週刊 石のスープ
定期号[2011年11月10日号/通巻No.11]
今号の執筆担当:西村仁美
※この記事は、2011年11月に「まぐまぐ」で配信されたものを、「ニコニコ・チャンネル」用に再配信したものです。
次の執筆担当のメルマガ発行が出張の帰国日に重なる。それで今回は出張にまつわることを書こうと思う。テーマは「宿」。
■「いつもどこに泊まっているの?」
特に海外出張の場合、寝泊りする場所を聞いてくる雑誌社の編集者は極めて少ない。そこに触れるのは「鬼門」なのだろう。
言ってしまうと、自分の出版社で経費を出していない心苦しさを感じなければならないからではないか、と私は思っている。
というのも例えばどこかの雑誌社で企画を通すとしよう。それが二、三社あったとしても、どこからも経費や交通費が出ないことがままある(これは声を大にして言いたいところ!)
あるいはまた海外で取材したいものがある。その企画を「雑誌社」で通すための「下調べ」で現地に取材に行き自腹を切らねばならないこともよくある。
企画が通った時点でその分の取材経費も雑誌社に請求しても、そこまで認められるのは、これも私の知っている範囲では極めて稀だ。もちろん国内出張でも似たような状況ではあるが、まだ国内の場合、交通費や経費が出る場合がある。
前者であれば、これはもうたくさんの雑誌社などで書いて書いて書きまくって宿代を含む経費を回収するしかない。
後者であれば、一社で企画が通ったとして、そこで経費が出ればいいが出なければ原稿料を高く買ってもらう…と言っても、それは雑誌媒体それぞれの原稿料の基準があり交渉してもなかなか難しい。
また私は無名で「書けば売れる」わけでもない。だから後者もあまり期待できない。つまり現状では、私の場合、いずれにせよ「経費を抑えるにこしたことはない」ことになる。
ちなみに本の出版についてだが、基本的には交通費を含む経費はいっさい出ないというのが当たり前となっている。さらに言えば、出版が決まった時点で契約書を作り、契約を交わすというのもなかなかない。
だからここでは雑誌で書く場合の話をしている。
それで冒頭の問いかけにもあるように、特に海外出張でいつも悩むのが「寝るところ」。もちろん交通費もかかる。だからなるべく抑えられるよう例えば往復航 空券などは格安ものを探すのは言うまでもない。しかし航空券などを抑えるには限界がある。飛行機のヒッチハイク(車でもよほどのことがない限り嫌だけど) はできないし。宿についてはどこに宿泊するかで滞在日数、つまり取材できる日数も変わってくるため、これは仕事をする上ではかなり重要な要素となってく る。