●時間を味方にする
バフェット哲学の重要な部分に「時間を味方にする」というものがあります。
例えば、人間の人生を考えてみましょう。
ある若者が十代の時にアイドルとしてデビューし、大ヒット曲も連発して国民誰もが知るスターとなります。しかし、数年もすると新しい別の十代のアイドルが華々しくデビューし、その陰に隠れたこの若者の人気は凋落します。
その後は俳優などに転身を図りますが、アイドル時代の人気や収入にはとても及びません。そのうちその俳優としての人気にも陰りが見え、アイドルであった時代の知名度を頼りに地方のどさまわりもするようになります。
歳をとれば容姿も衰え、「あの人は今」に登場したりするうちに、新聞の片隅にちいさな訃報が載ります。それをたまたま見つけた往時のファンは、自分の人生とも重ねあわせて故人を偲びます。
いいか悪いかは別にして、このような人生では「時間は敵」です。歳を重ねれば重ねるほど、容姿や体力そして人気が衰え、最後は誰からも忘れられた存在になります。まさに「時間よ止まれ」(矢沢永吉)と祈りながら人生をおくらなければなりません。
別の若者は、路上でパフォーマンスをするところからスタートします。雨の日も風の日もワゴン車で地道に全国を廻ります。観客がたった数人の時も頑張って 続けていると、次第に固定ファンができるようになり、レコード会社からも注目されるようになります。メジャーデビューしてからも、華々しい人気は出ません が、その素晴らしい歌詞とメロディー、そして心に響く歌声が次第に人々の心をとらえるようになります。
そして彼(彼女)の曲は最新のものだけではなく、古い曲も繰り返しヒットチャートに登場するようになります。もちろん、前述の若者と同じように容姿は衰えていきますが、その刻まれたしわがかえって人間としての深みを感じさせ、益々人気が出ます。
数十年以上にわたって人々を魅了した後は、多くの勲章や国民栄誉賞などを受賞。訃報が伝えられと、新聞やテレビが追悼特集を組み、多数の国民がその死を悲しみます。
バフェットが「時間を味方にする」というのはまさにこういうことです。
時間が経てば経つほど、内容が充実し深みが増すので、時間が経過したり歳をとるのがとても素敵なことになるわけです。
●時間が経つと増える資産と減る資産
バフェットは色々な局面で「時間を味方にする」事の重要性を説きますが、少し変わったところで「無形資産の償却」に関する例を取り上げます。
無形資産とは、工場や店舗などの有形資産とは異なった、いわゆる目に見えない資産です。例えばコンピュータソフトやのれん(ブランド)などがあげられます。
<続く>
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9月号をご参照ください。
(大原浩)
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)