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北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#145

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2017年10月10日発行(月3回)10月第1号(通刊 第146号)

【目次】

■巻頭コラム
 『「なると巻き」は生き残るのか? 』(北島秀一)

□クロスレビュー「必食の一杯」
  大重食堂@薬院大通「ラーメン」

■ラーメン実食レビュー
【北島秀一】
  麺屋 和光@洋光台「味噌らーめん」

【山路力也】
  中華そば 勝本@水道橋「中華そば」
  一風堂 六本木店@六本木「白丸とんこつ豆腐」
  中華そば青葉 ららぽーと船橋店@南船橋「特製中華そば」
  福ヤ 熱海店@熱海「久留米ラーメン」
  IPPUDO TAO FUKUOKA@天神「TAO味噌」
  拉麺久留米 本田商店 キャナルシティ博多店@祗園「ホンダラーメン1号(純味)」
  来雷軒@久留米「ラーメン」

【山本剛志】
  あかずきん@祖師ヶ谷大蔵「辛っとろ麻婆麺追い飯セット」
  珍々亭@武蔵境「油そば」
  篤々@勝田台「煮干しソバ」
  ベーヤン@つくば市「ワンタンメン」
  飛来ラーメン@酒田市「中華小」
  花や@酒田市「牛骨ラーメン」
  博多新風@博多「黒豚骨」

□拉麺人インタビュー 
 川名秀則<季織亭 店主>①
 『弁当屋から始まった「季織亭」の道』(聞き手:山本剛志)

■連載コラム(第41回)
 『ラーメンの憂鬱』〜自分を表現出来ているか(山路力也)
 『教養としてのラーメン』〜ラーメン店の方向け 立地問題ケーススタディ その1~(山本剛志)

□告知/スケジュール

■編集後記


■巻頭コラム
『「なると巻き」は生き残るのか? 』北島秀一

 「なると巻き」と云えば、おそらくチャーシュー、メンマ、ほうれん草などと並んで最も古くからラーメンに採用されてきた具材の一つだが、しばしばマスコミなどでも話題に上るように、最近はぐっと採用率が下がってきた物でもある。実際、新店で出されるラーメンを食べていても、見かけるケースは本当に少なくなった。

 さて、このなると巻き自体は魚のすり身を使った練り物で、単純に云えば蒲鉾の親戚筋に当たる。いつ誰がラーメンに載せたかは定かではないが、明治期に輸入された中華の汁そばがそば・うどん文化を吸収する過程でごく自然に使われ始めた物であろうと思われる。また黒っぽい色合いの醤油スープに浮かぶ鮮やかな白と、そこに描かれた赤色の渦巻きは彩りとして、また縁起物として充分な存在感がある。

 が、考えてみると、なると巻き自体はラーメンやそば・うどんの具材以外に積極的に使われるケースはあまりない。一部地域でおでんに使われるか、あるいはラーメン店のチャーハンで具材に使われるか……。ごく限られた範囲でしか見かけない。正直、食感といい味わいといいさほど強烈な個性はなく、現在の、コストを含めて競争の厳しいラーメンではなかなか出番がない。実際なると巻きを載せる何人かのご主人に聞いた事はあるが、「やっぱりラーメンにはなるとが無いと」などのノスタルジーや彩り以上の役割はほとんど聞けなかった。また彩りと云う役割を、半熟玉子が奪ってしまった事も大きいかも知れない。

 私も以前、とある企画で、煮る、焼く、炒める、揚げる、蒸すなど、様々な調理・調味でなると巻き復権が出来ないかを探った事もあるが、少なくとも当時の私たちでは新たな道は見つけられなかった。「味わい」「歯ごたえ」「アクセント」「ボリューム感」などの多少の付加は出来ても、手間やコストを考えると残念ながらもっと優れた物はあるよなあと云うのが当時の結論になってしまった。ただ、昔は「それなり」の存在感と普及率でしかなかった味付け玉子が「半熟」にする事で一気に具材界のスーパースターにまで登り詰めた例もある。なると巻きにそのような「神の一手」はあるのか。それともこのまま細々とノスタルジックな存在として生き延びるのか。オッサンとしては何となく「頑張れなると」と言いたくなるのである。(ラーマガ015号より転載)


□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は福岡で人気の和食ダイニング「Big Heavy Kitchen」が新たに二毛作で始めた異色店「大重食堂」の「ラーメン」を山路と山本が食べて、語ります。

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大重食堂@薬院大通
「ラーメン」800円