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築38年の団地をアトリエ兼住居に。モノが多くても生活しやすい収納術とは?(佐賀市)|みんなの部屋
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築38年の団地をアトリエ兼住居に。モノが多くても生活しやすい収納術とは?(佐賀市)|みんなの部屋

2021-06-07 10:30
    2017年に野村総合研究所が国内100都市を対象として行った「成長可能性都市ランキング」の中で、「都市の暮らしやすさ」1位として選ばれた佐賀市。

    そんな市内の佐賀駅から車で10分ほど。中心部へのアクセスも便利な団地エリアに、今回ご紹介する中村さんのお住まいはありました。

    お名前(職業):中村さん(画家)
    場所:佐賀県佐賀市
    広さ:2LDK/53.08㎡
    家賃:4.7万円
    築年数:38年
    住宅の形態:マンション(団地)

    編集部作成

     

    進学をきっかけに、関西からそれまで縁もゆかりもなかった九州・佐賀県へ。卒業後も市内で画家として活動を続けられる中で、それまで別にしていた居住空間とアトリエの両方を兼ねる住まいを見つけられた中村さん。

    創作活動の拠点であるアトリエとしてはもちろん、住まいとしての充実度も格段にアップしたというお部屋について話を伺いました。





    お気に入りの場所

    たくさんの本を収納できる本棚スペース

    リビングに入ってまず印象的なのが、壁一面に並んだ本の数々。創作活動に関する資料から趣味の雑誌や漫画まで、幅広く揃っています。

    たくさんの書籍収納に関しては、知人の部屋の影響もあったのだとか。

    「知り合いの方のおうちに遊びに行ったとき、無印良品のパルプボードボックスを重ねて壁面収納にしているのを見て、これはいいと真似しました。その場でつくり方を教えてもらい、帰宅してすぐ購入しましたね。

    私は幅が狭いものを重ねて、背が低い本専用にしています」

    既に本棚に収まりきらない本も出てきていましたが、こちらは棚を増やすのではなく、積んでいきたいそう。綺麗に並べられた本棚も、無造作に積み重なった本も、どちらも絵になりますね。

    収納方法を考えるのが楽しみな作業部屋の押入れ

    創作活動を行っていると、どうしても部屋にモノが溢れてしまいがち。

    以前の住まいとアトリエから持ってきた荷物をまだ片付け切れていないと話しながらも、広い住まいになったことで収納の可能性はかなり広がったそう。

    「1部屋に1つ収納がついているのが嬉しいですね。とりあえずふすまは外してオープン収納にしました。

    まだまだ改良の余地ありなのですが、収納グッズを組み合わせていい感じに収めようと画策しているところです。どうするか考えて色々やってみるのが楽しいですね」

    取り出しづらい収納の下段は、キャスター付きの板に乗せて取り出しやすく。収納ボックスはモノの場所がわかりやすいようにラベリングされ、モノが多い中村さんの部屋でもスムーズな作業が叶えられそうです。

    充電忘れを防ぐ、物置コーナー

    リビングの入り口に配置されていたのが、籠とコードが配置された充電コーナー。外出時の充電忘れを防ぐためにつくられたのだとか。

    「帰ってきて、財布とかイヤホンとかケータイとかをパパッと置くことができます。各種充電器もここに集めました。出かけるときに見つからないなんてことも防げるのでオススメです」

    この部屋に決めた理由

    アトリエ兼住居に最適な空間

    引っ越す前から、近くを通ってこの物件の存在は知っていたと話す中村さん。ご自身の創作活動に適した環境を探す中で、検索に引っかかり内見した時にはもう一目惚れだったそう。

    「近くを通りかかった際に、こんなところに住みたいなあとうっすら思っていた建物でした。

    アトリエのお誘いやシェアハウスのような案も出ていたのですが、それまで借りていたアトリエと住居をできれば同じ空間にしたいなと思っていたので条件に合わず。

    佐賀で暮らすのは難しいのかなと考えはじめていたころに、習慣化されていた賃貸サイト巡りの中で出てきたのがこのお部屋だったんです」

    「物件探しで重視した順に、部屋数、家賃、日当たり、内装のリフォーム具合、あとは外観がありました。

    ここは内見の際、陽のあたるぽかぽかのリビングに座り込んで、不動産屋さんと小一時間の雑談を楽しんだんです。想定していた立地条件からは外れていたのですが、居心地があまりにもよくてすぐ決めました」

    「敷地にゆとりがあって明るく、静かな雰囲気も好きでしたね。住み始めてからも採光、収納、防音、目線が交わらない設計など、建物自体がすごく合理的なつくりをしているなあと日々実感しています」

