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「生まれてきた意味」
コメ0 草の根広告社 18ヶ月前
母から誕生日の祝メールが届いたのは5月31日の一週間前の朝だった。悪い気はしなかったけれど、年賀状が年内に配達されたような気分だった。当日は用事でもあって前倒しでメールをしたのか。息子の誕生日を忘れてしまったのか。それとも、と少しだけ母のことが心配になった。
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「2023年5月8日」
コメ0 草の根広告社 18ヶ月前
コロナという非日常が完全に日常になった。 新型コロナウイルスの感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同じ5類に移行された。重症化率は下がったのかもしれないけれど、ウイルスが消滅したわけではい。ようするに非日常的な病気から日常的に共存している病気になったという話だ。
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「都会の憂鬱、田舎の憂鬱」
コメ0 草の根広告社 20ヶ月前
都会の憂鬱なんて言葉がある。言葉にするとボードレールやランボーのような文学的格調もあるけれど、実際にはまるで良いものじゃない。生の空虚さなんて煙草と同じで健康に支障をきたすだけだ。かくいうぼくも都会暮らしの頃はいつも鬱々としていた。様々な化学物質の粒子で霞がかった空のような、奥歯の小さな痛みが...
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「海の中で何が起きているのか」
コメ0 草の根広告社 21ヶ月前
ワカメがおいしい季節だ。朝収穫されたばかりの黒々としたワカメを沸騰した湯の中に丸ごと放り込む。みるみる緑色になっていく。それをザルに開け、まな板の上で刻んでポン酢で頂く。葉もおいしいが、やっぱり茎ワカメのシャキシャキ感が塩気と相まってたまらなくうまい。三浦半島の春の味のひとつだ。
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「ありそうでなかったもの」
コメ0 草の根広告社 21ヶ月前
この辺りはタコが名物だ。 凧ではない。足が八本で黒い墨を吐く、あの蛸である。黒潮による栄養豊富な海流のおかげでタコの餌となるアワビやサザエなどの貝類や伊勢エビなどの甲殻類が数多く生息するおかげで、神奈川県内でも水揚げ量はトップクラス。丸々太った身は歯ごたえがありつつも柔らかく、噛めば海の滋味...
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「キャンプみたいだね」
コメ0 草の根広告社 21ヶ月前
朝、リビングのエアコンが停止した。 メーカーにエラーメッセージを伝えると基盤故障とのこと。生産から10年が経過しているため交換部品もなく修理不能だという。「新しい製品への買い換えをご検討下さい」
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「2022年12月24日」
コメ0 草の根広告社 23ヶ月前
大時化だった。日本海側を吹雪に見舞っている強い寒気の影響で前日から波浪警報が出続けていた。風が悲鳴を上げていた。シラス船は連日休漁で、昨日は大きな波のうねりを捉えようとしていたサーファーの姿も今朝はもうなかった。
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「2022年12月22日」
コメ0 草の根広告社 23ヶ月前
明け方の海に25フィートくらいの漁船が数隻出ていく。シラス漁を兼ねた養殖ワカメの植え付けだ。海に張り巡らせたロープにワカメを植え付けていく。「海水温が少しでも上がると不漁になっちまうんだ」 何年か前に漁港の食堂で一緒になった漁師さんがそう言っていた。仕事終わりだったのだろう。昼過ぎから麦焼酎を呑...