カナダのブリティッシュコロンビア州に「サレー」という町があります。自然の残る都市ですが、近年の都市成長とともに人口も増加。開発の波は徐々に町に押し寄せているそうです。
その町に住む12歳の少女オリビアちゃんは母親と近くの小さな森を散歩中、あるものを発見。それは、樹齢100年は越えるであろう木々に直接オレンジ色のペンキで書かれた数字。実は、この地域の森は土地開発のために切り倒される予定だったのです。
大好きな場所を失いたくないオリビアちゃんは市長であるダイアン・ワッツ氏に「森を壊さないで欲しい」という内容の一通のメールを送ります。そのメールは地元紙「サレー・ナウ」に掲載され、人々の関心を集めることに。メールの全文はこちらから。以下はメールの内容を一部抜粋して紹介。
「私たちはとてもがっかりしています。この森は私が小さい時から育った場所で、そしてこれからも私はここで成長をしていく場所です」
「この森には100歳を越えている木もあります。それらを切ってしまうのは正しいことではないと思います。サレーはすでに多くの森を失っています。私たちは残された森を守る必要があると思います」
「これは私や家族のためだけではありません。その森に住むワシ、鳥、アライグマ、野ネズミ、リス、鹿、それからそこに育つ多くの木や野草たち。森を壊すということは、それらの生き物に死の宣告をするようなものです」
「多くの人は言います『この開発はサレーの未来のために必要なこと』。でも、私も私の友達も家族も、みんな『サレーの未来』のはず。計画がこのまま進むのであれば、サレーに未来はないと思います。計画を進める人はもう一度良く考えてください『The Future Lives Here(未来はここにある)』の本当の意味を」
実はこの『The Future Lives Here』というのは、このサレーという町が掲げるスローガンだったのです。
結果、オリビアの訴えは町の多くの人の共感を集め、当初の提案を却下させることに成功。未来の世代へ森を残すように開発の規模が変更されたそうです。
人の心を動かすのに年齢は関係なく、大切なのは「世の中を変えたいという強い想い」。そんなことを再認識させてくれる素敵な話です。
Cloverdale girl’s plea helps preserve Surrey forest [The Province][theNow]