    残念なところ

    常にサーキュレーターが必要な浴室

    室内は綺麗にリノベされた空間なものの、築40年近い建物の水回りには悩みがつきもの。

    「お風呂がとにかく掃除しづらくて、窓に網戸も換気扇もありません。そのため常にサーキュレーターを回しておかないと湿気がすごくて。冬場は特に寒さも辛かったですね」

    浴槽自体が、浴室に据置き型で置かれていることに加え、排水管の関係もあり水の滞留する空間が広く残されているのが原因で、匂いも気になるところなのだとか。

    「浴槽下の空間を掃除する方法がなくて、お湯を入れると湿気のせいか少し古い匂いがしますね。引っ越し屋さんに伺ったのですが、なんと昔は浴槽を持ち込まなければならなかったそうです。歩いていける距離に銭湯があるので、そちらをよく利用しています」

    気になるゴムパッキンの古さ

    同じく築年数の古い物件だからこそ気になるというのが、ベランダのサッシなどに使われているゴムパッキン。リノベーションではなかなか変更が難しい、窓のフレームには苦戦されているそう。

    「入居時はカビハイターでパックしたりと頑張っていたのですが、もはや素人がどうにかできる次元じゃないことがわかったので諦めました。もう少し落ち着いたら業者にお願いして、付け替えてもらおうかと考えています」

    お気に入りのアイテム

    高校時代からの夢だったソファ

    部屋が広くなるにあたって新しく取り入れたインテリアがunicoのソファ。昔から使いたかった憧れだったのだとか。

    「高校時代の通学路にunicoがあって、いつか使いたいなと眺めていたソファでした。

    お部屋が広くなった分、今が買いどきだと思い購入。人生で初めてソファのある生活になったのですが、命のきらめきを感じるほど幸福度が高いですね。見ているだけでも癒されます」

    お部屋時間の大半は、ここで寛いでいると話す中村さん。ゲームをしながら気づいたら横になってしまっているのだとか。憧れのインテリアを存分に楽しめる住まいっていいなぁ。

    ナチュラルな色合いが好みなフロアタイル

    全面真っ白だったリビングはフロアタイルを使って、元の空間とは異なる印象になっていました。TOLIで選んだというロイヤルウッドのフロアタイルは、見た目も感触もお気に入りのアイテム。

    「白のお部屋に黒のインテリアだと極端な印象になり過ぎる気がして、風合いが自然な木の感じも可愛いフロアタイルを選びました。イメージは銭湯のロッカールーム的なタイル。夏に素足で歩くと気持ちよさそうだなあと思っています」

    デザインも使い勝手も好みな鴨居フック

    機能性の高さはもちろん、デザインが好きだと話されていたのが鴨居フック。ホームセンターなどでもよく目にする、引っ掛ける収納に便利なアイテムのひとつです。

    「和室など、鴨居があるお部屋に住む上で必須のアイテムだと思っています。機能性はもちろんデザインが好きで、自分でフックに掛けるのがちょっとした至福の時間になっています」

    「ただそのデザインが好きな分、こだわりがあります。フック自体には色や装飾で存在感が出過ぎないものがよくて、クリア系のものをセリアやダイソー、ホームセンターなどで見つけては購入するようにしています」

    暮らしのアイデア

    DIYでフロアに変化をつける

    「以前お部屋に関する本で読んだ、床をそのままにしていると『床が恥ずかしがっているよ!』というワードが妙に心に残っていて、それ以来、床には何か敷かねばとそわそわしてしまいます(笑)」

    実際に住まいの中では空間毎にフローリングをアレンジ。寝室は柔らかさのあるクッションフロアに。

    作業スペースは、グレーのクッションシート。前の住まいから使われていたもので、空間に落ち着いた印象を与えています。

    床、壁面と真っ白な空間だからこそ、フローリングを変えることによってお部屋毎に異なるアクセントがついているんですね。

    これからの暮らし

    理想の家具を増やして住まいを楽しみたい

    現在の住まいは住み始めてまだ半年ということで、住空間を満喫するのはまだまだこれから。今の住まいにもインテリアを増やしてもっと楽しんでいきたいという思いがありました。

    「ソファと同じくずっと使いたいインテリアがあって、D&DEPARTMENTの円形テーブルが欲しいんです。ひとり暮らしですが、直径120cmの大きなテーブルをリビングとダイニングの間にどーんと置きたいですね」

    「本棚も、本当は図書館にあるような業務用っぽいスチール性のものを並べたいんです。これは今の家では無理そうなので、いつか武士が住んでいたような縁側付きの平屋に住んで、そんな書斎をつくれたらと思っています。

    佐賀だと旧古賀家、山口亮一旧宅、大隈重信旧宅などを見にいくと、非常に日当たりよく設けられた縁側とそこからのぞく中庭が至極だなと感じるんです。小さくていいので、床の間もあればなおよしですね」

    進学を理由に訪れた環境に根を張りつつ、将来的には季節に応じて住まいを変えられる、2拠点での暮らしもしてみたいと話す中村さん。

    住まいの充実と合わせて、そこからどんな新しい作品が描かれていくのか。これからも目が離せませんね。

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    RSSブログ情報:https://www.roomie.jp/2021/06/719204/
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