あけましておめでとうございます。

新しい一年、ぜひおすすめしたい「おうちスタイル」の一環として、「アナログ・レコードで聴く音楽生活」を強力プッシュしたいと思います。家にアナログプレイヤーのオーディオセットがあるって、インテリアとしてもかなり素敵ですし、毎日帰宅してレコードを聴くのが楽しみになります。

僕の場合、まず最初にDJ用の「RANE MP 2015」というミキサー(複数の音源をミックスする機械)を買って、そのあとDJ用のターンテーブル(レコード・プレイヤー)を1台ずつ買い足していきました。その理由はコロナ以降、クラブなど音楽がかかる場所に出かける機会がめっきり減ってしまったので、家でDJの真似ごとっぽいことができれば、自分の好きな音楽をもっと能動的に楽しむことができるんじゃないかと考えたからです。

USB接続でパソコンがつなげるタイプのミキサーがあれば、Apple MusicやSpotifyなどのサブスクリプション音楽サービスや、専用のDJソフトなどでDJミックスやDJプレイができます。ミキサーにしっかりした外部スピーカーをつなげれば、ハイレゾなど高音質で再生できるようになりますし、PC+高機能ミキサーの組み合わせでほとんどのことができるのですが、思い切ってアナログ盤が楽しめるレコードプレーヤーを追加してみました。

実際に買ってみてよかったことは以下のとおり。

1)アナログレコードは高価(新品のアルバムで2,000円~6,000円ぐらい?)なので、同じものを何度も聴くようになり、結果的にサブスクリプションで聴くより好きな曲が増えた。

2)家族にレコードをプレゼントしたり、好きな音楽をかけて聴かせたり。データで音楽を聴いていたときにはできなかった「コミニケーション・ツール」としての用途が高まった。

3)慎重に針を落として、A面を聴き終わったら、裏替えしてB面をかける。一連の所作がルーティーンとなり、BGM的な楽しみ方から趣味としての音楽鑑賞へと変わっていった。

1は、今までいかにApple MusicやSpotifyなどで音楽を「聴き流す」ようになっていたかを実感しました。ルーミーを立ち上げる前は、音楽メディアで仕事をしていたのですが、一回聴いてその良さがわかるようなタイプではなかったので、ミュージシャンのインタビューのときは事前に何度も作品を聴きこまねばならず「この仕事向いてないかもな」と悩んだ時期もあります。今のところ、まだ手元にあるレコードは数枚しかなくて(笑)、仕方なく同じ曲を何度も何度も聴きこんでいくうちに、だんだんと、最初は気づかなったメロディーの魅力や、アレンジの良さがわかってくるんです。レコードを大切に聴いていると、そんな音楽本来の楽しみを失くしていた自分に気付かされます。

2は、単純に妻からのクリスマス・プレゼントをレコードにしてもらった、ということです(笑)。もちろん、子供に聴かせたり、同じレコードプレイヤーを持っているもの同士で音楽の話題に花を咲かせたりなど、フィジカルなレコードだからこそできるコミュニケーションの輪が広がっていく予感がしています。

3は、プレイヤーの電源スイッチを入れて、スタート/ストップボタンをオンにして、レコード盤が回転しだすと、針を慎重に盤面にのせてようやく音楽が流れはじめる。その一連の動作と、音が流れだす瞬間がひとつのドラマですし、毎日繰り返すルーティーンになってくると、コーヒーを丁寧にドリップして朝が始まるような気持ちのメリハリにつながっていくところがあるんです。

正直いって、数十分でレコードを裏がえしにいくのは大変ですし、フルオートのレコードプレイヤーだったらもっと楽だろうなとも思うのですが、それを言ったらスマートフォンで音楽聴く方がもっと楽ですし、音質も安定して楽しめます。でも、だからといって、レコードをやめようという気持ちには今のところまったくならないんですよね。たぶんレコードならではの奥深さ、まだ未知数な部分こそが自分をひきつけているんじゃないかと思います。

以上、いろいろ書き連ねてみましたが、アナログレコードならではの大変さはやっぱりたくさんあります。なにしまともに音がでるようになるまでが大仕事。おまけにメンテナンスで失敗したり。次回はその課題点と対応策について、自分の体験をもとにお話できればと思います!

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