとなり増収増益の基調を維持するという内容でしたが、株価はそうしたことを織り込んでおり、むしろ好材料が出尽くしたと判断したのか、発表後大きく売り込まれてしまいました。
 本日の終値は2105円と戻ってきましたが、今期予想EPS150円に対してPERは14倍という水準に留まっています。

 上がらないまでも下落する必要のない決算発表でしたが、需給の悪さを物語っています。それにIR不足が否めません。

 今後2,3ヶ月の期間を経て自然体で株価は公開価格を上回り上場後の高値水準に戻る可能性が感じられます。


 一方、3月に上場したハウスドゥ(3457)も直近まで調整傾向にありましたが、6月期決算発表後に再び人気化しています。

 同社の初値は5分割実施前で5300円で高値は5320円でしたがその後、人気薄となり安値3830円まで下落しましたが、その後は14650円の高値まで急騰し、安値から3.8倍となりました。
 その後5分割を実施し7月には1361円まで下落しましたが、本日は2347円まで急騰しています。


 このように上場後に激しく上下する銘柄もありますが、中期的な成長性を秘めていることが一定の評価につながっていると考えられます。


 このように株価的に調整局面が続く中で企業内容や業績等を吟味して投資することでリターンにつなげて頂くと比較的効率的に成果を出せるのではないでしょうか。


 ただ、時には公開価格を大きく下回り調整を続ける銘柄も出て参ります。

 IPO銘柄はダイナミックな株価変動を伴うとの前提をベースにして取り組むことにして頂きたいと思います。


 最近のALBERT(3906)はその典型例です。

 2月19日の公開価格2800円に対して初値6040円、高値8160円でしたが直近になって2300円前後まで下落(下落率18%)してきました。


 またVoyage Group(3688)も同様に昨年7月2日の公開価格2400円に対して初値3360円、高値4335円でしたが、その後下落トレンドを重ね本年8月には1966円安値まで下落(下落率18%)しました。


 このように偶然ながらいずれも公開価格に対する下落率は18%となっています。


 こうした公開価格を下回っての下落事例は時々ありますが、多くは公開価格を下回ることなく、株価変動が続きます。株式分割などの好材料も期待しながら好需給で割安感のある銘柄に対しての投資が効果をもたらすと考えられます。

(炎)


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