本当に優れた商品を選ぶ。そこには、商品に潜む価値を見定める「選ぶ視点」が必要だ。男たるもの、目利きたれ!
伊勢丹新宿店本館5FのリビングフロアにROOMIE編集部で伺い、お話をうかがった企画の第二弾。今回は包丁からペッパーミル、かつお節削り器まで、百貨店販売員がセレクトしたさまざまなキッチングッズをご紹介。※第一弾はこちら
伊勢丹新宿店本館5Fキッチンダイニング担当の栗原さんが、事前にフロアの各スタッフへヒアリングを行い、
・キッチン用品で男性客に人気のグッズ
・伊勢丹新宿店の女性スタッフから見て、男性に使って欲しいもの
という軸で選出してもらった。
今回も、栗原さんの解説が光る。商品情報を次から次へと繰り出すことで我々の購買欲求を搔き立て、その上、キッチンの生活知識をサッと入れ込んでくる。必見だ。
プジョー ペッパーミル
電動ペッパーミル ELS-SE 16,200円(税込)、電動ソルトミル ELS-SE 16,200円(税込)
タッチするとブルーに光る、プジョーの電動ミルをご紹介します。きれいなステンレス製なので、卓上に置いてもかっこいいデザインで、このガジェット感が男性に人気のアイテムです。
視覚的にも「挽いている」ということがわかりやすくなっていて、料理好きな人はもちろん、手で引くのがめんどくさいという人にもおすすめです。電池で動いているので、コード不要で使いやすいんですよ。
本当に、そっと触れるだけで動く。猫を撫でるくらいの感覚だ
上部のボタンをそっとタッチだけで挽けるので、調理中でも力を入れずに挽くことができます。片手が空くので、火加減を見ながら味を足す、というときに便利です。ぜひ一度、店頭でお試しください。「押す」というよりも「触れる」という感覚で挽けます。
電動だと粗さを選べないものも多いのですが、プジョー社のこの電動ミルは、下にあるダイヤルを動かして粗さの調節が可能です。
胴の部分がステンレス製で、木のように痛まないので衛生面もいいですね。
木屋 出刃・刺身包丁
(写真左から)正夫(刺身) 団十郎 八角牛水柄 21cm 23,220円(税込)、出刃庖丁 団十郎 八角水牛柄 16.5cm 23,760円(税込)
刃の部分が鋼性なので切れ味が抜群な、木屋の出刃包丁です。重さがしっかりあるので、扱いやすいんですよ。出刃包丁って、適度に重さがないと力を入れすぎてしまいますので、軽すぎると、むしろ食材切るのに負担になってしまうんです。
一方で刺身包丁は軽いつくりとなっているため、魚にスッと入れれば、あとは力任せに切れます。出刃・刺身は、包丁の使い方が真逆なのです。
ちなみに、この包丁の名前は「団十郎」といいますが、これは明治時代の歌舞伎役者・市川團十郎と、木屋の経営者の仲がよかったことから名前をもらい、いまでも商品名にしているのだそうです。
きれいな鋼を前に、目を奪われる
料理を始めたばかりだと、なかなか包丁を選ぶというのは難しいですよね。ひとまず、オールマイティな三徳包丁を購入する、というところからスタートする方もよくいると思います。
特定の用途の包丁を買うときにみなさん気にされるのは、メンテナンスがしっかりしてるかどうか、という方が多いですね。その点で、長く使いたいという思いから木屋を選ぶ、ということはあります。木屋はネームバリューもあるので、信頼がありますからね。
また木屋の商品は、手持ちの木の部分の色がきれいなので「長年使用し、自分の色に染めていきたい」という方がご購入されることもあります。この点を踏まえても、長く使いたい方にはおすすめですね。
手入れとしては、鋼なので水気をしっかり取るということと、濡れた手で使用しない、ということですかね。
木屋 かつお節削り器
鰹節削り器 義久 14,040円(税込)
かつお節は本来、スーパーなどで買ってきて、パッと使うのが普通だと思いますが、弊社女性スタッフから「一からひいてほしい」「細部にもこだわりを持ってほしい」という声が多数集まりましたので、選ばせていただきました(笑)。
普通の人は持っていないからこそ、使ってほしいという思いもあると思います。キッチンにあったら料理好きなんだなーって思いますからね。このかつお節削り器は、他社商品と比較してもそれほど大きくなく、コンパクトで使いやすいんですよ。
