時代の流れもありますが、リーマンショック辺りからでしょうか「変わったなぁ~」と感じることが増えました。

1.街中でも駅でも人の歩く速度が随分遅くなりました。スマホの影響も大きいのでしょうけど、電車でもダラダラとマイペースで乗降する人が増えました。
2.信号が赤に変わっても無理に交差点を抜けようとする車が増えました。
3.短絡的な理由で交際相手を殺したなどの刹那的な事件や、新手の詐欺が増えています。

 身勝手な振る舞いが増えたように感じます。読者の皆さまの日常でも「イラッと」することが増えたのではないでしょうか。テロと言わずとも最近は物騒な輩が多いですから、読者の皆さまには是非気を付けて頂きたいと思っています。


 昨年12月に「結果責任」とのタイトルで書きましたが、何についても各個人の結果責任「自己責任」への認識が薄れていると感じる昨今です。

 ITの進歩で便利になったのは喜ばしいことですが、LINEやメールでは一対一の場合には実際の会話と比較してコミュニケーション量は圧倒的に少なくなります。
 我々が画一的なビジネスの場で使う際にも誤解が生じ易いのに、それを日常の主なコミュニケーション手段としている若者達の間では簡単に誤解が生まれるは ずです。面と向かって話をするのとは違って表現が単純になりがちですからトラブルが増えるのは自明なのでしょう。しかも沢山の言葉と時間を使って相手に合 わせ、我慢し、懐柔し、そして説得する、場合によって妥協もする…と言った訓練が減ってしまう怖さがあります。


 それに加えて年齢と関係なく、何となく誰もが疲れているようにも見え、言動にも余裕の無さを感じることが増えました。

 雇用統計を見れば完全失業率3.5%や、求人倍率が1.2倍もあるなどと煽られますが、3.5%と言えばほぼ完全雇用状態と言えるものの求人が多いのは非正規採用が過半、所定内賃金の伸びも僅かで忙しくなるばかりですから、疲れる訳です。

 つまり消費増税や消費財の値上がり分だけ一般消費者の生活実態が悪化しており、その一方で資産バブルの恩恵を受けた消費増やインバウンド消費がカバーし ている構図なのだと考えられます。見方を変えれば、高齢化により労働生産人口が減ったことで失業率が低下する一方、それを補てんする求人は人件費の安い非 正規が中心となっているため人件費総額が上がらなくなっている…と言い替えられます。
 これは民間でも公務員の世界でも同様の傾向で、議論の一段の活発化を望むところです。ゴキブリ政局の為の軽減税率など無駄な議論で時間を浪費している場合ではありません。


 大手企業の利益率が向上しただけでは一般庶民までは中々潤いません。これが資本主義と言われればそれまでですが、GDPで見ると日本のGDPが500兆 円で横ばいとして、円安が進んだため米ドル換算で3年前に6兆ドルだったものが今では4兆ドルです。世界から見るとこの分だけ日本の存在感は薄れた訳です し、その分だけ日本人の生活にも余裕がなくなってしまったと言い替えられるのかも知れません。


 人間本来のコミュニケーション量が減り、閉鎖的な世界で「自分さえ良ければ」との意識が優先し選挙(有権者の協力の結果)にも行かず、結果として巡り 巡って自分が最も損する立場になっていることに気付き辛い。それ故に、何かのきっかけでその違和感に気付き「何かしなければいけない」との思いを抱いた人 達が夏頃のデモに参加したのか?などとも考えました。


 SNSも時々は使いますが、煩わしいほどに「お友達ではありませんか?」「今はどんな気分?」などと、そのアプリを使わせようと受信のうちの半分も占める不要なメールがストレスにも感じます。


 金融市場も変わりました。発行される国債のうちの9割も日銀が買い占めることで国債の流動性は極端に落ち、株式市場ではシステムによる自動売買が5割を超えているようです。これは異常な状態です。
 以前のように発表された数字を吟味する時間など無くなり、ネット上の数字や文字列が機械的に判断され瞬時に動くようになりました。ひょっとしたらこれが新しいタイプのバブルなのかもしれません。
 システマティックな売買が限界まで増幅した時が今回のバブルの終焉となるのか。


 レセプト債の詐欺事件?も話題になっています。数年前までは幾らかでも質の良いレセプトを仕入れられたと聞きましたが、最近はどうなのでしょう?
 組成のための原資産が不足すれば質の悪いレセプトも仕入れることになるのでしょうが、この金融商品は運営者がキャッシュフローをしっかり管理できれば可 笑しなことにはなりません。つまり介護や調剤関係のレセプトも増えたと聞いていましたから、資金繰り悪化への穴埋めや悪質な資金集めに利用されたとも考え られます。今後の捜査を見守りたいと思います。


 投資は自分のお金を使った結果責任のゲームです。世界的な流動性の供給過剰はまだしばらく続きそうですから、より悪質な金融事件が発生したり乱高下の激しい市場になり易いです。
 昔とは違った「ゲーム感覚と余裕」を持って臨むのが良さそうです。

 くれぐれも美味い話には注意してください。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)