【注意】
核心部分には触れませんが、
本記事はゲーム『ペルソナ5』と推理小説『水車館の殺人』の
アウトライン的なネタバレを含みますのでご注意ください。
綾辻行人さんの推理小説『水車館の殺人』(1988)
彼のデビュー作『十角館の殺人』は、
たった1行、わずか11文字が世界を変える衝撃の作品として
今なお推理小説界隈で金字塔となっている作品である。
確かに凄かった。私も初読の時はウワッとなった。
しかし私は『十角館』よりも2作目の『水車館』のほうが好きだ。
中盤以降はずっとドキドキしながら、寝るのを忘れてしまうくらいに熱中して読んだ。
熱中しすぎて翌日寝坊して生活に思いっきり支障が出てしまったのだが、
そのくらいの凄まじい引力がある作品だ。
まず冒頭「プロローグ」の描写が秀逸である。
いきなり発生する重大事件。
読者は何の説明もされずただひたすら、おどろおどろしい雰囲気の妖館で繰り広げられている影絵の人物たちによる言葉の応酬を聞くことになる。
車椅子に坐った仮面の男、ネグリジェを着た美しい少女、赤ら顔の中年男、黒縁の眼鏡をかけた小男、仏頂面をした大柄な男、金属的な艶のある落ち着いた声の色白男……
いったい何が起こっているんだ?
そして場面は切り替わり、物語は何事もなかったかのように平穏な初日から始まる。
そこからいろいろあって300ページほど進んだ「インターローグ」。
冒頭プロローグの描写、会話と全く同じものが繰り広げられる。
ただ今回は、由里絵、大石、三田村…… この300ページで見てきてもはや当たり前となった人物たちの名前が出ていて、その表情がはっきりと映し出されている。
「ああ、これは明らかに読者への挑戦状だな」
「このインターローグまでが事件編で、これ以降が解答編なんだな」
そしてそこから様々な要素が収束して一気に畳みかけてくる終盤の見事な展開……
『水車館』を読み終わった直後、いや最終章を読んでいる最中だったかもしれない。
「ああこの感じ、これペルソナ5だ」
そんなことをふと思っていた。
アトラスのRPG『ペルソナ5』(2016)
年甲斐もなくどっぷりとハマってしまったゲームである。
どこにでもいる普通の高校生(?)が、世直し怪盗団として暗躍するという日本が誇る名作RPGだ。
『ペルソナ5』も、最初いきなりわけもわからず巨大カジノに放りこまれ、仲間らしき影絵の人物たちと交信しながら進んでいき、気がついたら刑事か検事らしき人物から「どうなの!」と取り調べを受けていて……
そして場面は切り替わり、物語は平穏な4月の初日から始まる。
7か月後、あの巨大カジノにやってくる。
裏工作を終え、ペルソナ5プレイヤーには説明不要の、あの最高に盛り上がるBGMとともに最深部を目指すクライマックス。しかもそのBGMはなんとここで初めて……
冒頭の影絵のシーンは、実はペルソナ5の中でも屈指の山場のシーンだったのだ。
そしてそこから様々な要素が収束して一気に畳みかけてくる終盤の見事な展開……
(ちょっと長いけど)
ああこれだこれだ、と思うと同時に、
どうりで好きなわけだな、熱中しすぎて寝坊してしまうわけだな、と思った次第だった。
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