古き良き時代の建物が立ち並ぶイギリス。みなさんがテレビや雑誌で目にする美しい緑とお花に囲まれた歴史感じるこの国は、そのThe イギリスとは違う顔も持っているってご存知でしたか?
違う顔とは、ストリートアート。世界的に有名なストリートアーティストであるバンクシーを生み出したこの国では、ストリートアートシーンが日々進化し続けています。特にロンドンでは、毎日新しいアートが、あちらこちらに現れるのです。もちろん、ストリートアートはこの国でも違法行為ではあるのですが、有名になると違法行為ではなく、「是非絵を描いてほしい!」と壁を提供されることも。最近では、企業の広告としてストリートアーティストが街に絵を描くというケースも増えているのが事実!
そして今、バンクシーと並びイギリスのストリートアートシーン界を牽引しているアーティストと言えばSAKI & Bitches。実はこのアーティスト、日本人の女の子だったのです。
メイクアップアーティストとしてキャリアアップするためにロンドンにやってきた彼女。ショーや雑誌の現場で9年間走り続けてきたSAKIさんでしたが、ある日「自分には向いていない!」と思いスパっとそのキャリアをストップしたそう。それからなんとな~く描いていた自分の絵をステッカーにして街中に貼りはじめるようになったんです。それがこの『Jenny on the Bike』。
このステッカーがストリートアートのみを撮る写真家によってブログで紹介され、SAKIさんをどっぷりとこの道へと招き入れたのです。
「私、ストリートアートしてるんだ!もっといいものを、もっと面白いものを、もっと大きいものを!」
これをきっかけに場所を見つけては、絵を描くようになり4年。今ではその認知度はロンドナー達にとってかなり高いものに。彼女の描く絵は今も昔も変わらず、セクシーで小生意気な態度の女の子。鮮やかな色と黒のはっきりとしたアウトラインで描かれる彼女の作品は、SNSサイトで写真が公開されることにより、人から人へと評判が伝わり、現在ロンドンのショップの広告塔としても楽しむことができるようになりました。
イラストのサブジェクトが、裸の女の子ということもあり、SAKIさんを男性アーティストだと思っている人も多いよう。まさか、日本人の女の子だとは想像がつきませんからね。
アートスクールや美術、デザインのバックグラウンドは一切なかった彼女でしたが、今では年に1回個展も開くほどに。ストリートアートの際は色んなテーマで絵を描くSAKIさんですが、個展となると日本をテーマにしたものになるようです。今までにロンドンで2回、去年は東京でも個展を開いた彼女。次の個展は、また別の都市でやってみたいという意気込みも。
小さなステッカーから、今では大きな壁に絵を描く有名ストリートアーティストにのし上がったSAKIさんは今後立体作品にもチャレンジしていきたいそう。ロンドンの街をふらっと歩けば、あなたに向かって彼女のセクシーな作品が手招きしているかもしれません。