合計して約1兆4000億円を一旦は市場から吸い上げた日本郵政3社の株価は先行したかんぽ生命がやや停滞気味ではありますが、先週は日本郵政が一時1900円台に乗せるなど引き続き堅調なようです。

 多くの投資家の期待を乗せて国家的企業が放出されたことで一時的には民間企業に回る筈のお金がたった3社に集中しましたが、今後は徐々に落ち着きを取り戻すと見られます。

 これが全体相場の好循環につながるということが期待される一方で、株価のトレンドが悪い銘柄には容赦のない売りが浴びせられることになります。
 単純な数字だけで業績の良し悪しが語られますので、それによる株価の振幅は大きくなりがちです。

 しかも期待に反して下落を見せた株はなかなか元には戻らない展開になってしまいますのでまじめに評価して投資していた投資家は対応に苦慮してしまうことになります。


 一方の企業側の対応は多くは市場任せ。一時的な下落と割り切っての放置が続きますので投資家もある程度は時期が来るまでは相応の値下がりリスクを覚悟しないとなりません。

 現在元気な日本郵政3社の株式も順調に上がっている間は良いのですが、下支えがなくなればまた下落もパターンもあり得ます。それでも日本郵政株が強いの は明らかに上場前の業績予想が意図的に弱くしていたかのようですので期中に上方修正でもして株高の維持を企んでいるようにも考えられます。

 まあ株価が上がるのは良いことです。PBRの1倍割れが解消するまでは基調としては強いというのが大方の見方なのかと思われます。


 景気動向が不透明な中、上場企業の業績動向は為替の円安に支えられている面が強く、先行きは不透明。今回はフランス・パリでのテロ事件による株価への不 安が再び株安につながるのではないかとの不安感が相場の先行きにも重しとなってきそうですから、ここでは国策に沿った内需株を物色しておこうという動きが 続くように思われます。

 そうした意味で、全体相場の動向による短期的な上げ下げはあっても日本郵政株自体の強展開はまだしばらくは続くものと見ておきたいところです。


 1400円で買った投資家は既に大方は利益確定売りをしたものと推察されます。日本郵政株は2巡目から3巡目に入ろうとするなど好循環が続いていますので、投資家のお金はここに吸い取られようとしているのかも知れません。


 一方では損切りの対象となる下落トレンド銘柄はとことん値下がりしていく悪循環が続いています。日本郵政で儲けた投資家は良いのですが、二律背反の相場展開による値下がり銘柄の評価資産の目減りは悩ましいところです。

 そうした意味では日本郵政株相場の行き着く先は、想定外の意外高になる可能性も秘めています。これら郵政3社の官製相場とも言うべき株価動向は皆さんの運用成果にとっても吉と出るのか凶と出るのか今年の分かれ道に立っているような気がします。


(炎)


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