d398bd1c6d9ea36302894aba9c308400f955e300

北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#105

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2016年8月30日発行(月3回)8月第3号(通刊 第106号)

【目次】

■巻頭コラム
 『ハラールラーメンへの課題』(山本剛志)

□クロスレビュー「必食の一杯」
  中華そば 琳久@浜松町「醤油らーめん」

■ラーメン実食レビュー
【北島秀一】
  自然派ラーメン 神楽@野町「神楽そば」

【山路力也】
  麺や七彩@八丁堀「喜多方らーめん(醤油)」
  一風堂スタンド 浜松町店@大門「赤丸新味」
  らぁめんつけめん 粋や@県庁前「醤油らぁめん」
  珍來 鎌取店@鎌取「こくまろ醤油らーめん」
  麺屋二代目 弘@船橋「醤油らーめん」
  久留米大砲ラーメン KITTE博多店@博多「昔ラーメン」
  支那そば月や 薬院店@薬院「支那そば」

【山本剛志】
  一瑞亭@新宿御苑前「ラーメン」
  虎空@京王堀之内「煮干そば」
  吟月@水戸市「スタミナラーメンホット」
  真屋@荒尾「鳥そば」
  あらき軒@手力「ニボチャチャ!!ラーメン」
  りきどう@岐阜「つけ麺小盛凄平麺」
  蔵前家@浜松市「まぜそば」

□拉麺人インタビュー 
 蓮沼司 <我武者羅 店主>③
 『新潟ラーメンの魅力を、東京でも発信していきたい』(聞き手:山本剛志)

■ラーメン活動月報(8月)

□告知/スケジュール

■編集後記

■巻頭コラム
『ハラールラーメンへの課題』山本剛志

 外国人観光客の増加に伴い、ラーメン店でもそこへの対応が求められている。そんな中、イスラム教徒が禁止されている食材(ハラーム)を使わずに作られた「ハラール料理」への関心が集まっている。

 国内でも「ハラールラーメン」を看板にするラーメン店が登場しているが、ハラールを徹底しようとすると、様々な壁に突き当たる事になる。例えばラーメンで頻繁に使われている「豚」がハラームとして禁じられているだけでなく、食肉として使われる鶏や牛については「餌もハラールである事」「イスラム教徒が定められた方法で屠殺する事」「豚と一緒に輸送・保管してはならない」など、細かなルールが定められている。一方で、魚介類はそのままではハラルフードであり、加工や保存に留意してハラール認証を得て、イスラム圏に売り込む動きもみられる。

 また、アルコール類も禁忌であるが、ラーメンに欠かせない「醤油」は自然醸造時にアルコールを発生させている。日本ハラール協会は2011年、マレーシアのイスラム教委員会に提案して、「製造時に発生する自然発酵アルコール成分は問題ない」とする回答を得た。国内でも、各種ハラール認証団体によって認証された「ハラール醤油」が発売されている。

 しかし、上記の回答やハラール認証は、その認証団体の基準によるものであって、その基準は様々。統一基準を示せればいいのだが、信心という内心の問題である以上、それを強引に統一させることはできない。そして、特定のメニューをムスリム対応にしても、他のメニューにアルコールや豚肉が入っていたらNGという人もいれば、そのメニューに豚肉が使われていなければOKという人もいる。

 現時点で、日本のラーメン店ができる対応としては「豚肉やアルコールを使用していない料理の明示」など、イスラム教徒の食事における宗教的な要求を理解する「イスラムフレンドリー」を根付かせていく事だと言える。外国人観光客の食事への要求はイスラム教徒に限らない。ベジタリアンやヴィーガンへの対応においても同様の事が言える。スープに動物系の旨みが求められる現状において、実践している店が多くない分、対応できる店は外国人観光客へもPRできる事になる。一人でも多くの人に「日本には美味しいラーメンがある」と実感してほしいし、食にタブーを持たない人とも、一緒に笑顔になれる事が一番だと思う。


□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は昨年浜松町にオープンした「中華そば 琳久」の「醤油らーめん」を山路と山本が食べて、語ります。

d86403962e11b357239712bc13aed1f11d4e3330
中華そば 琳久@浜松町
「醤油らーめん」750円