削っていいのは、かつおだけですよ
水気に気を遣ってもらい、間違った使用をしなければ、この削り器は長年使えるようになっています。お客様の中でも、父親からもらって使っていたが、最近削りにくくなって持ってきた、という方もいらっしゃったんですよ。
万が一、刃の部分に削りにくさを感じたりゆるくなったりしたら、木屋の方で預かり、しっかりメンテナンスしてくれます。
ツヴィリング ディプロムシェフナイフ
(写真上)ディプロム 三徳包丁 19,440円(税込)、(写真下)ディプロム シェフナイフ 21,600円(税込)
料理人の国際教養機関「ル・コルドン・ブルー」と共同開発して作った、ツヴィリングのナイフです。
1本1本、職人が刃付けをしているので、丁寧な仕上りで人気です。しっかりとした重さがあり、安定して切りやすいナイフとなっています。
こちらの商品も水気に弱いので、刃先を中心に必ず水気を取ってご使用ください。また、「切りやすいから」と、冷凍のものを包丁で切ってしまう方がいますが、刃欠けや刃こぼれの原因になり、切りにくくなる原因になってしまいます。冷凍は固すぎるので、しっかりと解凍してから切ってくださいね。
見た目では何が違うんだかよくわかりません。が、栗原さんは把握している
「切りにくさ」を確かめるポイントは、トマト基準です。トマトが切れにくくなったら(皮に対してスッと入らなくなったら)、研ぎ時期です。ご自宅で確かめてみてください。
包丁やナイフは、定期的に研いでもらうことで一生使えるものなので、メンテナンスをしっかり行ってください。もちろんメーカーに頼んでも、ご自身で行っても構いません。状態にもよりますが、メーカーではおおよそ1,000円~2,000円程度で可能です。ただすべての包丁が対象になるわけではなく、研げない体質のものもあるので、一度メーカーが状況を判断し決めます。
ご自身で研ぐときには刃の両面に対して、力のかけ方や、その角度が大事です。特に男性に多いのですが、どうしても力を入れすぎてしまい、逆に刃こぼれする可能性もあります。心配であれば、こちらにお持ちいただくか、メーカーへご相談ください。
桧製せいろ
(写真上)中華セイロ 桧 24cm(蓋) 8,532円(税込)、(写真下)中華セイロ 桧 24cm(身) 8,532円(税込)
国産の桧で作られた、枠が厚く耐久性があるせいろです。蓋の上部が竹の皮で編んで作られており、蒸気が適度に抜けるので、肉まんや蒸し野菜が結露せずにふっくら作れるアイテムですよ。
3サイズ展開なので、ご家族の人数やお作りになる量などに合わせて選べます。また、長い蒸し時間に対応できるので、おこわや赤飯なども蒸すことができます。
蒸し板を1枚ご購入いただければ、3サイズすべて対応できます。
尚、購入してすぐに使うのではなく、10分くらい蒸気をあててもらい空蒸しをすることをお伝えしています。せいろも、まずは馴染ませることが必要です。気をつけていただきたいのは、水でじゃぶじゃぶ洗えないので、汚れた場合は固く絞った濡れ布巾で拭いてください。あと湿度が高いところに置くと、桧や竹がカビてしまうので、湿度の低い場所で乾かすことが大事です。そうした手入れをしていただければ、長い間ご使用いただけます。
お客様の中には、母から娘へ引き継いだり、長年両親が使っていて同じものを新調したい、という方もいらっしゃいました。長く使ってもらえればもらえるほど、愛着を持って使えると思います。
料理初心者へのアドバイス
いままでお話させていただいた中にもいくつか出てきましたが、本当によいキッチングッズは、しっかりと手入れをすれば、長い間ご使用いただけます。わからないことがあればぜひ店頭スタッフへお声がけください。
また、「料理」を大変な仕事だと思ってしまう方もいらっしゃいますが、よいキッチングッズと素材を使用すれば、一品だけでも簡単に作れるので、ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。
[伊勢丹新宿]