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野田稔と伊藤真の「社会人材学舎」VOL.7 NO2
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野田稔と伊藤真の「社会人材学舎」VOL.7 NO2

2014-08-11 06:00

    野田稔・伊藤真の「社会人材学舎」VOL.7 NO.2

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    コンテンツ

    対談VOL.7
    浜田正幸氏 vs. 野田稔

    社会人材とは自分の足で立ち
    完結的な価値を創造でき、なおかつ
    外に向かって開いた人材のこと

    第2回 プロフェッショナルと社会人材の違いは何か

    Change the Life“挑戦の軌跡”
    グラフィックファシリテーター――日本で1つの肩書き
    ――株式会社ユニファイナアレ やまざきゆにこ

    第2回 右手の欲求に抗えなかった転職の顛末

    NPOは社会を変えるか?
    第22回 志があってクリーン、そして若さがポイント
    ――NPO法人ドットジェイピー 佐藤大吾理事長

    粋に生きる
    8月の主任:「仁平幸春」
    第2回 工房を立ち上げ、作家として独立した頃

    誌上講座
    テーマ7 二流を超一流に変える「やる気」の与え方
    野田 稔
    第1回 状況に対応して動機付けの仕方も変わるもの

    連載コラム
    より良く生きる術
    釈 正輪
    第26回 死を見つめることから生が生まれる



    対談VOL.7
    浜田正幸氏 vs. 野田稔

    社会人材とは自分の足で立ち
    完結的な価値を創造でき、なおかつ
    外に向かって開いた人材のこと

    なゲストをお招きしてお送りする対談をベースに展開していきます。ゲストとの対談に加え、その方の生き様や、その方が率いる企業の歴史、理念などに関する記事を交え、原則として4回(すなわち一月)に分けてご紹介していきます。

    今月のゲストは、浜田正幸氏。多摩大学経営情報学部および大学院経営情報学研究科教授で、「社会人材学舎」の講師陣の一人です。誌上講座にも一度、登場いただきました。早稲田大学大学院修士課程修了。大学院で認知心理学、行動科学を研究の後、本田技研工業入社。ホンダF1チームのコーディネーターとして欧州を転戦。その後91年、野村総合研究所に移り、人事・組織を中心にした経営コンサルタントとして活躍。独立して、ケアブレインズ設立。多摩大学経営情報学部准教授を経て現職。現在は樵とし、またチムニースイーパーとしても活躍。
    社会人材学舎の理事長である野田稔とは、野村総合研究所以来のパートナー。今月の対談では、この二人が社会人材について語り合います。

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    第2回 プロフェッショナルと社会人材の違いは何か

    自分の足で立てるプロが
    社会向かって開いて初めて社会人材になる

    野田:社会人材とはどのような人材か。ここまでの議論でもすでにその一端が見えたと思います。
     1つの条件として、自分の足で立って、完結的に仕事を成り立たせられる人。多分これはプロフェッショナルというものの、1つの定義だと思います。僕はプロフェッショナルの定義として、ある一定の、しかしかなり広い範囲で完結的に社会に価値を生める人としています。
    浜田:それは広いですね。
    野田:なぜかと言うと、エキスパート、スペシャリストと差別化したかったからなんです。エキスパートやスペシャリストというのはパーツができる人。だから一人では完結的な価値は生めない。だけどプロというのは、全部自分一人でできるわけではないけれども、かなりの部分、自分で作って価値が出せる人ではないかなと思うのですね。そして、足りないところを補う、つまりは人を使うという術も当然に心得ている。チーム編成をして、隣のチームと手をつなげることもできる。これがプロじゃないのかなと思っています。
    浜田:僕はプロの条件を結構、狭くとらえていますね。高い職業意識を持っていることと、ある分野の中での技術や技能をかなり極めていて、そのことに強い誇りを持っている人。ここまでで、一人で、自分の足で立てるところまでは実は入れていない。
    野田:僕はエキスパート、スペシャリストとの差別化を定義上したかった。そうすると多分、職務範囲しかないかなと思ったのです。それはプロジェティスタを見て考えついたことではあるのだけど。
    でも、たとえば(前回登場した)田中さんにしてもそうだし、チムニースイーパーのマイスターでもそうだと思うけど、そういう意味では、ただ煙突を掃除できるエキスパートではないわけだよね。
    浜田:チムニースイーパーたちがおもしろいのは、年1回開催される世界煙突掃除人集会に世界中から集まってくる。煙突掃除というだけでなく、日本で言うとボイラー技士に近いですね。だからボイラー技士も含めてになりますが、毎年1回、チムニースイーパーのインスペクション(検査)を受けて、合格のシールをもらわないと、家の中のボイラーや暖炉を燃やしてはいけないという制度なんです。
     そのインスペクションを受けるために毎年1回、世界中から集まってくるのだけど、そこで知識の共有が起こるのですよ。たとえば火事はそうそう起こるものではないので、予備知識はあっても、実際の経験値が足りない。そこで、広い世界でそうした不幸な体験をした人がいれば、その経験を共有できるわけです。
     あるいは、「新しいストーブには、こういう欠陥があるらしい」といった話も共有されるわけです。
    野田:そうなんだ。ただ酒呑んで騒いでいるだけじゃなくて、そこで知の共有をしているのですね。
    浜田:たとえば、ボイラーにしても、暖炉だとか薪ストーブにしても、ペンキだとか、さまざまな化合物が付着している廃材などを燃やしてしまうと、どういう影響があるのかといった研究もなされるわけですが、そうした研究成果も共有します。ダイオキシンなどについても、「うちの国ではこうなっている。結構危険な話なので、お前たちの国でも運動を起こしたほうがいいかもしれない」などという、それは噂話も含んでいますが、さまざまな知識や最新事情のやり取りが行われています。
    野田:かなりレベルが高いですね。浜田さんもその一員なわけですよね?
    浜田:参加しているだけですけどね。それで、彼ら確かに煙突掃除人だとかボイラー技士の技能を極めているのだけど、その先がある。もちろん、ある時点で、言ってみれば成長が止まる人もいるけど、そのうちの何人かは、突き詰めて、突き詰めて、だんだん鋭利になっていく、そのどこか臨界点で、今度は急に開くのですよ。自分の興味対象が開く。社会に向かって開くのです。
     俺たちは確かに、チムニースイーパーで、ボイラー技士としての技術が高い。そこはベースなのだけど、そこで満足できなくなる。もっと皆で協力して、情報を共有することで、世の中のためになるのではないか。そう思い始めるのです。
     ここが、スペシャリストやプロと社会人材の違いかなという気がしているのですよね。プロはプロで極めていくのだけど、そこで両足で、自分の足で立って歩けるのかもしれないけど、その先の、俺はこの分野のプロなんだけど、でもここに立脚して、この知識を使って、もっと社会に貢献したいと、開いちゃうところですね。もちろん、全員が開くわけではないけれども、中に開く人が現れるのですよ。
    野田:開いて、初めて社会人材ですね。と言うことは、社会人材は自分の足で立てるプロであることは内包している。プロでもない社会人材は絵空事だということですね。
    浜田:そうじゃないですかね。

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